図説 世界史を変えた50の鉱物

読んだ本の感想。

エリック・シャリーン著。2013年2月25日 第1刷。



ダイヤモンド
地中深くのマントル内で大きな圧力がかかって生まれた強固な炭素。ダイヤモンドを含む岩石が火山から噴出され、数百万年の間に風雨によって浸食されて広範囲に散乱する。


金石併用時代は、新石器時代(紀元前8000年~紀元前5000年)と、青銅器時代(中近東で紀元前3300年、欧州ではその一世紀後)の間の時期。銅加工法が発見されながらも石器の使用が継続された。

1991年にアルプスで発見されたアイスマンの遺体(紀元前3300年頃)はフリントの短剣と銅斧を両方持っていた。

古代欧州ではキプロスが銅の供給地で、aes Cyprium(キプロスの金属)から、cuprum(銅)という語が作られたとする。

銅は地殻に八番目に多く存在する金属元素で、冷鍛(常温でたたく)によって加工出来た。やがて自然銅を使い尽くすと、銅を含有する鉱石を掘り出し、砕いて、1000℃以上の木炭炉で製錬して不純物を取り除くようになる。

冷鍛では柔らかい銅を複雑に加工困難で、溶かした銅を陶製の容器に流し込む鋳造が行われるようになる。

青銅
青銅器時代は、紀元前1千年紀まで続く。インドや中近東では紀元前2千年紀の終りに鉄によって代替された。

90%の銅と10%の錫で構成され、初期の銅は砒素青銅として錫の代りに砒素を含んでいた。錫は中央アジア、英国南西部(デボン、コーンウォール)、スペイン北部、フランス北部で採掘され、広範囲に及ぶ交易網を暗示する。

アラバスター
方解石。半透明で副葬品や彫像等に使用された。古代エジプトの遺跡からはアラバスターを繰り抜いた石棺が見つかっている(セティ1世:紀元前1279年死亡等)。

明礬
産業に活用される無機塩類。科学的色留め剤(色を定着させる)として硫酸アルミニウムが使用される。

英国王ヘンリー八世(1491年~1547年)が離婚するためにローマ教会からの独立を宣言した時、ローマ教皇領から英国の染色業者への明礬供給が断たれてしまったため、硫酸アルミニウムが着目され、頁岩と尿を組み合わせて使用した。

アルミニウム
19世紀初めに元素として特定される。広範囲な活用は20世紀中頃から。

アスベスト
クリソタイル、アモサイト、アンソフィライト、アクチノライト、クロシドライト、トレモライトという六つの異なる繊維状鉱物の総称。

燃えない繊維として古代ギリシアやローマで知られていた。1世紀のローマの著作家プリニウスは、アスベストの織り手が呼吸疾患に苦しんだ事を書いている。

産業利用は19世紀からで、20世紀から耐火被覆材料として活用される。

琥珀
石化した樹液。

バルト海から地中海に至る琥珀交易は、新石器時代(紀元前8000年~紀元前5000年頃)に始まったとされ、ツタンカーメン(紀元前1341年頃~紀元前1323年)の墓から琥珀が見つかる。


紀元前483年頃、ギリシアで銀鉱山(アッティカ地方)が発見された。銀鉱山の収益はアテナイがペルシアと戦う際に使用された戦船の建造費用として使用されたらしい。

粘土
初期人類が土器として活用。

砒素
中毒症状が食中毒や腸疾患、コレラ等に似ているため毒殺に多用された。

産業革命の頃は顔料や着色料として使用された。

アスファルト
有機物が高圧化で圧縮されて出来る。道路の舗装材として利用が一般的で、ギリシアの火(生石灰、硫黄、ナフサ、アスファルトの混合?)としてビザンティン軍で使用されたらしい。


酸化しないが柔らかく装身具に多く用いられる。

地球の生成カア邸で重い貴金属が地球の中心に沈んで核を形成しているが、地殻には想定の千倍以上の金があり、地表の金のほとんどは地球外に由来するという説がある(紀元前39億年頃の巨大隕石衝突により、約200億tの物質が齎されたとする)。

チョーク
柔らかい堆積岩で、ローマ時代から19世紀まで石灰モルタルの原料だった。

石炭
石炭紀(紀元前3億500万年頃)の森林の名残。英国にあった石炭鉱床は産業革命の原動力となった。

珊瑚
比較的暖かく、浅い水域で採取される。中世にはイタリア北部の共和国が北アフリカ海岸沖の珊瑚礁を開発し、16世紀にはスペイン、17世紀にはフランスが権利を獲得。現代では地中海珊瑚の加工はイタリアが独占している。

象牙
1870年にハイアット兄弟が発明したセルロイドが象牙を代替したとする。今でも象牙は宝飾品や美術彫刻等に使用される。

スレート
再結晶した堆積岩。一般に屋根葺き材料として知られるが、紙が希少だった時代は書字板として利用された。

葉片状(薄層が重なった構造)で、割って平らな板に出来る。


技術的に銅よりも製造困難。銅鉱石を炉で溶解すると液状の銅が底に沈み、不要なスラグは浮かぶため、比較的容易に金属を型に注ぐ事が出来る。しかし、鉄鉱石を青銅器時代の温度が低い炉に入れると、液体にならず固体のままで金属とスラグからなる海綿状の塊(塊鉄)になる。塊鉄を融けている間に金床で叩けば、スラグが追い出され、再加熱と槌打ちを繰り返すと錬鉄が残る。

初期の錬鉄は青銅に劣る事が多く、1世紀にローマ軍がブリタニアに侵入した時、敵は曲がった鉄剣を真っ直ぐにするために時々戦いから引く必要があったと報告されている。ローマ軍は帝政期まで青銅剣を完全には廃止せず、将校は青銅剣を使用した。

高温の炉を製造に必要とする鋳鉄は紀元前1千年紀の中国で作られ、1150℃の炉で塊鉄を形成せずに、炉中で炭素と結合して鋳鉄になった。

カオリン
高温で焼成された磁器の主要材料。珪酸塩鉱物。

景徳鎮にある地名「高陵」に由来し、高陵土から抽出されたカオリンに、長石質岩石、長石、石英を混ぜて、約1300℃で焼成すると粘土がガラス化する。

カオリンを高温で焼いた物は紀元前1000年頃にあるが、磁器は漢王朝で作られ、明確に磁器とされるのは宋、元、明の時代に作られたものとする。

グラファイト
石墨、黒鉛。

16世紀から鉛筆に活用されるが、耐火物質として鉄の鋳造を改善するために使用される。16世紀前半に英国湖地方のグレイ・ノッツ・フェルで見つかったグラファイトは、鉄砲弾用鋳型の内張りに耐火物質として活用され、砲弾を滑らかにして遠くまで届くようにしたため、1588年のスペイン艦隊との海戦における英国勝利の要因の一つであるらしい。

石膏
19世紀からギブスに利用される。

水銀
始皇帝の不死薬の伝説等。砒素、硫黄、水銀を含む薬を寿命を延ばすと信じて服用したらしい。

カリウム
土壌中のカリウム欠乏を補ったり、石鹸として利用される。

大理石
古代ギリシア、ローマ時代から建築材として活用される。

真珠層
真珠貝にて、寄生虫等の異質な有機物の欠片が外套膜に入る等して出来る。

ナトロン
天然の塩類で、古代エジプトのミイラ作りに利用された。抗菌作用によって腐敗過程が止まり、ミイラが保存される。

黒曜石
黒色の火山ガラス。アメリカ大陸では16世紀にスペインによって征服されるまで黒曜石で道具や武器が作られた。スペインの資料によると、鎚矛に似た武器マクアフティルには黒曜石の刃が埋め込まれ、一撃で馬の首を切り落とす事が出来たらしい。

天然ガラスである黒曜石は剥片を削ぎ落す事で成形出来たが、簡単に刃先が鈍くなる欠点があった。

オーカー
顔料として工芸品や人骨に染色するため、主に先史時代に活用された。

石油
内燃機関の燃料等に活用される。


マッチの材料。安全マッチは1844年にスウェーデンのグスタフ・パッシュ(1788年~1862年)が発明。

他には、作物の収量を増大させる無機肥料や殺虫剤の成分である。

白金
アンデス地方の先住民が加工して使用しており、見本が持ち帰られるまで欧州では知られていなかった。

白金と金の合金がアンデスにあった事は歴史上の謎の一つ。白金の融点は1775℃で、当時の南米大陸の技術では不可能な温度を加工に必要とする。仮説の一つは、少量の白金を融けた金に加えて叩き、それを繰り返す事で合金にしたというもの。


ローマでは銀抽出と精錬過程で鉛を多く産出したとする。

プルトニウム
核ミサイルや核爆弾製造に使用される。

軽石
古代では軽量の建材として用いられた。ローマ帝国のハドリアヌス帝(76年~138年)によって126年に建てられたパンテオンは、一番上の部分に軽石粉が用いられている。

石英
水晶振動子の材料として時計に使用される。

ラジウム
X線発見に使用される。


金属精錬における耐火物質であり、石英砂はガラスの主要材料。

石英砂(シリカ)とアルカリ(ソーダ、カリ)を一緒に加熱して冷やすと、透明なガラスになる。

硝石
火薬の原料。中国の錬金術師が硝石の分離に成功し、1044年に鉄砲火薬が中国の書に記録される。


かつて食品保存に不可欠で通貨としても活用された。

フリント
堆積岩のノジュール。


鋼板の鎧を作るには資源と時間が必要で、古代末期の軽装備歩兵の大軍が、中世の重装備騎兵の精鋭部隊に代わった要因の一つとする。


青銅の材料。錫と銅が一緒に見つかる事は稀で、青銅製造には交易網が必要だった。

硫黄
旧約聖書にブリムストーン(燃える石)という名称で登場。火薬や硫酸の製造に用いられる。

タルク
滑石(珪酸マグネシウム)。使い捨てオムツに使用され、肌との摩擦を減らす役割を担う。

チタン
20世紀初頭にチタン金属が生産され、1940年にクロール法で大量生産可能になり、航空産業等で利用される。

ウラン
核兵器の材料

翡翠
ネフライト(アジア・太平洋地域)、ヒスイ輝石(メソアメリカ)等。マヤ文明では後古典期(9世紀~16世紀)まで貴金属を重要視せず、翡翠が珍重された。

古代中国でも、王朝以前では翡翠を彫って円盤状の壁等の抽象的形状にした。

タングステン
白熱電球のフィラメントに使用された。

亜鉛
鉄や鋼の腐食からの保護、銅との合金による真鍮等。

1886年にカール・ガスナーが電解液に石膏を混ぜてペースト状にし、亜鉛容器をマイナス極、二酸化マンガンを含む炭素粉をプラス極とする乾電池で特許を取得した。

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