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イコン

読んだ本の感想。

今野敏著。2016年11月15日第1刷発行。



以下、ネタバレ含む。

1995年に刊行された本の新装版。

読まなければ良かった。

パソコン通信を舞台に活躍する有森恵美というアイドルのライブ会場等で発生する殺人事件を警部補 宇津木真(45歳)が調査する。

1995年に刊行された本という事でインターネットでなくパソコン通信が使用される。主人公の中年男性 宇津木は家族と上手に人間関係を構築出来ず、アイドルを調べる事で家族と会話をしていく。

2016年時点で本作が書かれた場合、息子が引きこもりという設定になると思う。1995年時点で、何を考えているのか分からないとされた若者が現在では中年になっていると思うと感慨深い。

アイドルを描く事には失敗していると思う。アイドルオタクの若者が書けないので、アイドル好きの不良少年を登場させ、彼等の内面描写を挿入する事でオタク心理描写を代替している。

***************

有森恵美はパソコン通信上にのみ存在する架空の人格で、葉山由里子(17歳)がその正体。中学校時代に不良少年 相川渡、阿部輝彦、古橋洋一に人間脱衣マージャンの景品にされ、強姦された事を恨み、『有森恵美』の呼びかけで誘い出して殺していた。

葉山由里子は、強姦された後に人格がばらばらになり、相川渡に誘われるまま関係を続けていくが、アイドル活動をして別人格を作り出す事で救われたらしい。

P354:
アイドルファンは、既成の権威を認めず、自分たちの判断基準で新しい権威を作るのです
(中略)
権威社会のパロディーだ、と宇津木は思った。政治、財界、マスコミといった世の中の本当の権威を嫌い、それから逸脱したような連中が権威ごっこをしている

P390:
イコン……?
(中略)
東方正教会で使われる宗教画ですよ
(中略)
イコンは、現世と神の世界をつなぐ窓だと考えられているんです。ロシア正教の教会では、このイコン、つまり神の世界への窓を通じ神と出会うわけです

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