ホルケウ英雄伝

読んだ本の感想。

山浦玄嗣著。2016年12月24日 初版発行。





以下は、Wikpediaの『蝦夷征討』の記事へのリンク。

https://ja.wikipedia.org/wiki/蝦夷征討

以下は、Wikpediaの『元正天皇』の記事へのリンク。

https://ja.wikipedia.org/wiki/元正天皇

719年~720年頃の宮城県?が舞台。

大和朝廷(ウェイサンペ)の侵略に抵抗する蝦夷の戦いを、戦いに参加していく蝦夷の若者マサリキン(17歳~18歳)の視点から描く。

この時代、未だに中央政府の統制は宮城平野まで届いていないが、倭人達で形成されるマルコ(丸子)党が植民しており、金貸しによって蝦夷達から土地や女を奪う等して憎まれている。

中央から派遣された初代陸奥按察使 上野毛朝臣広人(36歳)は、坂東に栄えた毛野王家の子孫であり、蝦夷を駆逐して宮城に王国を再興しようとしている。

主人公マサリキン(名馬トーロロハンロクに騎乗する)はマルコ党の支配すら及ばないケセの出身であるが、奴隷として売られていく少女チキンラケに惚れて倭人達と争い、蝦夷の戦士団であるヌペッコルクルに加わり、当初はマルコ党に帰属して敵対していたクマとシコウォ(レサック)を仲間として、中央政府と抗争を繰り広げる。

チキンラケは攫われたまま上野毛朝臣広人に寵愛され、彼の子を身籠るも脱走に成功し、戦場までマサリキンを追いかける。チキンラケの登場によって動揺した上野毛朝臣広人を殺害し、倭人達の軍を破る事には成功するがチキンラケは死んでしまう。

蝦夷の勝利は、『モーヌップの勝利の歌』として伝えられる。

********************

ヒロインのチキンラケが、信じられないくらい馬鹿な行動(隠れていろと言われているのに歌を唄って敵に見つかる、妊娠中なのに戦場に駆け付けて敵に捕らえられる等)を繰り返すのに、無理を感じない自分が不思議だった。

作者が敵役である上野毛朝臣広人に感情移入しているように感じられるからか?

********************

上巻 P29:
文明は自由の制限の上に成り立つものだ。それが王化政策というものさ

上巻 P58:
鎮所というのはざっと七十五年前に帝国がエミシモシリを征服するために国境線をはるかに超えたミヤンキ平野の真中に建設した巨大軍政施設である
(中略)
マルコ党は鎮所の支配の及ばぬ外縁部分に私的に植民して勢力を扶植した一族で、ウェイサンペ族ではあるが帝国における立場は確立していない。何とかして自分たちの支配地を行政単位として公認してもらい、支配権を確固たるものにしたいと切望している

上巻 P235:
鎮所は、今から約七十五年前、ウェイサンペの帝カル一世がエミシモシリ侵略の拠点として建設したもの
(中略)
今見ているものは今から二十五年前、サラーラ女帝の時に建て直されたもの

上巻 P284:
帝に氏があるという話を、わたくしは聞いたことがござりません
(中略)
氏とか姓というものは、人が人を分類する印。人を効率的に支配するためのものでござります
(中略)
帝は帝国内のすべての人間の支配者であると申しますから、自分自身を分類する必要がないのでござりましょう

下巻 P39:
伝統的コタンを解体し、団結しにくいように、出身の違う者たちを集めて強制的に再編成し、マルコ党の管理下にある村里に移住させ、農奴として支配する方針です

下巻 P67:
人間を、支配する者とされる者とに二分し、その中間というものを知らない幼児的独裁者心理に取り憑かれている者には、安らぎというものがないのである

下巻 P77:
今上ピータカ女帝が即位する直前、先代のアペー女帝は思い切った北方移民政策を発令した。相模、上総、武蔵、上野、下野の六ケ国から、一千戸の農民をエミシモシリに強制移住させたのだ。当時の陸奥守は安麻呂である

下巻 P341:
お前たちの社会が強力な支配者を持たないのは、持たないからではなくて、持てないからだ
(中略)
お前たちは劣等なる者として我々の支配の下に真のあるべき場所を見出すまで、本当の幸せを持ちえない

人気ブログランキングへ
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ABCDEFG

Author:ABCDEFG
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード