世界堂書店

読んだ本の感想。

編者:米澤穂信。2014年5月10日 第1刷。



源氏の君の最後の恋
マルグリット・ユルスナール。

50歳を過ぎて老醜をさらす事を嫌った源氏の君が田舎に隠棲する。かつての恋人の一人だった花散里が、身柄を偽って傍に仕える。

源氏の君は、死の間際に昔の恋人達を思い出すが、花散里のみを思い出さない。忘れられる事を望んだ源氏の君と、記憶されたかった花散里の対比。

破滅の種子
ジェラルド・カーシュ。

骨董品を扱うジスカ氏が、ただの指輪に「破滅の種子」と名付け、不幸を呼ぶという偽のエピソードを付ける。すると、本当に指輪が不幸を呼ぶようになり、息子から「破滅の種子」を贈られたジスカ氏は心臓麻痺で亡くなる。

50シリングのはずの指輪が、3000ポンドにもなった。

ロンジュモーの囚人たち
レオン・ブラワ。

ロンジュモーの町から出る事が出来ないフールミ夫妻の話。20年間、町の外へ出れないまま自殺する。

シャングリラ
張系国。

地球外惑星へ、地球の文化を伝える30年の旅に出た趙杰の話。

黒石星の岩石生物に麻雀を教えたところ、岩石生物が社会組織を作り、全宇宙征服を始める。

東洋趣味
ヘレン・マクロイ。

清国にて露国公使を務めるヴォルゴルーギ(50歳くらい)の妻は、17歳のオーリガ・キリーロヴナ。浮気をしたオーリガに罰を与えるため、清国人貴族に絵画の代償に与える事とし、殺害する。

ヴォルゴルーギは更迭され、義和団事件後に清国人貴族は自殺する。

昔の借りを返す話
シュテファン・ツヴァイク。

静養のために田舎(ボーゼン)を訪れた婦人が、かつてファンだった俳優ペーター・シュトゥルツェンターラーが田舎で見る影もないほどに落ちぶれているのを見て、彼が宮廷俳優であったと吹聴して名誉を取り戻させる。

田舎には二日滞在しただけで帰宅する。

バイオリンの声の少女
ジュール・シュペルヴィエル。

バイオリンのような声で喋る少女が成長するに連れて、普通の声になる。

私はあなたと暮らしているけれど、
あなたはそれを知らない

キャロル・エムシュウィラー。

多重人格者の実録とも思われる話。確かに存在しているが、気付く事が出来ない。

いっぷう変わった人々
レーナ・クルーン。

インカ(嬉しいと宙に浮く)、ハンノ(影が無い)、アンテロ(鏡に映らない)が、オリジナル・クラブという同好会を作る。

やがて宙に浮かなくなり、影が生えてきて、鏡に映るようになる。

インカとハンノは結婚し、三人の子をもうけるが、長男は嬉しいと宙に浮き、長女は影を持たず、次男は宙に浮いて影が無い。

P211:
無重力と影なしの時代は過ぎ去ったのだ

連瑣
蒲松齢。

幽霊?の女と知りあった楊干畏の話。生血を女に与えて生き返らせる。

トーランド家の長老
ヒュー・ウォルポール。

レイフェルにあるトーランド家の長である老女が、コンバー夫人に丁重に扱われる事で威厳を失う。コンバー夫人を呪おうとするが、その途中で死ぬ。

十五人の殺人者たち
ベン・ヘクト。

医者達が医療ミスを報告し合うXクラブにて、ウォーナー博士が、自分の患者である黒人詩人の話をして、彼の病が魚の骨が刺さった事によるものであると教えられ、患者を救う。

石の葬式
パノス・カルネジス。

話の途中で終わった印象。

ニキフェロとオリンピアの間に生まれた双子の話。出産時にオリンピアが死んだため、ニキフェロは動物同然に育てる事とし、幽閉して育てる。

11歳で双子は脱走し、小鳥商人の女と旅をするようになる。やがて復讐を考えて、ニキフェロに病を感染させる。双子は歌手として楽団に入る。

ニキフェラは抗生物質により死ななかったらしい。

P303:
いらだちが、駅長という獲物を、力で圧倒できる小男という格好の獲物を見つけた

P334:
芸術家はみんなそうだけど、鳥もかごのなかのほうがよく歌うんだ

P351:
「あの子たちは神の子だ」
「違う。あいつらは憎しみの権化だった」

墓を愛した少年
フィッツ=ジェイムズ・オブライエン。

王族の墓を気に入り、飾り立てた少年の話。遺骨を王家の使者に持ち去られ、絶望の中で死ぬ。

黄泉から
久生十蘭。

戦争中に幼馴染のおけいを亡くした魚返光太郎の話。共通の知人である千代と出会う。

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煌夜祭

読んだ本の感想。

多崎礼著。2006年7月25日 初版発行。



以下、ネタバレ含む。

煌夜祭における語り部のトーテンコフとナイティンゲイルの語り合い。

【用語】
〇十八諸島
王都イズーがある島を中心に、以下の三つの島群が回転している。

第一輪界:
エンジャ(学園が有名)、、スオウ(軍隊が有名)の二島からなり、最も内側にある。

第二輪界:
ソクソウ、シェン(ソクソウ領クディ)、イルパ、ビガン、アモイ、ナンシャー、サクラワ、リンドの八島からなる。

第三輪界:
ヤジー、ゼント(現在は消失している)、ゼンコー、アンジュン、ブンシャ、ターレン(小麦の生産地)、レイシコウ(織物産業が盛んで帆布を作る)、ケイジョウ(亜鉛を産出、金属精製技術が高い))の七島からなり、最も外側にある。

海水が酸であるため、島間の移動は蒸気船(気球?)によって行われ、一日以上の浮遊が困難ため、水素を利用した気球が研究されている。

島の生産に限りがあるため、全ての島に子供は七人までとする掟がある。

〇語り部
十八諸島を巡って話を集め、冬至の夜に煌夜祭として各島の島主の館に集い、夜通し物語をする。

〇魔物
島主の家系から稀に生まれる。常人の1/3の速度で加齢し、傷つけられても死なない。太陽を苦手とし、銀によって動きを封じる事が出来る。

冬至の夜に人間を食べたくなり、魔物を完全に殺すには、別の魔物に食べさせるしかないとする。魔物は、食べた人間の記憶を引き継ぐ事が出来る。

知識に飽和している限りは人を食べる必要が無いらしい。

〇ムジカダケ
五日から六日で胞子から茸になる。胞子は無毒だが、茸は有毒。酸の海水が齎す毒を中和して無害にする力がある。

【登場人物】
エン・ハス・イズー:
二年前に急死したジン・クラン・イズーの嫡子。王弟ゼル・ウム・イズーと王位継承権争いをする。魔物。お忍びで城下を歩く際は、語り部トーテンコフを名乗った。

リィナ・ジィン:
ジン王の曽祖父の祖父の時代にゼント島島主の子として産まれる。魔物であったため、父デグス・クラン・ゼントは遺棄しようとするが、ヤジー島の第三蒸気島に住むバトウに拾われる。養父バトワを食べたため、観測士としての知識を受け継ぐ。

22年後に、ゼント島のヤジー島侵略に抗ってゼント島を滅ぼし、償いとしてエンジャ島の復興を行う。両親を亡くしたエンジャ島島主パージ・ハス・エンジャを育てる。

ガヤン・ハス・ターレン(ナイティンゲイル):
ターレンの島主の子。魔物。

エナド・ウム・トウラン:
ガヤン・ハスの姉アイダ・マーヤ・トウランと結婚した義兄。ガヤンを島主とするため、子を作らないでいた。王島に赴任し、王子の剣の指南役になる。

ムジカ(クォルン・ゼン・トウラン、トーテンコフ):
エナドの養子。軍師として、『火焔の魔術師』と呼ばれるようになる。エン・ハス・イズー王子の侍従だった時は、語り部レイヴンとしての活動していた。女性。

ランス:
錬金術師。水素の研究をしている。

ハサイ・クラン・スオウ:
スオウ島島主で、玉砕主義者。王子派であったが、エン・ハス・イズーが魔物であると知って、傀儡として、王弟派に無謀な攻撃を仕掛けて死ぬ。

第一話 『ニセカワセミ』
シェン島に辿り着いた語り部ニセカワセミが、島主の館で魔物と化した島主の息子に物語を語る。物語を聞いている間は、人間を食べる欲求を我慢させる事が出来た。

物語が尽きたニセカワセミは魔物に食べられるが、シェン島の島主は大勢の語り部を集めて夜通し話をさせれば、冬至の夜でも魔物の食人欲求を抑制出来るとして、煌夜祭に語り部を集めて話をさせる風習が生まれる。

ちなみにシェン島は、三百年前にソクソウ島との争いに敗れ、属島になっている。

第二話 『かしこいリィナ』
ゼント島の島主を引き継いだ三人の兄弟が、隣のヤジー島の島主を引き継いだ三人兄弟が侵略しようとし、島主キリト・クラン・ヤジーにアドバイスするリィナ・ジィンによって阻まれる。

バクラ・ハス:
長兄。酒好きで、ヤジー島のヨラルカ酒目当てに侵略戦争を引き起こす。侵略軍は宴会と偽られて大量の酒を飲まされて、酸の海に捨てられる。

シドラ・ウム:
次男。ヤジー小麦が好みで侵略戦争を起こそうとする。ムジカダケ(胞子に毒は無いが、茸は有毒)の胞子を仕込まれた小麦を贈られ、毒小麦のパンを食べて死ぬ。

ドナシ・コウ:
后として訪れたリィナ・ジィンが姉であったため、殺せずに牢に閉じ込める。水素を込めた飛行船をヤジーが送り、火矢で射落とすとゼント島が焼き滅ぼされる。

第三話 『魔物の告白』
ターレンの島主スーイ・クラン・ターレンとルテナ・マーヤの子ガヤン・ハスは魔物であり、13歳で幽閉される。冬至になると牢から出され、森の老婆のもとで人を食べる。

やがて王都のジン王が急死し、王弟と王子の王位継承権争いが起り、王子派として出兵する父スーイは、ガヤン・ハスにターレン島を守る事を頼む。

第四話 『七番目の子はムジカダケ』
非力であるため七歳で捨て子になったムジカは森の魔女と暮らすようになる。

魔女が小屋に閉じ込めた少女(ガヤン・ハス)を助けるため、ディテルの町のエナド・ウム・トウランを訪れる。姫は魔物であり、魔女を食べた。

ムジカは、エナド・ウム・トウランの養子となり、クォルン・ゼン・トウランを名乗るようになる。

第五話 『王位継承戦争』
王子エン・ハス・イズーが、クォルン・ゼン・トウランを参謀に王位継承権争いをする(王位継承権争いの五年前に出会う)。

王子は王都からスオウ島、ケイジョウ島に逃れる。クォルンは王宮の食糧庫にムジカダケを仕掛けて食料を全滅させ、ブンシャ島から食料を補給しようとした王弟派の補給船を水素を詰めた気球で焼き払う。

その後、クォルンは第三輪界の王弟派の島ブンシャ、アンジュン、ゼンコーを半年かけて落とし、第二輪界の王弟派島主達が自島を守るために兵力を分断したところで王都エルラドを落とす作戦を提案する。

しかし、王子エン・ハス・イズーの30歳には見えない外見から魔物である事が、ハサイ・クラン・スオウに露見し、クォルンは暴行され意識不明になっている間に王子派は王都を急襲する。

エナドとスオウは死亡し、王子は降伏する。

第六話 『呪い』
王位継承戦後、ターレン島にブンシャ島が侵略する。ガヤン・ハスは不死の魔物である事を活かして侵略軍と戦うが、姉アイダ・マーヤ・トウランに諭されるも、殺害が楽しくなっていたために姉を殺害する。

捕らえられたガヤン・ハスは、銀の槍で捕縛される。塩毒(酸)を撒かれたターレン島は不毛の地となる。槍の捕縛から逃れたガヤン・ハスはナイティンゲイルの仮面で顔を隠し、語り部を装って煌夜祭を訪れる。

第七話 『すべてのことには意味がある』
王弟が即位した六十日後、エンジャ島でクォルン・ゼン・トウランが引き上げられる。

処刑されたはずのエン・ハス・イズーが首だけになっても生きており、自分を見て満足気に笑った事に絶望して海に身投げした。語り部トーテンコフとしてターレン島の煌夜祭を訪れ、トーテンコフをガヤン・ハス(ナイティンゲイル)に譲り、自らは贖罪のためにターレン島にムジカダケを撒く事にする。

そして、ガヤン・ハスに首だけのエン・ハス・イズーを食べて解放するよう頼む。

終章
王弟の治世は七年しか続かず、幾多の争いの末に各島代表者による評議会が発足する。

新たに生まれた魔物は、みな語り部となり、伝承者と呼ばれるようになる。

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ユーラシア帝国の興亡

読んだ本の感想。

クリストファー・ベック・ウィズ著。2017年3月15日 初版第一刷発行。



中央ユーラシア歴史の固定観念を批判する本だと思う。

歴史的に中央ユーラシアの軍事的側面のみが着目され、農耕国家による虐殺や交易の比重が少ないとする。万里の長城が、防衛のためでなく、自国からの資本や人民の流出を抑制するために必要とされたという意見は新しいと思う。

【共通する伝説】
中央ユーラシアの大王国の創設者は、以下のような伝説を持つとされる。

少女が神によって懐妊し、男児を産む。正統な王を不当に退位させた王が、男児を遺棄するよう命じる。男児は獣に育てられ、弓馬に優れた男に成長する。男は宮廷に仕えるが、従属的な地位に留まり、妬まれて殺されそうになるが逃げ出し、従者達と暴君を倒して正義を取り戻す。新王が新たな町や王朝を築く。

また、中央ユーラシア文化複合体を構成する要素として、コミタートゥス(支配者の友による戦闘集団)があり、スキュタイの時代から少数の戦士達が伝統とされ、彼等に報いるために王は財宝を必要とした。

<拡散>
以下の三段階でウラル山脈南部、北カフカス、黒海沿岸等にいたインド・ヨーロッパ語族が各地に移動する。

①紀元前3000年頃
タリム盆地とアナトリア高原に移動し、トカラ人やアナトリア人の祖となる。この時は二輪馬車を活用していない。

②紀元前1700年頃
インド、ギリシャ、イタリック、ゲルマン、アルメニア等の民族が戦闘用二輪馬車によって周辺地域を征服した。イラン人が中央ユーラシアのステップ地帯、ゲルマン人が中央欧州の温帯地域を支配する。

③紀元前1000年頃
ケルト、バルト、スラブ、アルバニア等の民族が、イラン人から離れるように北西に移動。

中華における周王朝の創設者 后稷の伝説は、中央ユーラシアの典型的創設神話で、インド・ヨーロッパ語族の影響が伺える。

<第一地域帝国>
紀元前三世紀~三世紀にローマ帝国と中華帝国が発達し、ユーラシアを統括した。この時代にシルクロードの交易量が多くなり、仏教やキリスト教が広まる。

二世紀頃から帝国が崩壊していくと、ゲルマン系民族がローマ帝国の西部に、ヒョーンやエフタルがペルシャ帝国の中央アジア地域に、モンゴル系民族が中華帝国の北半分に移動する。

<第二地域帝国>
六世紀中葉頃から、中央アジアがユーラシアの交易の中心となる。チュルク人(突厥等)がアヴァール人を倒して残党をユーラシアの端まで追い、中国は隋・唐によって再統一され、フランクやアラブ、チベット等の地域帝国が興る。

820年代、830年代には気候変動等でユーラシアの経済が悪化し、チベット、ウイグル、唐は軍資金不足から821年頃に平和条約を結び、840年にシャルルマーニュが死んだ後のフランク王国は分裂した。

<世界帝国>
十三世紀頃にモンゴル人が中央ユーラシアを統一するも、十四世紀には黒死病が蔓延し、特に西欧が荒廃した。モンゴル人はオルタクと呼ばれる国際的交易システムを運営し、中国の文化の幾つかを欧州に伝達した。

<第三地域帝国>
十五世紀中頃から、中央ユーラシアの大部分を支配する清やオスマン帝国、ムガル等の帝国が成立し、西欧が陸路とは違う海洋交易ルートを発展させる。

西欧人が海洋交易において、国家間取引に加わるために、武力によって港湾都市を安定的にした事は、シルクロードにおいて遊牧民が交易都市を維持した事と似ているとする。

中央アジアは清とロシアによって征服され、西欧管理下で沿岸部に人、文化、技術が集積する。交易の中心は海洋となり、シルクロード経済システムは崩壊した。

<第四地域帝国>
ソヴィエト連邦が崩壊し、衰退した中央ユーラシア国家は復興を模索している。

【モダニズム】
二十世紀は革新的運動であるモダニズムの全盛期で、世界的に伝統文化が破壊されたとする。急進的なモダニズムである社会主義がロシアと中国で勝利すると、伝統文化が多く破壊された。

モダニズムの原点は、欧州における科学技術の急激な発展で、大衆都市文化と結び付いた。その中核的思想は、現代的な新しい物が古い物より良いというもので、古典主義(古い物が良い)と拮抗している間は影響が無かった。

非貴族が工業化、都市化によって主導権を握ると、貴族的な思想の余地が無くなる。新しい物だけが良いとなると、定義上、常に新しい物を作り続ける永遠の変革が必要とされ、伝統を否定し続ける事になる。

君主制は古い形の政治であるというモダニスト的思想で、1951年までにユーラシアの全ての国は非君主制の統治形態となる。君主制とともに、古くからの知的・芸術的規範も否定された。

詩は伝統的要素を捨てた自由詩が好まれるようになり、芸術家達は自分が過去の自分と異なっている事を示すよう変化し続けなくてはならない。

貴族階級が保証した芸術家の社会的地位は流動的となり、大衆を顧客とする芸術家は理想を追うのでないため、古い秩序を代替出来ず、秩序自体が無くなってしまう。

【チベット帝国】
七世紀初頭、チベット南部で氏族の長達が、ツェンポ(皇帝)を選出し、当時のチベット高原を支配していたシャンシュン王国を打倒する。634年にはチベットの臣下である吐谷渾(鮮卑系)が唐と交戦した記録がある。

八世紀頃から仏教が受容され、宗教上の師に対する献身が強調されたが、これはコミタートゥスの主人に対するものと似ているとする。チベット皇帝が仏教の支配者と宣言された時、僧侶は基本的に皇帝に奉仕する事になる。

九世紀にチベット帝国は崩壊するが、十世紀頃には要塞化した大寺院を中心とする小王国が形成され、仏教文明が発展した。

十五世紀以降、ダライ・ラマの統率するチベット仏教のゲルク派支配が固まると、仏教学者達が古典チベット語を用いて膨大な文献を生産し、チベット語が高地アジアの中世ラテン語となる。

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読んだ本の感想。

セシル・バーモンド著。1999年9月9日 第1刷発行。



「9」について。

第1の鍵 地球の角
地図上に、東西南北、北西北東南西南東の8つの点を記し、8つの方向に放射する中心となる9番目の点を中央に置く。

第2の鍵 数の元型
あらゆる神話で、9は通過儀礼の呪術的要素として引き合いに出される。中国神話の盤古は自分の姿を9度変え、古代ギリシアの神託所には9人の巫女がいた。

バビロンの盛期は432000年(4+3+2+0+0+0 = 9)、ヨハネ黙示録における合唱する天使144000人(1+4+4+0+0+0 = 9)仏教の地獄は5億7千6百万年(5+7+6 = 18、1+8=9)。

第3の鍵 9の反転
2桁の数からその数を反転させた数を引き、それを反転させて足すと必ず99になる。

(例)
81 - 18 = 63、63 + 36 =99

三桁の数では必ず1089。

(例)
652 - 256 =396、396 + 693 =1089

1089のそれぞれの位を足すと、1+0+8+9=18、1+8=9となる。1089=990+99。1089を9で割ると121になり、11の2乗。9は数の反転に関係している。四桁、五桁、六桁の数でやると、4321、79685、528613になり、9の倍数になる。

第4の鍵 秘密の数
〇シグマ・コード
数について、それぞれの位の数を加算して算出する。Σ32=3+2=5、Σ81=8+1=9等。

1~9、10~19……90~99までの10刻みの数のシグマ・コードを算出すると、全て1,2,3,4,5,6,7,8.9になる。

シグマ・コードの算出対象となる位の数に9が含まれている場合、9を除外して計算してもシグマ・コードは変わらない。

(例)
Σ392=5(3+9+2=14、1+4=5):(3+2=5)

このようにしてΣ495342619のシグマ・コードを算出すると、単純に9を除外する以外に、足すと9になる4と5、3と4と2を除外可能になり、6+1=7と省略して計算出来る。

シグマ・コードは、検算方法として協力で、16×253=4048のシグマ・コードを求める場合、Σ16=7、Σ253=1、Σ4048=7となり、7×1=7となる。

第5の鍵 足算
9若しくは9の倍数を任意の数に足した場合、答えはもとの数のシグマ数に等しくなる。

(例)
33+9=42、シグマ・コードは6で変わらない。

第6の鍵 引算
9若しくは9の倍数を任意の数から引いた場合でもシグマ数は変わらない。

(例)
132-9=123、シグマ・コードは6で変わらない。

第7の鍵 掛算
9若しくは9の倍数を任意の数に掛けた時、その積のシグマ数は必ず9になる。

(例)
7×9=63、シグマ・コードが7から9に変化する。

第8の鍵 割算
任意の数を9で割ると、もとの数と余りの数のシグマ数は等しくなる。

(例)
62÷9=6...8、62のシグマ・コードは8で余りの8と等しい。

第9の鍵 九九の表
2の段の九九のシグマ・コードは、246813579のパターンを繰り返す。3の段の九九では369のパターンを繰り返す。

以下は、シグマ・コードによる九九の一覧。

1 2 3 4 5 6 7 8 9
2 4 6 8 1 3 5 7 9
3 6 9 3 6 9 3 6 9
4 8 3 7 2 6 1 5 9
5 1 6 2 7 3 8 4 9
6 3 9 6 3 9 6 3 9
7 5 3 1 8 6 4 2 9
8 7 6 5 4 3 2 1 9
9 9 9 9 9 9 9 9 9

9の列を除いた1~8までの列は対になっており、1の列を反転させると8の列になる。それらの対になっている列の対応する数を足すと全て9になる。

マンダラ
シグマ・コードを直線でなく、円の上に等間隔で並べる。それぞれの数は40度の角度で置かれ、向かい合う数を足すと9になる。9を通る垂線を軸にすると、1と8、2と7、3と6、4と5が対応する。

このシグマ・サークルでシグマ・コードの四則演算を考えてみる。

31(シグマ・コード4)から13(シグマ・コード4)を引くと、18(シグマ・コード9)になる。これはシグマ・サークル上の4から、4ステップを反時計回りに回って9に進んだ事を意味する。

これならば、シグマ・コード9の数を足しても引いても、シグマ・サークル上の位置が変わらない事を理解出来る。

掛け算の場合は、9という定点から出発する事をイメージし、例えば2×9の場合は9から2ステップずつ9回進んで最初の9に戻った事になる。割り算の場合でも、Σ9は固定したものとして考えれば、分かり易い?

〇マンダラ
シグマ・コードによる九九の数列を放射状に伸ばし、さらに同心円で結ぶと、シグマ・サークルのマンダラになる。9つの軌道があり、最も内側の円は1の段のシグマ・コード、最も外側の円は9の段のシグマ・コードとなる。

複数の円を包括するマンダラが、9を交点に接する図では、2つの円が含む円の合計は8。

パワーマンダラ
N=1,2,3……の時、Nの二乗の数列をシグマ・コードに変換すると、

149779419のパターンを繰り返し、3の倍数の位置に必ず9がくる。

三乗では、

189189189のパターンを繰り返し、3の倍数の位置に必ず9がくる。

四乗では、

179449719のパターンを繰り返し、3の倍数の位置に必ず9がくる。

このようにして一乗から九乗までのシグマ・コードを表にすると、以下のようになる。

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 4 9 7 7 9 4 1 9
1 8 9 1 8 9 1 8 9
1 7 9 4 4 9 7 1 9
1 5 9 7 2 9 4 8 9
1 1 9 1 1 9 1 1 9
1 2 9 4 5 9 7 8 9
1 4 9 7 7 9 4 1 9
1 8 9 1 8 9 1 8 9

上記の表の横の数列を足すと、969696969のパターンとなる。そして、マンダラにすると、3と6と9に並べられる数はどれだけ累乗を重ねても3になる事が分かる。

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シュークリーム・パニック

読んだ本の感想。

倉知淳著。

以下、ネタバレ含む。

生チョコレート
2013年10月7日 第一刷発行。



〇現金強奪作戦!(但し現地集合)
派遣やバイトで食いつなぐ男性が、サクラダと名乗る男性から競馬場で銀行強盗に勧誘される話。六峰銀行 桜台支店で強盗を名乗るが、サクラダは現れずに逃げ出す。桜台支店は陽動で、サクラダは同日の六峰銀行 大泉支店での強盗を成功させたようだ。

〇強運の男
マトリョーシカに擬えて、バーで出会った男性と賭け事をしていく話。硬貨の裏表、骰子の数字、トランプの数字、三つのダイス、ポーカーとゲームを進めていき、最後はどちらかが毒を飲む。

賭けを持ちかけた男性は、強運の持ち主と戦った後で、勝った場合は非合法のカジノに行くらしい。

〇夏の終わりと僕らの影と
1979年頃の話。

信州の高校二年生 久遠夏彦は、クラスメイトの百合川京子、新田香澄、瀬尾拓真、乾深雪と夏休みを利用して映画撮影する。

最後に百合川京子の遠景を撮影したところ、百合川京子が行方不明になる。サプライズで他のメンバーと示し合わせ、久遠夏彦の誕生日ケーキを持って来るところだった。

Wクリーム
2013年11月6日 第一刷発行。



〇限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件
40代の四谷博之は、メタボ克服合宿セミナーに参加する。

合宿メンバーは、他に一木、二ノ瀬、三条がいる。合宿中に、セミナー講師 十津川のシュークリームが盗まれる。四谷は、一木(犯人は暗闇の中で椅子に躓いているのに、灯となるライターを持っている)、三条(アイスクリームが好きなのに、冷凍庫を開けた形跡が無い)、二ノ瀬(冷蔵庫の帯封を知っていた)と推理していき、十津川が所持品検査を名目に、社員証を盗んで会社の機密情報をコピーしようとしたとするが、実際には二ノ瀬が何も考えずにシュークリームを食べていた。

〇通い猫ぐるぐる
主人公が、刑事である恋人の満久の推理を手助けする。

大規模な脱税事件にからんで、有名大企業の下請けの下請けの会社を経営する浜尾賢造の暗証番号(四桁の数字)を推理する。飼い猫の切った爪の数が暗証番号を示していた。

〇名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状
ライトノベル小説家 鈴木の持っている『制服魔導少女隊!ななみ♡マジカル』の色紙が落書きされた事件を推理する。探偵助手の尾田倉準一が、鈴木のブログで書いた文章が気に入らずにやったらしい。

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