子供の脳にいいスーパーメソッド

読んだ本の感想。

鈴木昭平著。2016年11月6日 第1刷発行。



何だか胡散臭い。

以下は、「エジソン・アインシュタインスクール協会」のWebサイトへのリンク。

https://gado.or.jp/

発達障害者の特徴の一つは、周囲のからの刺激に極めて敏感である事?右脳、左脳のバランスが悪いと、例えば音に関する感覚が強過ぎると小さい音にも反応してしまう。これは普通であれば反応しない僅かな刺激にも反応出来る事でもある。

著者の方法論は、脳の反応が良い部分に働きかけるため、雑音を拾えないほど高速で情報を入力する。高速道路を走っていると、標識や周囲の車は目に入るが些細な景色は見えないらしい。カードを高速で捲って見せながら、高速で読み上げる。

〇疲れ難い脳
人間の脳は水分を除くと六割が脂肪で出来ている。人間の体温よりも低い温度の水中を泳ぐ魚の脂は、少しぐらい低い温度では固まらないために血流に良いらしい。

発達障害者には便秘が多いとして、伝統的な和食によって食物繊維を摂取する事を推奨している。

脳内ではアセチルコリンが分泌され、糖鎖がアセチルコリンをキャッチする事で情報が伝わる。糖鎖栄養素は、大豆、果物、海藻、アロエ、鰻、穀物や果物の皮、蟹の甲羅、海老の殻、燕の巣等に多く含まれ、①納豆、卵黄、メカブを混ぜた物、②豆乳ヨーグルトにカエデ樹液を混ぜた物を推奨している。

そして、牛乳や小麦粉、安価な卵や白砂糖に注意している。

〇自信の付け方
人間の自信は他人から信じられる事で生じる。それだから教育においては子の可能性を信じなくてはならない。自信が無いと不安が多くなり、パニックに陥り易くなる。

〇体操
足を肩幅程度に広げて達、両腕を心臓よりも高く上げて、前に向かってグルグル5回~10回回す。その後に、両腕を下げて、手首を10秒間振り、さらに高速で10秒間振る。

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100の地点でわかる地政学

読んだ本の感想。

編・著者:パスカル・ゴーシュン/ジャン=マルク・ユイスー。
2011年10月5日 印刷。



第一章 パワーを発散する地点
大都市には権力が集中する。権力は慣性の論理に従って、同じ場所に留まる事を好む。

1 ニューヨーク
米国最大の都市。人口800万人。米国が体現する普遍的価値観の象徴。

2 ブリュッセル
979年に建設され、人口110万人。EU諸機関の首都。ラテン系欧州(ワロニー地域)とゲルマン系欧州(フランデレン地域)の境界にある。

3 ロンドン
人口750万人。大西洋関係の欧州の橋頭保。

4 パリ
紀元前600年頃にパリシイ族により建設。人口200万人。メキシコのポルフォリオ・ディアス大統領によって改造のモデルとされ、シカゴ派の建築家からも基準とされた。

5 ベルリン
1244年に町の名が出現。人口500万人。

6 ウィーン
紀元前6世紀に建設。人口170万人。西欧とドナウ川沿い欧州の交点にあり、バルカンを通る移民が最初に目指す。

7 ローマ
紀元前753年建設と伝えられる。人口270万人。ライン川地域から隔たった地中海方向に引き寄せられる。

8 サラエヴォ
1461年にトルコ人が建設。人口70万人。セルビア圏とイスラム圏の交点にある。

9 上海
紀元前6世紀に建設。人口1800万人。中国沿海部の中心。

10 エルサレム
紀元前1700年頃に建設。人口70万人。

11 メッカ
人口120万人に対し、年間巡礼者600万人。

12 バグダード
紀元前8世紀に建設。人口700万人。南北東西の要路が交わる。

13 アムリトサル
パンジャーブ(インド西北部)の都市。16世紀に建設され、人口350万人。シーク教徒の総本山で、インド独立運動の起点となる。

第二章 パワーが織り成される地点
14 ヨーロッパ
陸地の3%、世界人口の8%、GDPの23.2%(内EUが19.5%)。

15 北米
陸地の14.5%、世界人口の7%、GDPの24.5%。聖書や啓蒙思想を欧州と共有するも、最初の入植者は欧州から逃れた者と位置付けられる。

16 ラテン・アメリカ
陸地の15%、世界人口の8.3%、GDPの8.5%(メキシコを含む)。

17 東アジア
陸地の11%、世界人口の32.5%、GDPの24.1%。中国文化、日本経済モデル、米国の介入という三つの柱がある。

18 南アジア
陸地の3%、世界人口の22.5%、GDPの6%。インド一国で地域GDPの3/4以上。異教徒に再改宗を求めるヒンドゥー教のインド人民党と国民を統合しようとする国民会議派があるとする。

19 ロシア圏
陸地の15%、世界人口の4%、GDPの4.4%。

20 MENA
モロッコからイラン、トルコからスーダンまで。陸地の10.5%、世界人口の8.5%、GDPの3.5%。

21 ブラック・アフリカ
陸地の14%、世界人口の10.4%、GDPの2.3%。

22 地中海
250万㎢、東西4000㎞、南北最大700㎞。3000年に渡る交易と侵略の場。

23 大西洋
8000万㎢、東西8000㎞。分離の地中海に対して統合の大西洋とする。

24 太平洋
1億6000万㎢、赤道付近の幅2万㎞。多段階式の国際分業の場となっている。

25 インド洋
7000万㎢。イスラム教徒の拡大の場でもある。

26 北氷洋
1200万㎢。温暖化によって開発が有望視される。

27 南極
2048年まで開発を禁止するマドリード議定書がある。

28 宇宙
新興国による開発の可能性。

29 サイバースペース
自由と監視の相克。

第三章 パワーの鍵となる地点
30 ホルムズ海峡
世界原油の30%が経由する。

31 バーブ・エル・マンデブ海峡
アラビア半島とアフリカの間に位置する。最も狭い個所は2.5㎞。

32 スエズ運河
1869年に開通し、年間2万5000隻程度がつうかする。

33 喜望峰
スエズ運河が不安定になると重要性を増す。

34 BTC
2005年に落成したパイプライン。

35 ボスポラス・ダーダネルス海峡
トルコの優位性の一つ。

36 デンマーク
エーレンス水道とスカンゲラク水道からなる海峡。ドイツのシュレスヴィヒ地方にあるキール運河と競合関係にある。

37 日本
対馬海峡、宗谷海峡。ウラジオストクのロシア艦隊への備えになる。

38 マラッカ海峡
世界タンカーの3/4が通る。

39 台湾海峡
中国との緊張関係。

40 ジブラルタル
1713年のユトレヒト条約以来、スペインと英国の係争の場となっている。

41 オトラント水道
イタリアとアルバニアの間。

42 パナマ運河
世界海上貿易の5%が経由する。閘門式で悪天候の場合は輸送が滞り、5万t以下のコンテナ船しか通れない。

43 ビーグル水道
チリとアルゼンチンが争ったが、1985年に教皇庁の裁定で、チリが太平洋側、アルゼンチンが大西洋側に権利を持った。

第四章 パワーの対決地点―係争・紛争・妥協
44 ライン川
全長1350㎞。ラテンとゲルマンの境界線であり、輸送路としてミッテルラント運河(ベルリン)、モーゼル川の運河(ロレーヌ)等があり、1992年にはドナウ川に至る運河が開通した。

45 オーデル=ナイセ線
ドイツとポーランドの国境。1990年に統一ドイツによって再承認された。

46 ポメラニア
バルト海南部沿岸地域。

47 カリーニングラード
人口100万人(8割がロシア系)。ポーランドとリトアニアの間にあるロシアの飛び地。

48 バルカン
複雑に入り組んだ民族構成。

49 コソヴォ
人口200万人(9割がアルバニア系)。

50 マケドニア
人口200万人。1/3はアルバニア系であり、大アルバニア形成のリスクがある。

51 エーゲ海
ギリシャとトルコの軋轢の象徴。

52 キプロス
人口80万人。8割がギリシア系、2割がトルコ系。トルコ軍が北部を占領している。

53 マルタ
シチリア島とチュニジアの間に位置し、不法移民の入り口になっている。

54 アイルランド
北アイルランド独立紛争がある。

55 ベルギー
人口1000万人でワロン系とフランデレン系の対立がある。

56 カタルーニャ
人口700万人。アラゴン王国の跡地で、地中海経済圏に属す。

57 バスク
人口300万人。ぶんかの固有主義が強い。

58 米墨国境
全長3200㎞で移民問題を抱える。

59 キューバ
人口1130万人。ソヴィエト連邦による庇護、経済制裁の影響、欧州左派の支援等により反米が可能だった。

60 チアパス
メキシコ連邦の州で人口400万人程度。州人口の四割が先住民族で1994年以来、叛乱の拠点になっている(EZLN:サパティスタ民族解放軍)。

61 オリエンテ地方
ボリビア東部。人口330万人。2008年に自治権拡大が住民投票で可決され、資源国有化等の問題がある。

62 マルビナス(フォークランド)
英国とアルゼンチンの係争地。

63 南シナ海
350㎢。1974年に中国がパラセル(西沙諸島)から南越軍を追い出し、1975年からはスプラトリー(南沙諸島)の係争問題が発生している。

64 尖閣諸島
1972年に沖縄とともに日本領になる。

65 ミンダナオ島
人口1800万人程度(2000年)。モロというイスラム教徒(フィリピン人口の5%程度)が住む。1950年以降、カトリックが大量に流入し、争いが起こる。

66 インドネシア
1万7000の島と2億2100万人の人口(2003年)で、1998年のスハルト政権崩壊以後、政権弱体によって派閥争いが起こっている。アチェ(イスラム)、バリ島(ヒンドゥー教とイスラム教の対立)、マルク諸島(キリスト教とイスラム教の対立)、カリマンタン島(ダヤク人の叛乱)等。

67 竹島
日本と韓国の係争地。

68 千島
日本とロシアの係争地。根室海峡は冬季に凍らない重要地点。

69 三八度線
1953年の板門店休戦協定によって定められた非武装地帯。

70 豊渓里
北朝鮮の主要な核実験場。

71 チベット
人口700万人。チベットの独立は、マクマホン・ラインを定めた1914年のシムラ条約に由来する。

72 黄金の三角地帯
ビルマのサルウィン川河口、ラオスのルアンプラバン、中国の思芽に囲まれた3万5000㎢の地帯。1970年頃には世界のアヘンの85%程度を供給していた(現在は5%程度)。

73 マクマホン・ライン
19世紀に英国がインド北部国境を定めるために設定した分割線。ヒマラヤ山脈の尾根に沿い、ブラフマプトラ川の湾曲部を経て、ビルマ国境に至る。

74 カシミール
人口1000万人程度。イスラム教徒が多数派で、インドとパキスタンの係争地。

75 近い外国
ロシア外交によって、バルト三国を除く旧ソ連諸国に与えられた呼称。

76 セヴァストポリ
クリミア半島の海軍要塞。

77 沿ドニエストル
1992年に分離独立を宣言したモルドヴァ内の共和国。ロシア系マイノリティが集まる。

78 カフカス
黒海とカスピ海の間に1200㎞に渡って連なる山脈。

79 チェチェン
人口60万人。18世紀に征服されて以来、モスクワと紛争を繰り返している。

80 グルジア
人口440万人。総人口に占めるグルジア人の割合が2/3であり、モスクワに支援された分離運動に揺さぶられている。アジャリア、南オセチア、アブハジア等。

81 アルメニア
人口300万人。インド・ヨーロッパ語族の中で孤立した言語、三世紀にキリスト教化した古代王国、451年のカルケドン公会議を受けてのローマ教会からの分離等により固有主義が強い。ナゴルノ・カラバフ帰属問題をアゼルバイジャンと抱えており、1992年~1994年の戦争で、連絡路のラチン回廊とともに軍事占領している。在外者は欧米諸国に160万人おり、欧米はアルメニアの主要援助国となっている。

82 タタールスタン
ヴォルガ川流域の自治共和国。人口350万人。総人口の43%はロシア系。16世紀に征服された後、タタール人はロシアのアジア進出の先兵となっており、強制移住の対象ともなっていないため反ロシア感情は弱いとする。

83 アムール川とウスリー川
アムール川(シベリアからオホーツク海に至る大河)。支流のウスリー川はウラジオストク付近を源流としてハバロフスクに至る。2001年の善隣友好条約で中ロの係争点ではなくなった。

84 グリーンライン
1949年に設定されたイスラエルとガザ、ヨルダン川西岸を分割するライン。

85 ゴラン高原
1967年からイスラエルが占領する1800万㎢の高原。イスラエルの水源の15%を供給し、ダマスカスやガリラヤを見下ろす長射程砲の砲台となる。

86 シナイ半島
スエズ運河とティラン海峡を監視出来る位置にある。

87 クルディスタン
アナトリア東部、ザグロス山脈、トロス山脈の間の地帯。1920年のセーヴル条約ではクルド国家の建設が定められたが、1923年のローザンヌ条約でトルコの主権が認められた。並行してモースル地域はシリアからイラクに移され、4000万人のクルド人がに少数民族なった。

88 レバノン
人口400万人。

89 クウェート
人口310万人。1756年にサバーハ家の支配が始まり、1922年に主権を得た。

90 アフガニスタン
人口310万人。パシュトゥン族、タジク族が人口の1/3ずつで他に少数民族が住む。

91 カビール
アルジェリア北部。山岳の避難地帯となっており、人口は600万人~700万人で、総人口の1/4程度。7世紀にアラブ人が侵攻した際にはベルベル人の避難地帯になった。1980年には「ベルベルの春」を頂点とする騒乱が発生。

92 ダルフール
スーダン西郡。人口600万人。アラブ系とアフリカ系の紛争がある。

93 ヨルダン川
全長251㎞。ヘルモン山を源流とし、ティベリアス湖を経て死海に注ぐ。地域住民1300万人の主要水源。

94 ティグリス川とユーフラテス川
ティグリス川(全長1900㎞)、ユーフラテス川(全長2780㎞)。1970年代以降、南東アナトリア・プロジェクトを進めるトルコやシリアでの整備工事が流量を左右している。水資源をめぐる争いがある。

95 ナイル川
ウガンダとエチオピアの二つの源流があり、七カ国を経て地中海に注ぐ。

96 ルワンダ
人口900万人、面積2万6349㎢で、人口密度は1㎢あたり220人とアフリカ最高。1994年に民族虐殺が開始し、50万人以上が殺害された。2050年には人口2000万人に達する勢い。

97 コンゴ
人口は地域最多の6300万人。国語が5つで多様な民族を抱えており、騒乱が発生する。

98 エチオピア
人口7000万人。高地部は古代に伝播したコプト派キリスト教の名残があり、共産主義(メンギスツ政権:1974年~1991年)を経験。1896年には皇帝メネリクがアドワでイタリアに勝利している。周囲のイスラム地域であるエリトリアとオガデンを支配していたが、騒乱の原因となっている。人口の半分はイスラム教徒だがキリスト教国と見られている。

99 ギニア湾
サハラ以南のアフリカ総人口の1/3(二億人弱)と世界の原油産出量の5%を擁している。ナイジェリアだけで人口1億3000万人で日量200万バレルの原油を産出。

100 カザマンス
セネガル南部。人口80万人。ガンビアが間に挟まっており、宗教が異なる(アニミズムとキリスト教)ため地域から孤立している。1982年に叛乱が発生している。

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裏読みシャーロック・ホームズ

読んだ本の感想。

著者:小林司、東山あかね。2012年10月1日 第1刷。



『シャーロック・ホームズ』には、著者コナン・ドイルのトラブル(自らや母の不倫)が反映されているという話。

以下は、Wikipediaの「アーサー・コナン・ドイル」の記事へのリンク。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%AB

以下は、「やる夫スレを書いてみた④」の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-2541.html

【コナン・ドイルの家族トラブル】
①母親
母メアリが下宿人である15歳年下の医師ブライアン・チャールズ・ウォーラーと婚外恋愛をした。1875年~1882年にウォーラーはメアリの下宿に滞在。ドイルの妹ブライアン・メアリ・ジュリア・ジョセフィン・ドイル(1877年~1927年)はウォーラーの娘とも言われる。

カトリックだったメアリはウォーラーと再婚出来ず、隣家に住んで婚外恋愛を続けた。

ウォーラーはドイルの姉アネットに恋して失恋しており、アネットは住み込み家庭教師としてポルトガルに渡り、インフルエンザで亡くなっている。

②妻
1897年、妻ルイーザが結核に冒されている間に、コナン・ドイル(38歳)は15歳年下のジーン・レッキーと知り合い婚外恋愛をした。1907年に二人は結婚している。

以下の傾向。

(1)メアリ
「ホームズ物語」には母と同名のメアリという女性が九人登場するが、全員が悪人か不幸(ボール箱、アビ農園、四つのサイン等)。

(2)ステンドグラス
ハインドヘッドに新築した家のステンドグラスに家紋を入れた際、母の家紋だけを入れ忘れた。

(3)手紙
コナン・ドイルは晩年になっても毎日、母に手紙を書いた。

(4)記録
ディクスン・カーの『コナン・ドイル』には、ドイルと母が「犬猿の仲」と明記されている。

(5)同居
ドイルは母と同居せず、母親は娘と結婚した推理作家ホーナングの家で過ごした。

(6)婚外恋愛
「ホームズ物語」には、婚外恋愛を扱った話(白銀号事件、ボール箱、黄色い箱)があり、「曲がった男」(裏切者に恋人を奪われる)や、「グロリア・スコット号」、「入院患者」、「ギリシャ語通訳」、「海軍条約文書事件」等の裏切り者が酷い目にあう話がある。

「ボール箱」に登場するグラント将軍は同性愛者で、姦通をしたメアリが罰せられる。「孤独な自転車乗り」の野外結婚式は強姦場面かもしれない。

⇒「ホームズ物語」には、女性が婚外恋愛をすると関係している男性が死ぬパターンがある

(7)変遷
コナン・ドイルが自らの不倫に悩む前後を比較すると、1901年~1904年に発表された作品は殺人をテーマにした作品が9/14と多い(その前は9/26、後は8/20)。逆に浮気がテーマの作品は0(その前は7.69%、後は20%)。自らが浮気をしている時は意識して物語にしなかったのかもしれない。

【作品への反映】
●パスカヴィル家の犬
兄妹を装う夫婦の夫がホームズに殺害される。これは婚外恋愛をしたウォーラーを罰する物語とも解釈可能。魔犬は、素早く伝播する噂の象徴かもしれない。

●ボヘミアの醜聞
醜聞発覚を恐れるボヘミア王は、母の不倫が公になる事を恐れるドイルの投影かもしれない。

●花婿失踪事件
作中で登場人物メアリ・サザランドに「母が15歳年下の男性と再婚した事への嫌悪」を語らせている。義父ウィンディバンクが義理の娘を変装して誘惑する事件は母の恋愛を想像させる。

●ジュレミー叔父の家
ウォーラーをモデルにした人物を悪意に満ちた描写で記す。

●まだらの紐
通気孔を蛇が出入りする事は性交の象徴であり、医師ロイロっとは医師ウォーラーのメタファーかもしれない。

●最後の事件
母メアリのメタファーであるモリアーティを殺害し、その罰として自分の分身であるホームズも殺す。

●トール橋
ニール・ギブスン(ウォーラー)、グレイス・ダンバー(母メアリ)、マリア(父チャールズ)と読み替える事が出来る。

●隠居絵具屋
ジョサイア・アンバリーの20歳下の妻が医師レイ・アーネストと駆け落ちする。

●這う男
若い妻と結婚するプレスベリィ教授が若返り薬を求める。

●覆面の下宿人
愛人レオナルドと共謀して夫ロンダを殺した妻が、ヴェールを被ったまま引き籠って暮らす。

●白面の兵士
監禁されているゴドフリー(母メアリ)、監禁しているエムズワース大佐・ケント医師(ウォーラー)と読み替える事が出来るらしい。

【時代背景】
シャーロック・ホームズが登場する初めての物語『緋色の習作』が発表された1887年は、ロンドンで第一回英国植民地会議が開催され、ヴィクトリア女王即位50周年でもあり、国は栄光に輝いたが、同時に世は上流と下流に別れた格差社会でもあった。

ホームズは1854年に生れ、1877年に探偵を開業し、1903年に引退している。これはヴィクトリア朝(1837年~1901年)と重なっており、時代を象徴している。

1888年には「切り裂きジャック」という新しい劇場型犯罪が発生し、1830年に150万人だったロンドンの人口は1881年に330万人と倍増したが、1/3は貧困にありホームズの正義は好まれた。ホームズの鹿狩り帽とインヴァネス・ケープは、シルクハットとフロックコートという正装への反逆でもある。

コナン・ドイル症候群:
性に関する事柄が出てくると、すぐその後に殺人場面が出る。サミュエル・ローゼンバーグが『シャーロック・ホームズの死と復活(1974年)』で提唱。

ヴィクトリア朝時代の英国で、「性的な事柄」が抑圧されていた事を示す。

【コナン・ドイルの家族】
コナン・ドイルの父チャールズ・アルタモント・ドイルは、エディンバラ市役所に勤める設計技師だったが、アルコール症になり、1876年に辞職している。1879年には精神病院に入院し、1893年に61歳で亡くなる。

父チャールズの兄弟は有名人であり、凡庸な自分に劣等感を抱いていたらしい。コナン・ドイルは、4歳の時にアルコール症で荒れる父親から遠ざけるためにメアリ・バートン家に預けられ、寄宿学校に進む9歳までを過ごす。

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地政学とは何か

読んだ本の感想。

クラウス・ドッズ著。2012年10月29日 初版第一刷発行。



以下は、近年になって地政学が注目される理由?

①米国は衰えから選択的関与路線を選択すると予想
②人工衛星写真による地球表面の把握の容易化
③紛争のグローバル化
④核兵器の脅威や無人兵器の普及

地政学は地図や図表、写真を多用する事で、視覚的な世界観を提示し、多くの人間が世界環境を理解するガイドになり得る。例えば、「鉄のカーテン」という用語は、場所を特定し、単純な世界モデルを構築する。

さらに、地理を利用したレッテルを貼る事で、大衆を扇動する概念ともなり得る。

<地政学の原点>
地政学は1899年にスウェーデンの政治学者ルドルフ・チェレンに命名されて以来、国家を形作るうえでの領土と資源を重視する見方と受けとめられてきた。

それまでの国家間の対立を分析する方法論が法律を過度に重視しているとして、地理を重視した。当時の帝国主義諸国は新領土獲得に邁進し、保護貿易主義が台頭し、地理学が確立した事が地政学登場の背景である(外国からの侵略を仮想する侵略小説は1870年代~1914年に流行)。

地理学者リチャード・イーデス・ハリソンは、北極上空を俯瞰した地図を提示し、飛行時間で距離を測る新しい思考法を提示した(北極を米国とソヴィエト連邦の間にある地政学的障壁と見做す思想)。

〇地政学的構造
国家が領土と人、物、金の流れを管理し、外国との境界線を確立する方法を説明する際に用いられる。国家は国としての自己同一性や国家目標を明確化するために地政学的理論を映像を用いて可視化する。

人々の日常は、国旗や通貨、全国ニュースや、国民の祝日、「父なる大地」等の民族的自己同一性を鼓舞する概念に満ちている。

国土は国としての自己イメージを構築するために安定したプラットフォームになり得る。例えば英国の場合、「米国と欧州の架け橋」、「北欧州の地域大国」というイメージを地理と結び付けて国民にアピールする。

地理は歴史と結び付いて「国民の物語」を創り出すが、それは移民コミュニティが乱立する状態や、グローバルに各地が相互連携する複雑と相性が悪い。

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訪問者

読んだ本の感想。

恩田陸著。平成21年5月20日 初版第一刷発行。



以下、ネタバレ含む。

纏まりの悪い印象。話の流れを上手く説明出来ない。

小野寺敦に朝霞千沙子の変装をさせた理由は何だったんだろう?

【登場人物】
峠昌彦:
最近39歳で亡くなった映画監督。最新作となるはずだった『象を撫でる』は父親を探す物語らしい。友人の井上に、朝霞別荘を訪れて父親を探すよう依頼する。
朝霞千沙子が作った育児施設「愛華苑」で育つ。

井上忠之:
弁護士。もっさりした外見。峠昌彦の友人で、弁護士を通さずに父親候補を探すために、週刊Kの記者を装って朝霞別荘に侵入し、彼の父親を探そうとする。

長田:
カメラマンを装って井上と一緒に朝霞別荘に侵入する。

朝霞千沙子:
朝霞家の長女。家督を継いでいたが三年前に別荘近くの池で溺れ死ぬ。池に猛毒の火山性ガスが滞留したためという説が出される。

朝霞千蔵:
朝霞家の長男。父である朝霞大治郎の持っていた財団法人の理事を務める。細見で神経質そう。

朝霞千次:
朝霞家の次男。大学で歴史を教えていた。気難しそうな髭の男。「訪問者に注意せよ」という手紙が届いたと井上に嘘をつき、最初から屋敷内にいた自分達が疑われないようにする。その目的は、羽澤澄子の夫を窃盗目的で屋敷に誘き寄せ、現場を押さえて改心を迫る事を計画し、その際の目撃者とするためだったとする。

朝霞千衛:
朝霞家の三男。流通関係の会社を任されていた。恰幅のいい黒眼鏡。

朝霞千恵子:
朝霞千沙子の妹。

宮脇協一郎:
朝霞千恵子の夫。写真家。知り合いを通じ、小野寺敦に朝霞千沙子の変装をして現れるよう依頼する。

羽澤愛華:
10歳くらい。美少女ではないが愛嬌のある顔。朝霞大治郎の子である可能性が指摘される。

羽澤澄子:
羽澤愛華の母親。DVをする夫から逃げ回っている。夫は窃盗目的で朝霞別荘に忍び込もうとして、二階から落ちて死ぬ。夫の死体は近所にいた浮浪者の死体と入れ替えられて警察に引渡される(妻である羽澤澄子が疑われないようにするため)。

更科裕子:
朝霞別荘の家政婦。60代半ばで有能と評価されている。

峠晶子:
峠昌彦の母親。朝霞千沙子の女子校時代の後輩。峠昌彦の幼少期に、飲み屋の男と駆け落ちし、その一年後に殺される。

小野寺敦:
26歳。遠方から朝霞千沙子に変装して姿を見せるよう依頼される。崖崩れによって、脱出が不可能になったため、朝霞別荘を訪れる。峠昌彦とは知り合いで、朝霞別荘の玄関に彼の私物だった象の置物を置く。

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