ニセモノの妻

読んだ本の感想。

三崎亜紀著。発行/2016年4月20日。



終の筈の住処
主人公が引っ越したルミナス野分浜建設に対する奇妙な反対運動について。

主人公以外の住人は見えないが、反対運動が終わると、全ての部屋に人が住む。

P17:
「どうしてこの地区では、マンションの建設に反対しているんですか?」
「それは、私たちの反対を押し切って、あのマンションが建設されたからだよ」

P32~P33:
マンションが分割されたといっても、それは名目上のことで、建物自体には何の変化もないんですよ
(中略)
勝利とは、具体的に何を勝ち得たかを問題とするものではないよ。マンション側が、自身の責任を認め、我々のために動いたということが重要なんだ

ニセモノの妻
「突発性、真偽体分離症」の話。

一人の人間と全く同じ「ニセモノ」が出現する。見分け方は、ニセモノが、自分がニセモノであるという意識を持っている事のみ。

自らがニセモノかもしれないと訴える妻によって、ニセモノが多く集まるというS市に行った主人公は、S市で活動する方舟協會に潜入し、そこが本物も売買している事を突き止める。

やがてホンモノの妻が帰還する。

P121:
ホンモノとニセモノには、何の違いもない。あるのはただ、自分がニセモノであるという劣等感だけ


坂を愛する人々の話。

主人公の自宅近くにある坂に落書きが行われた事を契機に、坂にバリケードが築かれる。役所は、坂なのか道路なのか判別出来ないため、介入出来ない。

坂を階段に変えようとする階段主義者の陰謀を防いだものの、猫がバリケードを超えた事から、封鎖していた人々の理論が崩壊し、バリケードは外される。

主人公達は、引っ越す事にした。

P136:
坂というのは、人が上り下りするという前提があって初めて、坂として成立するのです
(中略)
人が通ることもできず、単なる斜面でしかありません。ですから、我々の管理の範囲外になってしまうんです

P167:
「坂」と「階段」は覇権を競い合う仲ではある。階段は坂の一形態とみなすべきか、それとも、坂とは対等にして別箇な、独立した存在なのかという命題については、様々な「学派」があり、今も最終的な結論に至っていない

P177:
動物が通っても『坂』って認識にならないのかい?
(中略)
緊急会議を招集する!
(中略)
猫の通行問題をどう捉えるのか?

断層
時間の狭間に落ち込んだ妻の話。

断層被害者は、毎日一度、わずかの間だけ、こちらの世界に戻るが、彼等は自分だけ時の流れが異なる事に気付かず、それに気付くと元に戻れなくなる。

家から離れた状態や、眠りも戻れなくなる条件。

主人公の妻は、眠ったようだ。

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