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「人工超知能」

読んだ本の感想。

井上智洋著。2017年7月25日 第1版第1刷。



<人間の思想の機械化>
〇ゴットフリート・ライプニッツ
人間の思考を、概念に記号を宛がう事で再現出来ないか考える(普遍的記号法等)。

そのためには、以下が必要となる。

(1)論知的推論を機械的記号操作として扱う
(2)上記(1)のような記号操作が可能な機械を作る
(3)人間の論理的推論を数学計算に置き換える

〇ジョージ・ブール
論理演算を0と1の二値の計算として表す事が出来る「ブール論理」を発表。

〇ゴットロープ・フレーゲ
述語論理を創始。記号を用いる事で数学命題を論理式で表す。

20世紀になると数学を形式化(数学を論理式で表して記号化し、推論規則を当て嵌め、あらゆる数学命題を機械的に導出しようとする)しようという試みが活発化するが、「ゲーデルの不完全性定理」によって試みは破綻した。

***************

「モラヴェックのパラドックス」(知覚・直感等の人間に容易な作業は機械には困難で、計算・推論等の機械に容易な作業は人間には困難)のハンス・モラヴェックは、人間は「記号を用いた論理的思考」よりも「イメージを用いた直感的思考」を多用するとしている。

近年では人間の脳を模したニューラルネットワークや、機械が独自に特徴を見出すディープラーニングが注目されている。

高度な人工知能の実現には、目的関数(欲望)を組み込む事が必須であり、報酬系を得る事で特徴を見出す学習が為される。


<世界の成り立ち>
クオリア(人が主観的に体験し得る感覚)を突き詰めると、全ての経験は意識が生じさせており、意識の外に物質が存在しない可能性が出て来る。

哲学者ジョン・ロックは、一次元性質(形・固さ等の物質そのものに備わる性質)と二次元性質(クオリアに近い)を区別したが、哲学者ジョージ・バークリーはこの区別を批判し、全てが二次性質であり、例えば机が固いのでなく、人が固さを感じており、物質の存在を否定した。イマニエル・カントは、外部に世界があっても、人間はそれを知り得ないとした。

カント以降の哲学は、物自体を探求の対象とせずに、人間の認識能力と物自体の関わりを対象としている。

哲学者クァンタン・メイヤスーは、クオリアを抜き去った世界について考え、物自体の互いに作用し得る関係は残るとした。人間のような観測者と物自体も相関し関係を持っている。

関係とは情報である。情報を伝達する際には文字を使うが、「a」や「b」という文字自体に意味は無く、「a」は「b」とは違う何かである。この差異があるだけの文字を使用して意味ある情報を伝達出来る。

情報の本質は差異ではないが、差異(関係)によって情報を伝達出来る。

世界にあってクオリアでないものは情報であり、情報でないものはクオリアだ。ここで物理世界を情報世界と考えると物理世界の全ては符号化可能であり、機械的記号操作による表現が可能である事になる。

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