裏読みシャーロック・ホームズ

読んだ本の感想。

著者:小林司、東山あかね。2012年10月1日 第1刷。



『シャーロック・ホームズ』には、著者コナン・ドイルのトラブル(自らや母の不倫)が反映されているという話。

以下は、Wikipediaの「アーサー・コナン・ドイル」の記事へのリンク。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%AB

以下は、「やる夫スレを書いてみた④」の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-2541.html

【コナン・ドイルの家族トラブル】
①母親
母メアリが下宿人である15歳年下の医師ブライアン・チャールズ・ウォーラーと婚外恋愛をした。1875年~1882年にウォーラーはメアリの下宿に滞在。ドイルの妹ブライアン・メアリ・ジュリア・ジョセフィン・ドイル(1877年~1927年)はウォーラーの娘とも言われる。

カトリックだったメアリはウォーラーと再婚出来ず、隣家に住んで婚外恋愛を続けた。

ウォーラーはドイルの姉アネットに恋して失恋しており、アネットは住み込み家庭教師としてポルトガルに渡り、インフルエンザで亡くなっている。

②妻
1897年、妻ルイーザが結核に冒されている間に、コナン・ドイル(38歳)は15歳年下のジーン・レッキーと知り合い婚外恋愛をした。1907年に二人は結婚している。

以下の傾向。

(1)メアリ
「ホームズ物語」には母と同名のメアリという女性が九人登場するが、全員が悪人か不幸(ボール箱、アビ農園、四つのサイン等)。

(2)ステンドグラス
ハインドヘッドに新築した家のステンドグラスに家紋を入れた際、母の家紋だけを入れ忘れた。

(3)手紙
コナン・ドイルは晩年になっても毎日、母に手紙を書いた。

(4)記録
ディクスン・カーの『コナン・ドイル』には、ドイルと母が「犬猿の仲」と明記されている。

(5)同居
ドイルは母と同居せず、母親は娘と結婚した推理作家ホーナングの家で過ごした。

(6)婚外恋愛
「ホームズ物語」には、婚外恋愛を扱った話(白銀号事件、ボール箱、黄色い箱)があり、「曲がった男」(裏切者に恋人を奪われる)や、「グロリア・スコット号」、「入院患者」、「ギリシャ語通訳」、「海軍条約文書事件」等の裏切り者が酷い目にあう話がある。

「ボール箱」に登場するグラント将軍は同性愛者で、姦通をしたメアリが罰せられる。「孤独な自転車乗り」の野外結婚式は強姦場面かもしれない。

⇒「ホームズ物語」には、女性が婚外恋愛をすると関係している男性が死ぬパターンがある

(7)変遷
コナン・ドイルが自らの不倫に悩む前後を比較すると、1901年~1904年に発表された作品は殺人をテーマにした作品が9/14と多い(その前は9/26、後は8/20)。逆に浮気がテーマの作品は0(その前は7.69%、後は20%)。自らが浮気をしている時は意識して物語にしなかったのかもしれない。

【作品への反映】
●パスカヴィル家の犬
兄妹を装う夫婦の夫がホームズに殺害される。これは婚外恋愛をしたウォーラーを罰する物語とも解釈可能。魔犬は、素早く伝播する噂の象徴かもしれない。

●ボヘミアの醜聞
醜聞発覚を恐れるボヘミア王は、母の不倫が公になる事を恐れるドイルの投影かもしれない。

●花婿失踪事件
作中で登場人物メアリ・サザランドに「母が15歳年下の男性と再婚した事への嫌悪」を語らせている。義父ウィンディバンクが義理の娘を変装して誘惑する事件は母の恋愛を想像させる。

●ジュレミー叔父の家
ウォーラーをモデルにした人物を悪意に満ちた描写で記す。

●まだらの紐
通気孔を蛇が出入りする事は性交の象徴であり、医師ロイロっとは医師ウォーラーのメタファーかもしれない。

●最後の事件
母メアリのメタファーであるモリアーティを殺害し、その罰として自分の分身であるホームズも殺す。

●トール橋
ニール・ギブスン(ウォーラー)、グレイス・ダンバー(母メアリ)、マリア(父チャールズ)と読み替える事が出来る。

●隠居絵具屋
ジョサイア・アンバリーの20歳下の妻が医師レイ・アーネストと駆け落ちする。

●這う男
若い妻と結婚するプレスベリィ教授が若返り薬を求める。

●覆面の下宿人
愛人レオナルドと共謀して夫ロンダを殺した妻が、ヴェールを被ったまま引き籠って暮らす。

●白面の兵士
監禁されているゴドフリー(母メアリ)、監禁しているエムズワース大佐・ケント医師(ウォーラー)と読み替える事が出来るらしい。

【時代背景】
シャーロック・ホームズが登場する初めての物語『緋色の習作』が発表された1887年は、ロンドンで第一回英国植民地会議が開催され、ヴィクトリア女王即位50周年でもあり、国は栄光に輝いたが、同時に世は上流と下流に別れた格差社会でもあった。

ホームズは1854年に生れ、1877年に探偵を開業し、1903年に引退している。これはヴィクトリア朝(1837年~1901年)と重なっており、時代を象徴している。

1888年には「切り裂きジャック」という新しい劇場型犯罪が発生し、1830年に150万人だったロンドンの人口は1881年に330万人と倍増したが、1/3は貧困にありホームズの正義は好まれた。ホームズの鹿狩り帽とインヴァネス・ケープは、シルクハットとフロックコートという正装への反逆でもある。

コナン・ドイル症候群:
性に関する事柄が出てくると、すぐその後に殺人場面が出る。サミュエル・ローゼンバーグが『シャーロック・ホームズの死と復活(1974年)』で提唱。

ヴィクトリア朝時代の英国で、「性的な事柄」が抑圧されていた事を示す。

【コナン・ドイルの家族】
コナン・ドイルの父チャールズ・アルタモント・ドイルは、エディンバラ市役所に勤める設計技師だったが、アルコール症になり、1876年に辞職している。1879年には精神病院に入院し、1893年に61歳で亡くなる。

父チャールズの兄弟は有名人であり、凡庸な自分に劣等感を抱いていたらしい。コナン・ドイルは、4歳の時にアルコール症で荒れる父親から遠ざけるためにメアリ・バートン家に預けられ、寄宿学校に進む9歳までを過ごす。

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