算数・数学が得意になる本

読んだ本の感想。

芳沢光雄著。2006年5月20日第1刷発行。



第1部 小学校算数の「つまずき」
1-1 「数」って何?
数が持つ抽象的意味について。5人、5羽、5個の共通点を理解する事は案外難しい。

1-2 くり上がり・くり下がりがわかるコツ
足して10になる2つの数の理解。指を数えて計算する方法に頼ると混乱が生じる。

1-3 検算の大切さ
処理速度を重視し過ぎると検算が軽視される。

1-4 答えが大きく違ってしまうとき
概算として、大雑把な計算で全体を把握する。計算量を大体の目算で求めておく。

1-5 個数としての数、量としての数
物の個数(離散的数)と、「1㎝、2㎝、3㎝」、「1g、2g、3g」のような量としての数(連続的数)の違い。

離散的な数に慣れない内は、分数や少数を上手く理解出来ない。

1-6 少数の掛け算・割り算
「5.96 × 23」について考える。

5.96は0.01が596個あると考えられる。そこで、596 × 23 = 13708を先に求め、0.01が13708個ある事から137.08を導く。小数点の位置を機械的にずらす事だけを覚えていると応用が難しい。

1-7 分数の通分・約分と帯分数
通分:
分数は、分母・分子に同じ数を掛けても、数の大きさは変わらない。この性質を利用して分母を同じ数にそろえる事が出来る。

約分:
分数は、分母・分子に同じ数で割っても、数の大きさは変わらない。この性質を利用して分母を同じ数にそろえる事が出来る。

帯分数:
22/7 = 3+1/7のように、分数の大体の数を把握し、概算に使用出来る。

1-8 分数は掛け算も難しい
正方形の面積を求める計算や図から、平面的に理解させる。

1-9 「分数で割る」とはどういう意味か
量的に理解させる。

例えば、「1÷1/4 = 4」は、1枚のピザを1/4ずつ分けるとしたら4人に配る事が出来ると説明可能。

1-10 計算の規則を身につけるには
×÷を+-より優先させる事を理解させるために、実施しなかった場合の誤答例等を説明する。

1-11 時間の理解には時間が必要
時間を理解する以下の障壁。

①60進数の理解
②デジタル時計とアナログ時計の混同
③整数の混乱(8時と20時が同じである事の理解)

「5時と17時は、12を法として合同」という理解は難しい。

1-12 「文章題から式をつくれない」
方法を覚えて処理する計算だけでは、具体的な例による四則演算の認識が不足する。

1-13 速さとは「は・じ・き」
はやさ × じかん = きょり

「速さ」とは、「単位時間当たりに進む距離」と理解する。

1-14 平均は「足して個数で割る」でよい?
平均とは、全体を平らにならすという意味。速度で考えると、全体苦の区間を同じ速度で走り続けたと考える。

1-15 用語(定義)を誤解していないか
正方形が長方形(4つの角が直角な四角形)、台形(1組の向かい合う辺が平行な四角形)である事に違和感を覚える等。

1-16 比と割合を理解するには
比や割合を使用した作文をさせる。

(例)
仕事全体の量を1とすると、太郎君は1日に全体の1/10を行い、花子さんは1日に全体の1/15を行います。すると二人で仕事全体の1/6を1日で行う事になります。

1-17 「面積の公式が正しく使えない」
公式を導き出す過程を理解していない可能性。

1-18 立体図形を「体験」で理解する
切断面や展開図、投影図の理解。画用紙を使用して、実際に立体図形を作成する等。

第2部 中学校数学の「つまずき」
2-1 まず移項と数直線を学んでおこう
左辺と右辺の入れ替えを理解(反対側の辺に移すと逆の計算をする事を、具体的数値による例で計算してみる)した上で、 数直線(基準地を0として、右を正、左を負とする)を理解する。

2-2 「負の数」を含む掛け算・割り算
数直線による理解。

2-3 掛け算記号の省略・累乗・絶対値
帯分数との混同等に注意する。

2-4 方程式と恒等式
方程式は、「30x = 900」で、x = 30と答えが出る(ある数に関して成立する)のに対し、恒等式は「(3x - 4) + (2x + 1) 」を5x - 3とするように、全ての数に対して成立する。

2-5 「単位のない図形問題」の考え方
より一般化した解釈。有限個の世界と無限個の世界を切り離して考える。

2-6 証明の鍵は「三段論法」と「矛盾」
「p ⇒ q」と「q ⇒ r」から、「p ⇒ r」を導く三段論法の理解。さらに、矛盾が出たならば仮定した事に誤りがある事の理解(背理法)。

2-7 ヒラメキがない人は才能がないか
試行錯誤した経験が大切とする。

2-8 「そそっかしさ」を治すチャンス
一つずつ慎重に論理を積み重ねる証明問題。

2-9 平方根と記号√のつまずき
2乗すると、その数になる平方根。-4と4は16の平方根だが、-4も16の平方根である事を理解していない人間は意外と多い。

2-10 「関数」と「関数のグラフ」の意味
変数、変域(xやyが取る値の範囲)、定義域(xの変域)、値域(yの変域)等の用語理解から、xの値を一つ決めると対応するyの値が一つだけ決まる事を関数と理解する。

xとyの平面図形からも上記を理解する。

2-11 「xy座標平面上の直線」の使い方
y = 2、x = 3等を平面図上にどのように書くか、分かっていない人間は意外と多い。

2-12 「比例と反比例」は理科的に理解する
重さによる速度変化や、遠方に遠ざかる事による目盛りの大きさの変化等の実験による理解。

2-13 円周角で学ぶ「ストラテジー」
類推:
解決し難い問題に対し、その問題とは別の所で成立している事象から考える(二次元の性質を三次元に応用等)。

逆向き:
解答を示すために、何を示せば良いか考える。

特殊化:
特殊な事例から考える。

「同一の弧に対する円周角はその弧に対する中心角の半分」を証明するために、まず円の中心を一点とする二等辺三角形AOPを仮定し、そこから中心角について証明すると、他の三角形についても、三角形を二等辺三角形に分解する等して適用出来る。

2-14 立体の体積と表面積
立方体を薄い直方体を積み上げた物と理解し、細分化や延伸、回転等を試す。

第3部 高校数学の「つまずき」
3-1 記号は単なる言葉にすぎない
Σやcos等の高校数学で出現する新しい記号。

3-2 三角関数は三角比から理解する
三角比とは、直角三角形で定められる二つの辺の比の値。

三角関数は三角比を拡大し、相似な直角三角形において、直角以外の角θについて、向き合う辺の長さ÷斜辺の長さが一定になるとする。これがsinθの定義。

3-3 2次関数で学ぶ位置関係
放物線として表せる2次関数で、xやyの値を変化させる事による位置移動や、位置移動による関数の変化を学ぶ。

3-4 「並べる = P 選ぶ = C」と覚えるな
順列と組合せの違い。順列は、相異なるn個の組合せから並び順に順番を付けて選び、組合せは順番を付けないで選ぶ。

3-5 確率の出発点は「同様に確からしい」
起り得る全ての事象が、同じ程度に発生する事の理解。公式を使用しても、「どうように確からしい」という答えに安心感を持てない人間がいるらしい。

3-6 数学的帰納法の「形式」
数学的帰納法の記述方法について。

3-7 数値を代入する方法の落とし穴
「解無し」が正解となる問題に、具体的数値を回答してしまう可能性。

3-8 誤解しやすい論理の基礎
必要十件と十分条件を取り違える可能性。

「体温が38℃以上なら病院に行く」という言葉は、体温が37℃で病院に行く事を否定しない。

3-9 ベクトルと位置ベクトル
表現形式が変わっても同じである事の理解。

3-10 「行列」は数の感覚で計算しない
行列の掛け算では交換法則が成り立たない。行列は線形写像として、写すものとセットで理解すべきもの。

3-11 「逆関数」を知っておこう
Yを定義域、Xを値域として、逆の対応をするyの関数xが決まる時、それを逆関数という。指数と対数の逆関数の理解は学習になるらしい。

3-12 微分積分の鍵は「限りなく近づく」
微分:
関数のグラフの各点における傾き。

積分:
図形の面積や体積。

「限り無く近付く」という概念を理解する事がポイントで、0.3333… = 1/3を理解出来る事と同じ。

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