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コンクリートの文明誌

読んだ本の感想。

小林一輔著。2004年10月28日 第1刷発行。



【用語】
セメント:
石灰岩と粘土を高温で焼成して得られる微粉末。水と化学反応して固まる。

モルタル:
セメントに砂と水を加えて固めた物。

コンクリート:
セメント、砂、水、砕石を練り混ぜて固めた物。

************

コンクリート使用には、現代と古代ローマの二つのピークがある。

古代地中海地域では、石積みや煉瓦積みの目地材にモルタルが使用された。ローマ人は火山灰と石灰を混ぜる事で水中でも固まるモルタルを入手していた。

紀元前275年に南イタリアからギリシャ人を駆逐する際には、エンプレクトン工法(粗石とモルタルを詰め固めて壁を作る技法)を獲得し、それをオプス・カイエンティキウス工法(モルタルに割石を押し込む技法)に改良してコンコルディア神殿の基礎(紀元前7年~10年)の建築に利用している。

建物をコンクリートで造る事で、石や煉瓦では不可能だった大規模建築が可能になる。ティベリウス帝の紀元前20年~30年頃からは特にコンクリート建築が盛んになった。

しかし、ティベリウス帝(在位:14年~37年)の時には既に建築物のメンテナンス費用が膨大になり、138年に即位したアントニウス帝が建築した神殿以降、新規の大規模建築は無くなっていく。

その後、ローマ帝国が崩壊した後は、南フランス等に10世紀頃まではコンクリート製造法が残されるが、コンクリートが多用される19世紀までは残らなかった。

ローマ・コンクリートに必要な品質の高い石灰岩や火山灰は調達するのが大変だった。

コンクリート復活は、1755年にジョン・スミートンが灯台建築の際に、水中で固まる構造体を求めてコンクリートに着目するまでならなかった。火山灰を用いずとも石灰が水中で固まる事を発見し、石灰岩の組成における粘土の含有量(5%~21%で水中で固まる)が建築物としての価値基準として有効とした。

石材と違ってそれほど高度な技術を用いずとも大規模建築を可能にしたが、現代においても古代ローマと同様に既存建築物のメンテナンス費用の問題が残されている。

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