王妃の帰還

読んだ本の感想。

柚木麻子著。2015年4月15日 初版第1刷発行。



私立女子中学校の派閥争いをフランス革命に見立てて描いたらしい。

失脚した階層上位のクラスメイト王妃(滝沢美姫)を元の地位に戻すまでの物語。

読みようによっては、王妃(滝沢美姫)が、クラスメイト達のヘイトを且つてのNo2に集中させ、彼女に恩を着せる形で復帰したようにも思える。

基本的パターンとして、①新メンバーが加入した事で、ちやほやされなくなった既存メンバーが裏切って別グループに行く、②敵だった人間に親が有力者等の利用価値がある事が判明して味方になるを繰り返している気がする。

最初の方で、王妃(滝沢美姫)が農民グループに馴染めない描写があるが、話が進むに連れて簡単に友達を変えられるようになっていく事に違和感がある。

以下の五つのグループ。

①農民グループ
前原範子(ノリスケ):
主人公。

遠藤千代子(チヨジ):
主人公の親友。トンボ眼鏡。自分の父親と主人公の母親を結婚させようというロッテ作戦をしている。グループの広報担当で、誰とでも話せる。

鈴木玲子(スーさん):
大柄で色白。落ち着いた雰囲気。父親は聖鏡女学園大学の理事。

リンダ・ハルストレム(リンダさん):
スウェーデンと日本のハーフ。赤毛、碧目、獅子鼻。

②姫グループ
王妃(滝沢美姫)がいたグループ。五人。

村上恵理菜:
王妃(滝沢美姫)の元親友。小学校時代はノッボ、デカ女と意地悪されていた。

安藤晶子:
王妃(滝沢美姫)が抜けた事で、ギャルグループから姫グループに入る。村上恵理菜が小学校時代に出したラブレターを持っている。

③伯爵グループ(ギャルグループ)
ギャル系グループ。

④商工業者層(ゴス軍団)
ロックが好き。

黒崎沙織:
村上恵理菜に乗せられて王妃(滝沢美姫)を告発する。

⑤体制側(チームマリア)
聖歌隊やハンドベル部に所属する優等生達五人。

伊集院詩子:
委員長。細い髪にコンプレックスを持っているが、校則違反に厳しい両親のためにお洒落が出来ないらしい。

*****************

①追放
王妃(滝沢美姫)が、自分の腕時計を安藤晶子の鞄に入れ、泥棒の罪を被せた事が黒崎沙織によって告発される。姫グループを追放された王妃(滝沢美姫)は、主人公のグループに入る事になる。我儘な王妃(滝沢美姫)に辟易した主人公達は、王妃(滝沢美姫)を元のグループに戻す事にする。

②裏切り1
農民グループ達のヘアアレンジを王妃(滝沢美姫)がする事で、その価値をアピールするが反発される。リンダ・ハルストレムが自分が構ってもらえなくなった事で、ゴス軍団に入る。

しかし、主人公の母親が編集者でビジュアル系バンドのボーカル上田と仲が良い事を知った事で、ゴス軍団と主人公達の関係が良くなる。

③淫行
担任の星崎教諭が、安藤晶子と一緒に移っている写真がクラス全員にメールで送信される。文化祭は担任不在のままだが、何とか乗り切り、安藤晶子が姫グループから追放される。

村上恵理菜が、色々な人間を煽っているとされる。

④裏切り2
王妃(滝沢美姫)に夢中になっている主人公に嫌気がさした遠藤千代子(チヨジ)が姫グループに入る。しかし、クリスマス会での昭和のアイドル作品鑑賞を推し進めた事で反発され、失脚する。

⑤対決
主人公が、村上恵理菜と対決する。村上恵理菜が小学校時代に出したラブレターを見せびらかしてダメージを与えるが、王妃(滝沢美姫)が村上恵理菜をかばって、友達関係は最初に戻る。

***************

話のメタファーとして機能しているのは、主人公の母親 久美子(43歳)と、担任の星崎卓巳(32歳)の恋愛だと思う。母親は11歳も若い恋人と自分の関係を信じ切れていない。

同じ事が、主人公と王妃(滝沢美姫)の関係にも当て嵌まり、価値観や趣味嗜好が違う相手とは長期間は一緒にいられないとする。

結局、主人公の母親と担任の関係は中途半端になり、遠藤千代子(チヨジ)の父親を二人で出掛けるようにもなる。


P106:
一人は怖いし、悪目立ちしたくない。笑われることを考えただけで、体が熱くなってしまう。これが私なの、と胸を張れるだけの個性も主張もない。足りない自分を補い合うために仲良しで固まることを、どうして悪いことのように言うのだろう

P155:
どこかで思っていた。平凡で善良な自分が人から拒絶されるわけがない、と。糾弾されるのは、どこか傲慢な部分のある強者だけだと

P185:
他人のしくじりを笑うと、自分が安全な場所にいることが確認出来て、心が穏やかになる。一緒になって悪口を言う時が、もっともクラスメイトとの絆を感じる。小さな頃は、決してそんな性格ではなかったはずなのに

P224:
正しいことをやっているという絶対の自信。力の限り相手を痛めつけても批判されない安心感。女の子達の歓声と、次第に弱まっていく村上恵理菜の抵抗に、範子はしばし恍惚としてしまう

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