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夜行

読んだ本の感想。

森見登美彦著。2016年10月30日 初版第一刷発行。



物語世界は、「夜の世界」と「昼の世界」に分かれている。二つの世界は連続しているようで隔絶していて、「夜の世界」での恋人同士は昼の世界では他人になる。

語り手の大橋(30歳?)は、十年ぶりに英会話スクール時代の友人達と会う。十年前に行方不明になった友人 長谷川の話をするが、「昼の世界」において行方不明になったのは自分の方である事を知る。

〇岸田道生
長谷川が失踪した十年前から活動し、七年前に死亡したとされる画家。『夜行』という旅先にちなんだ連作を発表しており、物語は岸田道生の作品にちなんで紡がれる。「昼の世界」では『曙光』という連作を発表しており、二つの世界が分かれている事を示す。

「昼の世界」では生きており、長谷川を妻としている。

第一章 尾道
英会話スクール時代の友人 中井が五年前に家出した妻を探しに尾道に出掛けた話をする。

妻が滞在するという「海風商店」を訪れるが、そこにいた妻そっくりの女性は、自分はホテルマンの妻であり、中井の妻とは別人と主張。中井はその主張を信じてしまう。

中井はホテルの部屋で妻からの電話を受け、「海風商会」に向かい、妻が暗室の中に居続けていた事を知る。

P58:
先輩は解決できることにしか興味がないから

第二章 奥飛騨
英会話スクール時代の友人 武田が四年前に飛騨に旅行した話をする。

三十代の先輩 増田とその恋人の川上美弥、川上美弥の妹 瑠璃を伴う。増田と川上美弥は幼稚な性格で旅行中に喧嘩をする。やがて増田と瑠璃が行方不明になり、寂しくなった武田は川上美弥と再会する。

P65:
一緒に旅をするというのは、みんなで一つの『密室』に閉じこめられるみたいなものだから

第三章 津軽
英会話スクール時代の友人 藤村玲子が津軽に旅行に行った話をする。

藤村玲子は、幼少期に佳奈という架空の友人を作っていたらしい。旅の途中で、藤村玲子は佳奈は「夜の世界」の住人であった事を知る。

P156:
彼は連続する夜の世界で暮らしていて、そこで見えた風景を作品にしていた

第四章 天竜峡
英会話スクール時代の友人 田辺が二年前に飯田線に乗った話をする。

岸田道生のサロンに出入りしていた佐伯と再会し、岸田道生が妄想の女と再会するために絵を描いていたと聞かされる。『夜行』は永遠の夜を描いた作品で、女は夜に囚われている。 

第五章 鞍馬
大橋は英会話スクール時代の友人達と逸れて「昼の世界」に迷い込み、そこで行方不明になっているのは自分だと知る。岸田道生は『夜行』ではなく一度きりの朝を描く『曙光』を発表しており、長谷川は岸田道生の妻になっていた。

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