西洋菓子店プティ・フール

読んだ本の感想。

千早茜著。2016年2月10日 第一刷発行。



洋菓子店経営を目指す亜樹(29歳)の話。

石長姫(地味、長生)と木花開耶姫(可憐、儚脆)の物語のようになっている。

主人公の働く洋菓子店には、二種類のシュークリーム(地味だが長年売れ続けている祖父手作り、派手だが売れ続けない主人公作)があり、婚約者の田辺佑介(弁護士で地味)と後輩の澄孝(菓子職人で派手)の対比があり、地味で長続きするものと派手で短命なものが相互に憧れを抱くようになっている。

グロゼイユ
祖父の洋菓子店を手伝う亜樹が、中学・高校の同級生だった珠香を思い出す。情緒不安定で華奢だったが、鮮やかな珠香は亜樹も憧れだったらしい。
高校三年生の時に、珠香の父親の不倫が原因が珠香の両親は離婚し、現在では娘が二人いる主婦になっている。

P31:
嫉妬深く、感情的で、すぐに泣く。抱える熱量が大きすぎて持て余すことはしょっちゅうだった。なのに、鬱陶しいと感じた記憶はなかった

P44:
激しく美しかった珠香はもういない

ヴァニーユ
亜樹が一年前に辞めた洋菓子店に勤務する澄孝(25歳)の話。

偶然に亜樹と再会し、菓子職人として精進しようとする。

P80:
人を喜ばせたいものを作りたかったら若い女の反応を見たらいいんだ。女を昂奮させない菓子は菓子じゃねえ

カラメル
夫が不倫している美佐江(30代後半?)の話。

亜樹の洋菓子店『プティ・フール(小さな火)』で菓子を買っては吐いている。亜樹から新作のカラメルソースが入ったシュークリームを渡され、苦味を味わい、夫と対峙する事を決意する。

ロゼ
澄孝と恋人になりたい美波(25歳)の話。

ネイルサロンに勤めているが、向上意欲の無い周囲に憤っている。

P128:
女の子はスイーツと一緒だと思う。きれいにデコレーションして、有名ブランドのロゴが入った美しい箱にそっとおさめて、つやつやのリボンをかけて、そうしてやっと大事に大事にお持ち帰りされる

P165~P166:
自分の年齢にはいつか捕まってしまう。女の子でいられる時間はもうわずかしかない

ショコラ
亜樹の婚約者 田辺佑介(29歳)の話。

弁護士としての自分に限界を感じ、仕事において自立するまでは結婚を延期したいと伝えるが、亜樹を怒らせてしまう。

P210:
甘えたかったんだ、ずっと。どきどきするような刺激じゃなくて、甘く包み込むような安心を求めていた

クレーム
亜樹と田辺佑介が和解する。

一時的に祖父が行方不明になる。祖父は昔、許嫁のある女性とパリに逃げた事があるらしい。

P230:
法が愛を守ってくれて家族になれる

P231:
私たちの仕事って嗜好品を扱っていますよね。あると嬉しいけれど、なくてもいい人もいる。戦争とか災害とか切羽詰まった状況になれば真っ先に切られる。でも、佑介の仕事は社会になくてはならない

P253:
一人でもいいなんて、覚悟じゃないわ。酔っているだけ

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