村上海賊の娘

読んだ本の感想。

和田竜著。発行:2013年10月20日。





1576年の話。

瀬戸内海で海賊を営む能島村上家 村上武吉(43歳)の長女 村上景(20歳)を主人公に話が進む。

【背景】
戦国乱世が終わろうとする時代。海賊や宗教勢力、大名等が自勢力拡大に努めているが、天下が統一されていくに従って各勢力は消滅する運命にある。

中国地方にある毛利家は、自家存続のために織田信長と敵対する本願寺を支援しようとしており、そのために瀬戸内海を支配する村上海賊に協力を求めている。毛利家と村上海賊だけでは織田信長に対して不利なため、上杉謙信の去就が注目されている。

上巻 P164~P165:
海賊は乱世でのみ生存を許された種族なのである
(中略)
村上海賊が栄華を保つには、乱世を長引かせるしかない
(中略)
武吉は、この延命策のごとき振る舞いに嫌気が差していた。乱世が未来永劫続くことはない。遠からず天下は定まるはずだ。少しでも長く自家を存続させようと汲々とすることが、何やら厭わしいものにも思えていた

下巻 P107:
謙信が立たなければ、毛利家と本願寺だけで信長と戦うことになり、勝ちはおぼつかない。毛利家は本願寺と共倒れになってしまう

下巻 P498~P499:
自家の存続。木津川合戦にかかわった者のほぼすべてが望んでやまなかったこの主題は、結局のところ、誰も果たせなかったと言っても過言ではない。海賊衆としての能島村上家は滅び、雑賀党は解体され、大阪本願寺は灰燼に帰した

〇鬼手:
軍船に女を乗せる事で士気を向上させる禁じ手。1541年の厳島合戦において、三島神社の鶴姫を軍船に乗せて士気を向上させた伝説があり、死兵と化した海賊達の損害が多かった事から口伝にも残されていない。

下巻 P253:
大内義隆の大軍を破ったのは、兵どもが姫を守らんと死兵と化して戦ったからだという。もっとも、鶴姫は存在しないと吉継は言う。
「あれは兵の誰かが作り上げた幻に過ぎぬ」
(中略)
しかし、あのとき、どこぞの姫が紛れ込んでおったのはまことのことじゃ

【あらすじ】
村上景の二度に渡る大阪訪問。

①一回目
村上海賊の長女 村上景は厳島合戦における鶴姫の伝説から華麗な戦に憧れる。織田信長に包囲された本願寺へ兵糧を運ぶ源爺から、瀬戸内では醜女とされる自らの南蛮風の容姿が、大阪では美形と評価されると聞かされ、大阪行きを決める。
実際に泉州(大阪府南西部)の海賊達には美形と誉めそやされ良い気分になるが、本願寺勢力が信者を洗脳して戦に活用している事に心を痛め、戦が華々しいだけでない事を悟り帰還する。

②二回目
村上景の帰還後、毛利家と村上海賊による本願寺への兵糧運搬船が出航する。兵糧運搬船は、上杉謙信の挙兵が確認されなければ、織田信長との敵対を避けるために本願寺に兵糧を届けない事になっている。父 村上武吉から上杉謙信の挙兵の望みが無い事を聞かされた村上景は、本願寺に立て籠る人々を救うために淡路島に向かい、村上海賊達を奮起させる。

本願寺への兵糧運搬を防ぐ泉州海賊と戦いになり、敵将の真鍋七五三兵衛に苦しめられるものの、焙烙玉等を駆使して村上海賊が勝利する。

村上景は、毛利家警固衆の児玉就英(32歳)と結婚するのかと思っていたら、後日談では黒川五右衛門元康という男に嫁いだ事になっている。

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