自閉症の倫理学

読んだ本の感想。

デボラ・R・バーンバウム著。2013年10月20日 第1版第1刷発行。



とても難しい本だった。内容は理解出来ていない。

<自閉症に関する理解>
志向性:
人間は、他者にも信念、欲求、願望、恐怖といった志向的状態があると信じているが、自閉症者はしばしば他人に志向的状態を帰属困難であり、それが心の理論不全として解釈される。

「心」は志向的であり、真理値を持っており、信念が誤っている可能性があり、因果的力を持っている。

(例)
「サリーとアンの課題」では、サリーの「ボールが入っている場所」に関する認識は真か偽かの二つの可能性(真理値を持っている)があり、当然、誤っている可能性がある。

サリーはボールが籠に入っていると信じているために(因果的力)、籠の中のボールを探す。

素朴心理学では、信念や欲求を他人に帰属させる事で、他人の行動を説明する。以下は、他者の行為を説明する二つの理論。

①理論説(TT)
理論(信念と欲求)を他人に帰属させ、その理論に従って行為する仮定で説明する。

②シミュレーション説(ST)
他人の立場であれば、自分が何をするかをシミュレーションする事で行為を説明する。

自閉症者については、自らに志向性を帰属させる能力が損なわれている可能性も指摘される。その場合、非自閉症者は自らの心的状態に接続出来ない現象を想像出来ないために、相互の隔たりが大きくなる。

<自閉症と道徳>
道徳共同体構成員となるための基準:
①意識並びに痛みを感じる能力
②推論
④自己動機付けされた活動
④無制限の種類のメッセージを伝達する能力
⑤自己概念の存在

この場合、自閉症者が他の人格としての他者に関する意識を持っていない場合、道徳共同体の一員とはなれないのか?

他者を手段ではなく、その人自身による目的として扱うためには、他者の目的に気付いて共有しなくてはならない。目的ある行為者と見做す事で、他者を人格と認識出来る。

〇魂の形成説
悪は人間の魂をより良いものにする。つまり、自閉症者の世話をする人間はより良い人間となる。健康な主人公達の物語において、自閉症者達は主人公達に豊かな理解を齎す脇役である。

〇カントの道徳論
カントは行為者が道徳的に価値ある行為を為す上で共感のような感情は有用でないと述べている(『道徳形而上学言論』の第一章)。感情は普遍的かつ必然的な道徳基盤とはなり得ない。

〇深層接近可能性障害(DAD)モデル
自閉症スペクトラム障害の人間は、世界を「変化とは内部に差異が生じるだけの、相互に分離した原始的な複数の現実から成る閉鎖系」に還元してしまう。そのため、開放系や高度に相互接続した現象を扱うのが苦手になる。

⇒複数要員によって決定される事象や、変動する多くの原因を持つ結果を扱う困難

例えば、道徳規則について真実を述べる事は良い事だが、時には秘密にしておく方が良い事もある。

<自閉症遺伝子に関する倫理>
自閉症者を治療した場合、心の理論によって得られる悪がある事を知らなくてはならない。欺かれている事や嘲笑されている事に気付くかもしれない。
非自閉症者と自閉症者の世界は隔たっているので、自閉症者を非自閉症者の世界に移住させる理由は、自閉症者に適用出来ないものかもしれない。

〇出生診断
生まれる前に自閉症的特性を持った人間が判断する技術があった場合の問題。

自閉症である人生は本質的に人間を制限する。そのため、親の自律性論(子供の人生に親は干渉すべきでない)、障害の社会構成論(障害というレッテルは社会が作り出す)、聾共同体論(障害者の共同体)等の倫理は、自閉症者の出生を防止する遺伝学的技術使用を道徳的に禁止する論証に失敗している。

そのため、これらは自閉症者独自の倫理基準や自閉症によって制限される未来の否定によって、禁止される事になる?この辺りの記述が複雑で解らなかった。

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