絹の筵旗

読んだ本の感想。

高橋直樹著。平成11年7月20日 初版第1刷発行。



栗吉 = 雷電?

登場人物の多くが性欲に従って行動する。

1781年の上州(群馬県)が舞台。各領主の土地が細かく分かれており、大名による統一的な保安が無いため、各村は博徒による自警団によって治安が保たれている。

絹宿衆(絹を取り扱う商人)による絹市場独占を防ぎ、徳川幕府が運上金を取り立てるための絹糸改会所設立の命令が下り、絹市場独占維持を継続したい絹宿衆 新井喜兵衛は博徒を動かして農民達を扇動して一揆を起こし、絹糸改会所を廃止させる。

当初は博徒によって統制されていた一揆は、制御不可能になっていき、各自の思惑を超えて人々を翻弄していく。

【登場人物】
栗吉:
22歳。上州 鍬床村に住む剛力の百姓。結婚予定だった、お飴が絹糸改会所設立派の商人 新井吉十郎の息子 菊楽亭豊麿にかどわかされたと思い込み、剛力を活かして一揆に参加する。
一揆での戦いの最中に相撲の要領を会得し、一揆の後は相撲部屋に入門する。

毘沙門坊:
天台派の修験僧。四民平等的な思想を持っており、博徒と組んで百姓達を扇動する。上杉謙信を範として女犯を自戒していたが、お飴に岡惚れして我物とし、栗吉を騙して一揆に利用する。一揆後は、アイヌ蜂起に関わるとも、自説を記した本を残すとも言う。

金山五郎左衛門:
鍬床村名主にして博徒 「稲妻の伝蔵」。新井喜兵衛からの依頼で農民達を組織した一揆を起こし、白倉村博徒の伊三郎とも組む。途中で自らが上州の総名主となるべく新井喜兵衛を裏切ろうとするが、一揆の流れの中で殺害される。

新井喜兵衛:
50代の商人。絹糸改会所設立を阻止すべく反対の一揆を起こし、絹市場支配に成功する。

P54:
大名も旗本も所領に対する自治権を与えられていた。罪人を追って境界をこえることはできない。上野は江戸に近いこともあって、たいへん旗本領の多い国だ。旗本は禄高が小さいから、領主の人数は多くなる。三百人以上の旗本が上州に知行地を持っていた。領主の主権を示す境界は狭い地域で入り乱れる

P318:
細分化による上州の治安悪化は、ひとえに幕府財政政策のひずみである。蔵米を支給する手間をはぶくため、小禄の旗本にいたるまで領地を与えた。とうぜん上州各地は大勢の領主がひしめきあい、一揆の温床と化してしまった

人気ブログランキングへ
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ABCDEFG

Author:ABCDEFG
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード