ヒトデはクモよりなぜ強い

読んだ本の感想。

著者:オリ・ブラフマン、ロッド・A・ベックストローム。
発行日:2007年9月3日 第一版第一刷。



現代社会におけるヒトデ型組織が、クモ型組織を打ち負かし、社会を変えている事について。構造や指導者、機構を欠いた組織の誕生。

クモ型組織:中央集権
ヒトデ型組織:権限分散

<分権に関する法則>
①分権型の組織が攻撃されると、
 それまで以上に開かれた状態になり、権限を分散させる
②ヒトデを見てもクモだと勘違いし易い
③開かれた組織では情報が一カ所に集中せず分散する
④開かれた組織は簡単に変化する
⑤ヒトデ達は、誰も気付かない内に忍び寄る性質がある
⑥業界内で権力が分散すると、全体の利益が減少する
⑦開かれた組織に招かれた人々は、自発的に組織に貢献する
⑧集権型の組織が攻撃されると、
 それまで以上に権限を集中させる

<MGMとアパッチ族>
巨大エンタテイメント会社MGMは、2005年にインターネット上の音楽不正コピーについて裁判を行ったが、裁判で勝利しても不正コピーを撲滅する事が出来ていない。

これは近代におけるスペインが、アステカ帝国やインカ帝国を滅亡させながらも、アパッチ族を撲滅出来なかった事と似ている。

アパッチ族には、ナンタンという精神的指導者がいたが、行動で規範を示すだけで強要する権限を持たない。社会全体を守る唯一無二の存在がいないために、指導者を殺しても別の指導者が出現する。

音楽業界の百年を振り返ると、1890年頃には音楽家が力を持っていたが、1945年には独立系のレコード会社が登場し、1000人しか一度に相手に出来ない音楽家より巨大な利益をあげ、2000年には五大レコード会社に集約される。それがナップスターやカザー、カザー・ライト、イーミュール等の登場で分散し、一つの組織を叩いても別の分散型組織が登場するようになっている。

<分散型組織の特徴>
①単一の指導者がいない
②物理的本部が存在しない
③指導者を失っても壊滅しない
④明確な役割分担が無い
⇒中央集権型組織では、部門毎に機能が明確化している
⑤組織の一部を失っても他に影響しない
⑥知識と権限が分散している
⑦柔軟な組織
⑧参加者数が不明
⑨資金調達は各グループで独立して行う
⇒中央集権型組織では、利益を出す部門と出さない部門がある
⑩各グループが直接連絡を取る

<分権型組織の要素>
①サークル
小さく階層の無いグループが分散する。階層が無いので規則を押し付ける権限が無く、メンバーは規範に従う
②触媒
サークルを創設し、その後は表舞台から消えてしまう人物。指導者として引退する事で、サークルの所有権と責任を全体に渡す
③イデオロギー
アパッチ族の自治の思想等
④既存のネットワーク
現代では、インターネットが新しいヒトデの繁殖地となっている
⑤推進者
触媒が作ったサークルに熱意を吹き込む

<触媒について>
触媒となる人物は他人に興味を持ち、緩やかな繋がりを大切にする。個人的に親しい人間だけでなく、大勢の知り合いとのネットワークを持ち、各自が社会的に位置する場所を把握している。

人の役に立ちたいという情熱を持ち、命令によって人を動かすのでなく、情熱による模範によって他人を動かす。それらは感情的知性の賜物であり、相手を信頼し、相手に信頼される。

流動的な分権型組織においては、曖昧に対しても寛容でなければならず、秩序と組織構造によって干渉するとヒトデは死んでしまう。

<分権型組織との戦い方>
①イデオロギーを変える
他人を操作するのでなく、仲間にする
②権限を中央に集める
アパッチ族は、1914年までは脅威だったが、米国政府はナンタンに畜牛を与え、精神的なナンタンの権力を物質的な権力に変えた。ナンタンは物質的資源を分け与える事を権力の源泉とするようになり、創設されたアパッチ族内部の議席を争うようになった。

フラットだった権力構造を階層化する事によりアパッチの社会は崩壊した。

アルコホリック・アノニマス(アルコール中毒者の自助グループ)も当初はヒトデ型組織だったが、創始者ビル・W達が「ビッグブック」という本の売上を本部に寄付した事で、利益を守るための集権的システムが構築されてしまった

③自らを分権型に変える
あるムスリム国家では、アルカイダに対抗する分権型組織を構築しているらしい。サークルのメンバーは、他に似たサークルが幾つあるかを知らないし、メンバーの正確な数も知らない

<ハイブリッド型組織>
インターネット・オークションサイトのイーベイ等。

以下は、amazonの読書クラブがきっかけで出版された本。息子が誘拐される母親の夢を見た女性が書いた本で、テレビ司会者のオプラ・ウィンフリーが始めた読書クラブで取り上げた最初の本である事から注目されたらしい。

オプラの読書クラブで推薦されてから三週間で、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストに躍り出たらしい。



①顧客経験価値を分散させた中央集権型組織
グーグルやイーベイ等、分権型組織の基盤となる
②中央集権型でありながら一部に分権を取り入れる
ジャック・ウェルチは、GEを独立した事業を展開する幾つかの部門に分けた。各部門長に責任と権限を与える

以下のルール。

①規模の不経済
大規模なユーザのネットワークを持つ小規模組織の柔軟性
②ネットワーク効果
新規メンバーによってネットワーク全体の価値が上がる
③無秩序の力
創造性が評価される
④組織の端の知識
最高の知識や情報は、組織の端に存在する
⑤誰もが貢献したがる
⑥ヒュドラの反撃
ギリシア神話に登場する多頭の怪物
⑦触媒が触発する
人々が行動する切っ掛けとなる人間
⑧価値が組織
イデオロギーが燃料になる
⑨測定し、観察し、仕切る
ヒトデ型組織を観察するには、サークルの状態や分散度、サークル同士の関係を調べる
⑩フラットでなければ負ける

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