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オーブランの少女

読んだ本の感想。

深緑野分著。2016年3月25日 初版。



以下、ネタバレ含む。

罪による愛しい者の捕縛というテーマを感じた。

以下は、『作家の読書道』の深緑野分のページへのリンク。

http://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi169_fukamidori/

オーブランの少女
フランスのオーブランという地の話。

館や庭を管理する老女二人がいる。勤続50年ほどになる。ある日、車椅子の老女が殺害される。犯人は、老女達によって地下下水に監禁されていた狂女で、しばらくして狂女も死亡し、残された口が利けない老女も自殺する。

老女の残した手記から、事件の全容が明らかになる。

オーブランは、第二次世界大戦中に密かにユダヤ人の少女達を匿う施設だった。ユダヤ人を匿っている事が露見したため、ヴォオレット教諭が少女達を殺害していく(残忍に殺されるよりは安楽死した方が良いという思想)。

二人だけ生き残ったマルグリットとミオゾティスが地下下水にヴィオレットを監禁し、フランス解放後はオーブランの管理人となり、ヴィオレット教諭を飼い殺しにしていたらしい。

P68:
簡単には死なせない。死なないぎりぎりのところで飼ってやる



仮面
1888年のロンドンの話。

ウォルター・アトキンス医師(30歳)が騙されてキャバレー「ルナール・ブルー」の管理人ベツィ・バルベル夫人を毒殺する。幼女リリューシカを助けるためという名目だったが、実際にはベツィの夫ドミニク・バルベルと不倫していたポーリーン・ハートフォードの策謀だった。

リリューシカは姉のアミラと暮らす事になる。



大雨とトマト
個人経営の料理店に少女が訪れる。

少女はトマトサラダを注文し、店主は16年前に不倫した女との子かと疑うが、実際には15歳の息子が妊娠させた相手だった。

P140:
父親を、探しているんです



片思い
高等女学校に通う岩本薫子(16歳)の話。

同室の水野環が、実は杉浦友子という豆腐屋の娘であり、本物の水野環は農業経営者の跡取りと駆け落ちしていた。杉浦友子の役割は、水野環の影武者であり、実家に水野環を装って手紙を書く事で、水野環の駆け落ちが露見しないようにしている。

杉浦友子と水野環は密かに文通して情報交換しており、解釈次第では、水野環の真の目的は杉浦友子の監禁であるとも言える。

以下は、『倒立する塔の殺人』の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-2849.html

氷の皇国
北国ユヌースクでの物語。

皇女ケーキリア(16歳)が、元近衛兵のヘイザルに懸想し、ヘイザルの娘エルダトラ(14歳)に皇太子ウルリク(7歳)毒殺の罪を被せ、連帯責任による収監を試みる。

ヘイザルが自分を愛さない事から、牢屋に入れて監禁する意図があった。

皇后エルダが、食事の配膳係だったエルダトラが毒を盛ったのなら、水分の多い料理であったため、液状の毒が料理全体に混ざり、他の人間も死亡していたと主張。

毒は食器に塗られていたとして、食器に毒を塗る機会があったのはケーキリアのみとし、同時にケーキリアがヘイザルを庇っているとする(元近衛兵ヘイザルに食器を並べるのを手伝ってもらったという説)。

ヘイザルは処刑され、エルダトラは友人のヴェータ、その父であるヨンと僻地の漁村に移住する。

エルダトラが老女になる頃には、ユヌースクは滅びている。



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