PSYCHO-PASS

読んだ本の感想。

深見真著。2013年3月22日/2013年4月18日 第1刷発行。





2112年?の日本が舞台。人間の犯罪傾向を数値化するシビュラシステムにより、治安が保たれた社会。犯罪傾向が高いと判定された人間は隔離されるか、執行官として犯罪者を狩る事になる。

槙島聖護:
犯罪係数と心理が一致しない免罪体質者(200万人に一人の割合で出現)。他人の犯罪を観察する趣味があり、様々な人間の犯罪を補助する。

シビュラシステム:
人間の脳を大量に接続する事で実現した犯罪監視システム。システムの構成には274の脳が使用されており、200の脳がセッションを組む事で日本中の犯罪係数を常時監視する事が可能になる。

使用される脳の条件は、従来の人間の規範に収まらない人格の持主である事。

下巻P41:
今やいかなる選択においても人々は思い悩むより先にシビュラの判定を仰ぐ。そうする事で誰もが葛藤に煩わされることなく、幸福と満足のみを享受できる

**********************

公安局が担当した以下の事件。

〇コミュニティフィールドすり替わり
インターネット上に構築されたヴァーチャル空間コミュニティフィールドの運営を、管理人を殺してすり替わり乗っ取る事件。殺されたコミュニティ管理人は、タリスマン(葉山公彦)、スプーキーブーギー(菅原昭子)、メランコリア(時任雄一)。

公安は、殺された三人のコミュニティフィールドの常連上位100人の内、殺された後に来場が途絶えた人間を犯人とした。

犯人は御堂将剛(27歳)、模倣能力が高い事から槙島聖護に興味を持たれ、援護(ホログラム・クラッキングの提供)されていたが個性が無いと思われて始末される。

上巻P153~154:
戯曲『さらば、映画よ』。みんな、誰かの代理人なんだそうだ。代理人たちが、さらにアバターを使ってコミュニケーションを代理させている
(中略)
君の核となる個性は、無だ。空っぽだ。君には君としての顔がない。のっぺらぼうだからこそ、どのような仮面でも被ることが出来たというわけだ

〇桜霜学園
桜霜学園の生徒である葛原紗月、大久保葦歌、川原崎加賀美、山口昌美等が芸術作品のように殺される。

犯人は、桜霜学園の学生 王陵璃華子。父である画家の王陵牢一が創作意欲を失った事で、自分が死体を使った創作を試みる事になる。

公安は、高犯罪係数の人間が収容される施設にいる芸術家 足利紘一に犯罪現場を見せ、それが王陵牢一の作品に近い事を知り、桜霜学園に在籍している王陵牢一の関係者を探る。

その過程から、独自性が無いと判断され、王陵璃華子は槙島聖護に始末される。

上巻P187:
美しい花もいずれは枯れて散る

上巻P207~P208:
私は父を尊敬していた。芸術家としての義務を自覚して、啓蒙としての創作姿勢にこだわり続けたあの人は、本当に素晴らしい絵描きだったと、今でも思っているわ(中略)だからね、その務めを途中で放棄してしまったことが許せないの

上巻P211:
彼が理想とした人の心の健やかなる形は実現した。芸術の形も一気に変貌した。美も数値化されシビュラシステムの適正判定を受ける時代がやってきた。その結果として自らの使命が完了し、その人生が無価値なものになった



〇地下でのデス・ゲーム
人間狩が趣味の泉宮寺豊久(帝都ネットワーク建設 会長、110歳、全身をサイボーグ化)が、執行官と戦いたがる。

監視官 常守朱の友人 船原ゆきが拉致され誘い出される形で、執行官 咬噛慎也と泉宮寺豊久が地下で戦う。泉宮寺豊久を殺す事に成功するが、船原ゆきは槙島聖護に殺される。槙島聖護は、犯罪係数が低いまま殺人を行う事が出来る特異体質であり、システム的に殺す事が出来ず取り逃がす。

上巻P277:
狩りの獲物が手強いほどに瑞々しい若さが手に入る

上巻P340:
僕は人の魂の輝きが見たい。それが本当に尊いものだと確かめたい。だが己の意思を問うこともせず、ただシビュラの神託のままに生きる人間たちに、はたして価値はあるんだろうか?

上巻P343~P344:
ドミネーターの利点は、たとえ人を殺してても、その責任を人間でなく「システム」が背負ってくれること。ドミネーターの殺しは、社会全体で殺すのと同義。猟銃で殺したら、それは―。自分で殺したことになってしまう

〇ヘルメット配布事件
周囲の人間の犯罪係数をコピーする事で、自らの犯罪係数を誤魔化す事が出来るヘルメット(2800個)が槙島聖護によって不満を持った人間達に配布される。

槙島聖護は、ヘルメットを被った人々が犯罪を実行する様をインターネットで拡散し、東京を混乱に陥れた上で厚生省本部ノナタワー地下にあるシビュラシステム本体を確認しに行く。

槙島聖護は公安によって拘束されるが、輸送中に逃げ出す。

混乱中に逃げ出した執行官 神月凌吾と監視官 青柳璃彩の話が良く分からなかった。

下巻P82:
シビュラシステムの実用化によって、誰かを疑ったり用心したりする心構えは必要なくなった。問題のある人間はトラブルを起こすより以前に隔離される(中略)サイマティックスキャンを欺く方法があると知れ渡ったら、パニックは避けられん

下巻P160~P161:
『正義』は論議の種になるが、力は非常にはっきりしている。そのため、人は正義に力を与えることができなかった
(中略)
俺は『誰かがパスカルを引用したら用心すべきだとかなり前に学んでいる』
(中略)
「そうくると思ってたよ。オルテガだな」槙島は笑う。「もしも君がパスカルを引用したら、やっぱり私も同じ言葉を返しただろう」

下巻P200:
『世界の関節』を外している気分だ







〇バイオテロ阻止
槙島聖護が食糧自給の要である遺伝子組み換え麦(ハイバーオーツ、食料の99%の原料)を壊滅させると予想し、北陸の穀倉地帯に行く。槙島聖護が、ハイパーオーツの創始者 管原宣昭を拷問した事で予想は確定する。

闘いの末、槙島聖護は死亡し、咬噛慎也は逃亡する。

下巻P251:
自分のサイコ=パスを自在にコントロールできる体質(中略)彼が覚えたのは……恐らく、疎外感です。この社会で、シビュラシステムの目に映らないということは、ある意味、人間としてカウントされていないのと同じでは

下巻P274:
我々は、かつて個別の人格と肉体を備えていた頃は、いずれもシビュラシステムの管理を逸脱した免罪体質者でした
(中略)
悪人の脳を掻き集めた怪物が、この世界を仕切っていたっていうの?
(中略)
善や悪といった相対的な価値観を排斥することにより、絶対的なシステムが確立されるのです

下巻P283:
僕はね、人は自らの意思に基づいて行動したときのみ価値を持つと思っている。だから様々な人間に秘めたる意思を問い質し、その行いを観察してきた

下巻P321~P322:
貴様は特別な人間なんかじゃない。ただ世の中から無視されてきただけのゴミクズだ
(中略)
他者とのつながりが自我の基盤だった時代など、とうの昔に終わっている。誰もがシステムに見守られ、システムの規範に沿って生きる世界には、人の輪なんて必要ない。みんな、小さな独房の中で自分だけの安らぎに飼い慣らされているだけだ

下巻P342~P343:
あなたはシビュラシステムに対し、完全に相反する感情的反感と理論的評価を抱いており、今なおその葛藤は継続している

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