ナイルパーチの女子会

読んだ本の感想。

柚木麻子著。2015年3月30日 第1刷発行。



かなり毒が強い内容。著者にはいじめのトラウマがあるのか?男性や美しい女への憎しみが感じられる。

中盤以降の高杉真織の行動があり得ない。過激な中学生か高校生のいじめだ。分析的な序盤から、狂った展開が続く中盤以降の落差が激しいと思う。

P16:
人間の手で湖に放たれなければ、ナイルパーチも一生、自分が凶暴だなんて気づかなかったのにね

【登場人物】
志村栄利子:
30歳で商社勤務。友達がいない事がコンプレックス。『おひょうのダメ奥さん日記』というブログを愛読しており、ブログ主のストーカーとなっていく。

丸尾翔子:
30歳の主婦。受身で面倒を見てもらいたがる父親を重荷だと思っている。

高杉真織:
23歳の派遣社員。杉下康行と婚約。

杉下康行:
32歳で志村栄利子の同僚。

小川原圭子:
志村栄利子の幼馴染。高校生になって志村栄利子と違う友人を作った事で援助交際の噂を立てられ、現在はニートになっている。

【あらすじ】
〇ストーカー
志村栄利子は、自分が愛読するブログを書く丸尾翔子の友達になりたいと思い、メールを何通も送り、行先に出没するようになる。

〇脅迫
志村栄利子は、丸尾翔子の浮気現場の写真を脅し材料に友達になってもらう。自分は、杉下康行と浮気した事をネタに高杉真織に脅迫され、部員23人全員とセックスするよう言われる。

〇病化
志村栄利子は部長を誘惑した事で精神異常を疑われて休職、丸尾翔子と旅行しに行くが脅迫写真を破棄する。丸尾翔子もブログ活動にのめり込んだ結果、自分が有名ブログ主のストーカーのようになっていき、志村栄利子から解放された喜びから夫に浮気を打ち明け、離婚される。

〇解放
志村栄利子は小川原圭子と対峙し、丸尾翔子は父と対峙する。

終盤で高杉真織が、志村栄利子に迫る杉下康之を芋けんぴで刺す。この辺りの記述は完全に狂気の世界で、高杉真織は見つかったら志村栄利子のせいにすると言う。「あたしは好かれてるけど、あんたは嫌われてる」、不可能だろ。そして、高杉真織は志村栄利子に会社を辞めるように言う。離婚も確定だし、会社を辞めるどころか逮捕されるのは高杉真織の方のはず。

P44:
海外ファッション誌のバックナンバー、大判のコミックス
(中略)
一見とがっているように見えて、いずれもセンスを商売にしている著名人が太鼓判を押したものばかり。個性的に見られることに心血を注いでいたあの時代
(中略)
あれほど生意気な言動を繰り返していたというのに、何一つ身に付かないまま、平凡な三十歳になってしまった

P111~P112:
一緒に長い時間居ると息がつまる
(中略)
自然なところがどこにもないからだよ。あの子はね、つくりものなの
(中略)
栄利子に関する悪い噂を聞きたい。身がよじれるほど、翔子は今それを欲している。
(中略)
自分をあれほど傷つけた女を、同じところ、いやもっと下まで引き下げてしまいたい
(中略)
同じ醜さを持っているに違いないからこそ、自分には同性が必要なのだ

P146:
この世界で何よりも価値があるのは、共感だ
(中略)
「私は一人ではない」と思わせる強いアルコールのような力

P238:
栄利子は、面白い、つまらない、の尺度でものを見ない
(中略)
フィクションの世界ですら自分の物差しを持ち込み、業務に取り組むように一つ一つをきっちりと計測し、自分と同等とみなした水準に達しないと楽しめないらしい
(中略)
栄利子の中で他者との価値観の違いは忌むべきもの、自分を孤独にするものであり、なんとしてでも正したいものなのだろう

P242:
社会に基準を押し付けられて、ことあるごとに競うように仕向けられている

P250:
自分の本能のままに行動することが、どれほど突飛で人の心をざわつかせるか、何故理解しない
(中略)
栄利子が求めているのは、狂気の世界に一緒に連れて行く道連れだ。だから、誰も彼女の傍に居たがらない

P305:
女の輪に入れずぐずぐず立ち尽くしている栄利子を見ていると、優越感と庇護欲で一杯になり、自分達も同じように気安く立ち入れないその領域を、安心して憎めるのだろう

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