学校では教えてくれない地政学の授業

読んだ本の感想。

茂木誠著。2016年10月4日 第1版第1刷発行。



以下は、「オトナカレッジ」へのリンク。

http://www.joqr.co.jp/college/2015/10/

以下は、「もぎせかブログ館」へのリンク。

http://mogiseka.at.webry.info/

<地政学>
国家間の関係性を地理的条件から説明する。国家には縄張りがあり、特に隣国との間には対立が発生する。

理想主義(進歩史観):正義が勝利するという歴史観
現実主義:歴史を生存競争の視点から考える

地政学は現実主義的思想である。

◎アメリカ
地政学的には大きな島。地理的条件から以下の二つの外交方針が生れる。

モンロー主義:引きこもり戦略
ウィルソン主義:積極的に海外派兵

米国は開拓農民や清教徒革命に失敗して国外逃亡したキリスト教原理主義者によって建国されたとして、以下の二大政党がある。

共和党:
英国から渡来した初期の移民達による支持。西部開拓農民の気質としての自助努力、一国主義を指向。

民主党:
白人の後から来た移民達の支持。後から来た方が貧しいため福祉や軍備縮小(国際協調)を指向する。

歴史的に日本と米国が隣国になったのは、1895年の日本による台湾併合、1898年の米国によるハワイ、グアム、フィリピン併合あたり。

やがて日米は中国市場をめぐって対立するようになる。日本が大陸に独自市場を築こうとしたのが満州事変であり、それは米国の利害と対立する。第二次世界大戦後は日本は米国の勢力範囲内になり、中国と米国が隣国になる。共産党支配下の中国市場に米国は進出出来ず、冷戦が発生する。1972年の米中関係好転後は日米安保が揺らぎ、沖縄が返還される(沖縄の地政学的価値低下)。

現在の米国には対中で以下の二派閥があるとする。

親中派(国務省、金融資本):
1972年のニクソン訪中を仕込んだキッシンジャー派と中国に投資する人々。

反中派(軍需産業、国防総省):

◎中国
南北逆転した地図による説明(進行方向を上にした方が分かり易いらしい)。

歴史的に遊牧民族との関係が大切だった。内陸を意識するためにランドパワーの国となる。「孫子の兵法」では海上の戦いは出てこない(台湾の中国領化は清の時代から)。

攻める(移動する遊牧民を補足する事は困難)、守る(防衛線が長過ぎる)、買収等の対応策。明や清は万里の長城を整備している分、海上の守りが疎かになり、倭寇や列強等のシーパワーの侵略を受けたとする。

以下の二つの思想。

ランドパワー(毛沢東):
商工業に興味が無く、土地を国家が管理する事を考える。

シーパワー(蒋介石):
海上交易を盛んにして海上に進出する。

現代の中国は、シーパワー的な市場経済、資本主義を取り入れている。ソヴィエト連邦崩壊によって北部ランドパワーの圧迫が緩んだため海上進出を行う余裕が発生。

2010年までに沖縄までの東シナ海と南シナ海を第一列島線として抑え、2020年までには小笠原、グアム島までを第二列島線として抑える目標。これは第一次世界大戦頃のドイツに似ているとする。

◎朝鮮半島
中華王朝に忠誠を誓う歴史。中国で新しい王朝が発生すると、前の王朝と繋がっていた勢力が駆逐され、新しい王朝が朝鮮でも発生する。

朝鮮王朝は明と連動して李成桂が建国したもので、朱子学(農業重視)等のランドパワー的政策を採用した。

現代の朝鮮半島は、ランドパワー(北朝鮮)とシーパワー(韓国)に分かれているとする。

<明治維新>
薩摩(シーパワー)と長州(ランドパワー)による革命。ランドパワーは大陸浸出に興味があり、ために日本は陸で中国と戦いながら海で米国と戦う事になったのかもしれない。

◎ロシア
ロシアはモンゴルの後継国家であり、コサック騎兵はモンゴルの騎馬文化を継承している。北京条約(1860年)で沿海州を奪い、日本の隣国になる。

バイカル湖以東の東シベリアの人口は600万人程度だが、旧満州の人口は1億人程度であるため、ロシアと中国との間で領土紛争が発生するかもしれない。

マッキンダーの地政学では、内陸国家ロシアの中心部分をハートランドとし、海洋国家である英国はユーラシア大陸の奥まで攻め込めないため、ロシアを封じ込める事を目標とする。

日英同盟や日米安保条約では、日本がロシア封じ込めを担当していた。

<ウクライナ>
黒海艦隊の基地であるクリミア半島の付け根にある。モンゴル支配下から比較的早く離脱したのがウクライナで、ポーランド(カトリック)の助力があったために西欧州の影響がある。食糧確保や黒海への出口として重要な拠点となる。

欧州におけるランドパワーとシーパワーの境目にあり、ウクライナを東西に分離させた方が平和かもしれない。

◎欧州
地政学的には半島。付け根にあるロシアの脅威がある。英国が最もロシアの脅威から安全で、島国であるために防衛に必要な軍隊が比較的小規模。

EUはドイツ統一を脅威としたフランス等がドイツを縛り上げる体制として1993年のマーストリヒト条約を作った事を端緒にする。

<サイクス・ピコ協定>
1920年代に英国のサイクス、仏国のピコという外交官が、仏国領シリアと英国領イラクの境界線を定めた。人工的に定められた国境線が争いの原因になる。

◎イラン
南下を目指すロシアとの対立。英国の進出もあった。シーア派であるが、イラク南部やサウジアラビアの東側の油田地帯もシーア派が多いためにサウジアラビアとの対立も抱えている。

◎トルコ
モンゴル高原の遊牧民を祖とする。欧州連合に加盟する話もあるが、経済規模の違いがあり、EUに加盟した場合はトルコからの大量移民が予想されるために難航している。

3000万人程度の人口をもつクルド人は、スンニ派であるが女性の力が強い独特の形態で米国と組んで独立する可能性がある?

◎インド
南下するロシアとの関係。英国の植民地時代はアフガニスタンが防波堤だった。チベットにはダライ・ラマ13世の独立を認める代わりに英国軍が駐留した。

現在では米国がパキスタンを対ロシアの防波堤としている。

2020年代には人口が中国を追い越すため対中関係が変化するかもしれない。

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