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煌夜祭

読んだ本の感想。

多崎礼著。2006年7月25日 初版発行。



以下、ネタバレ含む。

煌夜祭における語り部のトーテンコフとナイティンゲイルの語り合い。

【用語】
〇十八諸島
王都イズーがある島を中心に、以下の三つの島群が回転している。

第一輪界:
エンジャ(学園が有名)、スオウ(軍隊が有名)の二島からなり、最も内側にある。

第二輪界:
ソクソウ、シェン(ソクソウ領クディ)、イルパ、ビガン、アモイ、ナンシャー、サクラワ、リンドの八島からなる。

第三輪界:
ヤジー、ゼント(現在は消失している)、ゼンコー、アンジュン、ブンシャ、ターレン(小麦の生産地)、レイシコウ(織物産業が盛んで帆布を作る)、ケイジョウ(亜鉛を産出、金属精製技術が高い))の七島からなり、最も外側にある。

海水が酸であるため、島間の移動は蒸気船(気球?)によって行われ、一日以上の浮遊が困難ため、水素を利用した気球が研究されている。

島の生産に限りがあるため、全ての島に子供は七人までとする掟がある。

〇語り部
十八諸島を巡って話を集め、冬至の夜に煌夜祭として各島の島主の館に集い、夜通し物語をする。

〇魔物
島主の家系から稀に生まれる。常人の1/3の速度で加齢し、傷つけられても死なない。太陽を苦手とし、銀によって動きを封じる事が出来る。

冬至の夜に人間を食べたくなり、魔物を完全に殺すには、別の魔物に食べさせるしかないとする。魔物は、食べた人間の記憶を引き継ぐ事が出来る。

知識に飽和している限りは人を食べる必要が無いらしい。

〇ムジカダケ
五日から六日で胞子から茸になる。胞子は無毒だが、茸は有毒。酸の海水が齎す毒を中和して無害にする力がある。

【登場人物】
エン・ハス・イズー:
二年前に急死したジン・クラン・イズーの嫡子。王弟ゼル・ウム・イズーと王位継承権争いをする。魔物。お忍びで城下を歩く際は、語り部トーテンコフを名乗った。

リィナ・ジィン:
ジン王の曽祖父の祖父の時代にゼント島島主の子として産まれる。魔物であったため、父デグス・クラン・ゼントは遺棄しようとするが、ヤジー島の第三蒸気島に住むバトウに拾われる。養父バトワを食べたため、観測士としての知識を受け継ぐ。

22年後に、ゼント島のヤジー島侵略に抗ってゼント島を滅ぼし、償いとしてエンジャ島の復興を行う。両親を亡くしたエンジャ島島主パージ・ハス・エンジャを育てる。

ガヤン・ハス・ターレン(ナイティンゲイル):
ターレンの島主の子。魔物。

エナド・ウム・トウラン:
ガヤン・ハスの姉アイダ・マーヤ・トウランと結婚した義兄。ガヤンを島主とするため、子を作らないでいた。王島に赴任し、王子の剣の指南役になる。

ムジカ(クォルン・ゼン・トウラン、トーテンコフ):
エナドの養子。軍師として、『火焔の魔術師』と呼ばれるようになる。エン・ハス・イズー王子の侍従だった時は、語り部レイヴンとしての活動していた。女性。

ランス:
錬金術師。水素の研究をしている。

ハサイ・クラン・スオウ:
スオウ島島主で、玉砕主義者。王子派であったが、エン・ハス・イズーが魔物であると知って、傀儡として、王弟派に無謀な攻撃を仕掛けて死ぬ。

第一話 『ニセカワセミ』
シェン島に辿り着いた語り部ニセカワセミが、島主の館で魔物と化した島主の息子に物語を語る。物語を聞いている間は、人間を食べる欲求を我慢させる事が出来た。

物語が尽きたニセカワセミは魔物に食べられるが、シェン島の島主は大勢の語り部を集めて夜通し話をさせれば、冬至の夜でも魔物の食人欲求を抑制出来るとして、煌夜祭に語り部を集めて話をさせる風習が生まれる。

ちなみにシェン島は、三百年前にソクソウ島との争いに敗れ、属島になっている。

第二話 『かしこいリィナ』
ゼント島の島主を引き継いだ三人の兄弟が、隣のヤジー島の島主を引き継いだ三人兄弟が侵略しようとし、島主キリト・クラン・ヤジーにアドバイスするリィナ・ジィンによって阻まれる。

バクラ・ハス:
長兄。酒好きで、ヤジー島のヨラルカ酒目当てに侵略戦争を引き起こす。侵略軍は宴会と偽られて大量の酒を飲まされて、酸の海に捨てられる。

シドラ・ウム:
次男。ヤジー小麦が好みで侵略戦争を起こそうとする。ムジカダケ(胞子に毒は無いが、茸は有毒)の胞子を仕込まれた小麦を贈られ、毒小麦のパンを食べて死ぬ。

ドナシ・コウ:
后として訪れたリィナ・ジィンが姉であったため、殺せずに牢に閉じ込める。水素を込めた飛行船をヤジーが送り、火矢で射落とすとゼント島が焼き滅ぼされる。

第三話 『魔物の告白』
ターレンの島主スーイ・クラン・ターレンとルテナ・マーヤの子ガヤン・ハスは魔物であり、13歳で幽閉される。冬至になると牢から出され、森の老婆のもとで人を食べる。

やがて王都のジン王が急死し、王弟と王子の王位継承権争いが起り、王子派として出兵する父スーイは、ガヤン・ハスにターレン島を守る事を頼む。

第四話 『七番目の子はムジカダケ』
非力であるため七歳で捨て子になったムジカは森の魔女と暮らすようになる。

魔女が小屋に閉じ込めた少女(ガヤン・ハス)を助けるため、ディテルの町のエナド・ウム・トウランを訪れる。姫は魔物であり、魔女を食べた。

ムジカは、エナド・ウム・トウランの養子となり、クォルン・ゼン・トウランを名乗るようになる。

第五話 『王位継承戦争』
王子エン・ハス・イズーが、クォルン・ゼン・トウランを参謀に王位継承権争いをする(王位継承権争いの五年前に出会う)。

王子は王都からスオウ島、ケイジョウ島に逃れる。クォルンは王宮の食糧庫にムジカダケを仕掛けて食料を全滅させ、ブンシャ島から食料を補給しようとした王弟派の補給船を水素を詰めた気球で焼き払う。

その後、クォルンは第三輪界の王弟派の島ブンシャ、アンジュン、ゼンコーを半年かけて落とし、第二輪界の王弟派島主達が自島を守るために兵力を分断したところで王都エルラドを落とす作戦を提案する。

しかし、王子エン・ハス・イズーの30歳には見えない外見から魔物である事が、ハサイ・クラン・スオウに露見し、クォルンは暴行され意識不明になっている間に王子派は王都を急襲する。

エナドとスオウは死亡し、王子は降伏する。

第六話 『呪い』
王位継承戦後、ターレン島にブンシャ島が侵略する。ガヤン・ハスは不死の魔物である事を活かして侵略軍と戦うが、姉アイダ・マーヤ・トウランに諭されるも、殺害が楽しくなっていたために姉を殺害する。

捕らえられたガヤン・ハスは、銀の槍で捕縛される。塩毒(酸)を撒かれたターレン島は不毛の地となる。槍の捕縛から逃れたガヤン・ハスはナイティンゲイルの仮面で顔を隠し、語り部を装って煌夜祭を訪れる。

第七話 『すべてのことには意味がある』
王弟が即位した六十日後、エンジャ島でクォルン・ゼン・トウランが引き上げられる。

処刑されたはずのエン・ハス・イズーが首だけになっても生きており、自分を見て満足気に笑った事に絶望して海に身投げした。語り部トーテンコフとしてターレン島の煌夜祭を訪れ、トーテンコフをガヤン・ハス(ナイティンゲイル)に譲り、自らは贖罪のためにターレン島にムジカダケを撒く事にする。

そして、ガヤン・ハスに首だけのエン・ハス・イズーを食べて解放するよう頼む。

終章
王弟の治世は七年しか続かず、幾多の争いの末に各島代表者による評議会が発足する。

新たに生まれた魔物は、みな語り部となり、伝承者と呼ばれるようになる。

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