終りなき夜に生れつく

読んだ本の感想。

恩田陸著。2017年2月25日 第一刷発行。



以下は、『夜の底は柔らかな幻』の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-3116.html

砂の夜
『夜の底は柔らかな幻』に登場する医師 軍勇司の話。

北アフリカで医療活動に従事するが、ヒドゥ族という部族内で超能力によると思われる連続殺人事件が発生する。犯人は自閉症の少女ナジャで、部族内の男達に定期的に強姦されていた。男達が行為中である事の合図に『アイ・ガット・リズム』という曲を流しており、『巴里のアメリカ人』という映画を聴いて自分の身に起きている事を意識した事で殺人が始まった。

ナジャが青柳淳一(ルスカ)に射殺され、事件は終わる。

夜のふたつの貌
軍勇司の大学時代の話。

同級生に葛城晃がいて、優秀で強靭だが孤立している様子が印象的だった。葛城晃は密かにダウナー系の薬を大学で販売しており、薬の効果を実験している。

P78~P79:
「俺たちでボコボコにしてやった」と言うためである。「俺たちで」やったということが重要で、つまり「俺たちはオカマ野郎ではない」と確認しあうための儀式なのだ。それは、裏を返せば、「もしかして、俺もオカマ野郎なのかもしれない」という恐怖が中にあるということだ。自分の中にもかすかなそういう気配を感じるからこそ、畏れるのだ

夜間飛行
葛城晃が大学生時に、入国管理局にスカウトされる話。

試験として、小屋の中にある札を守る試験を課され、札を守れないとペナルティとして煉瓦壁を作る作業を行わされる。5日間を耐えたのは葛城晃だけだったらしい。

試験には神山倖秀も参加していた。入国管理官の実力を見定めたかったらしい。夜間飛行は、神山倖秀の父親の持っていた香水で、神山倖秀が葛城晃を探ろうとすると無意識のうちにその匂いを発するらしい。

終りなき夜に生れつく
連続殺人事件の犯人として神山倖秀を付け回す雑誌記者 岩切和男の話。

殺人犯は神山倖秀ではなく、均質化主義連合(HPU)内部の争いだった。神山倖秀は、岩切和男の情熱にあてられ、彼が殺人を見たがっているとして、連続殺人犯を殺してみせる。

神山倖秀がテロ事件を起こすのは、その14ヶ月後。

『終わりなき夜に生れつく』は、ウィリアム・ブレイクの以下の詩から。

<罪無き者の予言>
夜毎に朝毎に
みじめに生れつく人あり
朝毎に夜毎に
歓びに生れつく人あり
歓びに生れつく人あり
終りなき夜に生れつく人あり

P302:
僕たちは、同じ種族だ。永遠に終わらない夜を生きていく種族。そこでしか生きられない種族
(中略)
僕はこの終わらない夜を生きていくしかないんだな、あの夜に戻るしかないんだな、と思った

人気ブログランキングへ
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ABCDEFG

Author:ABCDEFG
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード