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カラマーゾフの妹

読んだ本の感想。

高野史緒著。2012年8月1日 第一刷発行。



以下、ネタバレ含む。

『カラマーゾフの兄弟』の描かれなかった続編という体裁。1887年のロシアを舞台に、内務省特別捜査官となったカラマーゾフ家次男イワン・カラマーゾフが13年前の事件を捜査する。

イワンは多重人格者という設定で、「悪魔」や「大審問官」の人格を有する。カラマーゾフ家には早世した末妹のアンナがいた設定も付加されている。

原作者のドストエフスキーが言っていた「三男のアレクセイが皇帝暗殺事件を企てる」という続編の構想に囚われている気がした。作者の書きたいように書いて、純粋に13年前の殺人事件の真犯人を追及する設定にして、妹やSFの設定を塗した方が面白いように思う。

13年前の殺人事件の真犯人は三男のアレクセイで、修道士をしていた13年前に教会の長老ゾシマが死の間際の錯乱によって口汚く罵る姿を隠すためにゾシマを殺害し、その時に充実感を覚えていた。

充実感に戸惑い実家を訪れたアレクセイは、下男のスメルジャコフに唆されるままに実父を殺害する。スメルジャコフは他の兄弟をも扇動し、カラマーゾフ家家長フョードルを殺害する事で自らの財産を増やす名目があった(ならば何故自殺したのだろう)?

フョードルと長男ドミートリーの諍いの源となった3000ルーブルも、スメルジャコフの言葉の中だけのもので、争わせるために大金の存在を示唆した事になっている(ならばイワンに見せた3000ルーブルはどこからやって来たのだろう)。

父殺しに充実感を覚えるアレクセイは、皇帝(国父殺害)を目論むも失敗し、身体を損傷して数十年後に死亡する。

P125:
肥満娼婦の連続殺人事件や、呪い殺された金持ちの事件や、怪物に食い荒らされた農婦の事件や、地下室から出てきた数十の幼児の遺体と拷問道具の事件なんかでいっぱいで、きっと相棒は赤毛の美人捜査官に違いない

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