モテたい理由

読んだ本の感想。

赤坂真理著。2007年12月20日 第一刷発行。



女性のモテ = オタクの萌えという主張なのかな。

本全体を通じて感じるのは著者の疎外感だ。著者は自分の感覚を信用しておらず、雑誌の記載傾向や身近な男性へのインタビューを通じて社会を推測しようとしている。そのように思える。

著者は中学校を卒業してすぐに米国に留学させられ、一年で挫折して日本に戻り、高校生一年生を二回経験している。高校を卒業出来ない悪夢を近年まで見ていた。

そのような自分の個人的経験を普遍的な社会へと拡大し、日本と米国という国際関係を考察する。

<現代日本>
男性の価値は戦争によって担保されるため、戦争を禁止する社会では男性の価値が低下する。戦争には閉塞の打破という側面があり、第二次世界大戦後の日本でも戦争をメタファー(受験戦争、企業戦士等)に社会が語られ、目標が定まっていた。

目標とする市場が定まっているため、目的のために犠牲を厭わない男性的生き方があった。

現在では大きな傾向も目標も見出せず、身近な細かい事を扱う女性的思考が一般化している。大勝ちの可能性は少なく、損をしない事が主眼。

ビジネス本でも、印象と意思疎通能力と関係調整能力が重視され、伝えたい事自体は軽視されている。目標を喪失した社会で二義的能力が至上となっていく。

女性向け市場は、目標を喪失した日本における未開拓地と言える。

〇戦争について
第二次世界大戦後の日本は戦争を内化して語らない風潮にある。語られないままに当然になり、他者と共有し、比較考察する事も困難。戦争を語り継ぐ事は、決まりきった話を聞く義務になっている。

その中で学校は未だに軍隊を模しており、語られないままに社会は軍事を内包している。戦争をしないだけで他の全てに戦争が漏れ出す。

第二次世界大戦に敗北した日本は、反動で米国を愛し模範とした。自分達の正義は一転して罪になり、贖罪者のグループワークが自然に発生する。

自分の罪を告白するグループワークでは、懺悔によって許されるために重荷を降ろした事になる。その中では重症者ほど注目されて救われるため、軽症者は重症者になりたがる。

そして人格を大きく上書きされた者は、それ以上の変化を拒否する。だからこそ、傷ついた者は同じ話を何度も何度も聞かせる。自然では語る内容は変化し、新しい解釈を持つが、傷ついた者の物語は変わらない。

自分は非道な行為を行い、戦争を繰り返してはならず、他国への罪は贖い続けなくてはならない。これは安定した状態であり、それより価値の下がりようがない状態。

<女について>
男性の特徴は一点集中(専門特化と分業)であるが、女性の特徴はマルチタスクである。

専門的な男性に対して総合的な女性。

女性が技術や数値を問題にするのに対し、女性は主人公感 = モテる事(男から高く値踏みされる事)を求める。受身の攻撃性が最も女性が達成感を感じる物語であり、集団の中で自らが多くの異性の注目を集め、最高の一人から相手の意思でプロポーズされる事を望む。

モテる事とは、自分の価値が他者の中で変動する中で、他者の心理を操作して自分を高く売る事に繋がる。

関係性に達成感を覚えるため、他人がいなければ自分が空っぽになり、何も進歩していないため空しくなる事がある。関係性の仮定があるだけで、他人の反応に一喜一憂するだけで長大な時間が過ぎる。

他人という操作出来ない存在を操作し続ける事は本質的に不安定だ。他人に頼った計画は危うい。

男性への好意の最上級は恋愛でなければならないと思い込んでも、本当に恋愛に向いた関係性の人間は多くない(関係を恋愛に統合する事の失敗)。

女性は規範を無化出来る。家族において子供の父親が違っても母親の子供である事に変わりなく、関係性は視覚に映らない。結婚した女性が対話出来るのは夫ではなく子供だ。

<女性とオタク>
女性の恋愛至上主義と、男性のオタクは妄想の質と強度が似ている。

パソコンゲーム『君が望む永遠』と韓流ドラマ『天国の階段』は酷似している。その違いは、苦労人よりも苦労知らずが一人勝ちする女性の妄想だとする。

どちらも脳内恋愛であるが、女性の方が経済原理と親和性が高い。女性には結婚という一大イベントがあり、それを中核に据えて結婚式の商売が見える。

オタクは自発的であるために商業主義から逃げていく性質があり実態が掴み難いが、女性は細かい差異を競いながらも基本的には横並びであるために商業的に使い勝手が良い。女社会は横並びの同性監視社会であるために身形や慣習に注意する圧力がかかり、本当の変人は生息し難い。

男の消費物は高級車等の高額過ぎて購入に無理がある品であるが、女性の消費物は化粧品等の頑張れば購入出来そうな物が多い。

物の側から考えて男性に対して、女性は人の側から考える。鉄道ジオラマ等は男性の趣味であり、女性は対人関係の中で遊ぶ。





<女性誌>
女性誌は、自分が他人にどのように見えるかに過敏であるが、男性自身への共感は無い。男性の好みを研究するのでなく、同性の視線を意識している。

女性の「ライフスタイル」は、人生の各局面で自分を演出し他人に認められる事であるが、男性は常に一点を掘り下げようとし、変化に対応し難い。

女性誌の大半は志向別の中で、年代輪切りで作られており、十代、二十代前半、三十代向けの各誌があり、趣味の縦割りで出来た男性誌とは違う傾向がある。

ライフスタイル・ファンタジーを肩代わりしてくれるモデルの中で、蛯原友里が一世を風靡した。個人色を感じさせず、感情表現が演技と分かり易いため欲望をぶつけ易い。夢や希望を投影する素材。

華やかな職種に就き、若くして責任ある仕事を任され、恋愛も充実する。

〇間男の法則
女性誌の物語として、創造的な仕事をする女性が本命彼氏とすれ違い、間男に求められて迷うが、本命彼氏と結婚するというパターンがある。間男は言葉だけであるが、本命彼氏は指輪等の物品を贈呈する。

間男の方が本命より露出や記述が多い。女性は二股でなく乗換えを考慮し、両者の条件が出揃ったところで決断する。間男入って、地固まる展開。

女性は男性も同様と考える風があり?、本命を強化するために当て馬を利用する特集が女性誌にある。他人に羨ましがられると優越感を擽られる。

〇他力の美質
女性は本人の努力以外の要素が強く作用する同性に羨望を感じるとする。後から添加出来ない永遠の差別化で、結婚は後天的に美質を付加する逆転劇となる。

結婚という人生の変化に際して、自分が良くなったと他人に承認される。

武田久美子は、外国人と結婚する事で他者が知らない知識を持った事になり、混血の娘を見せる事で特権階級に変化した。

〇ホモ
生殖不可能な関係を消費するのは、性衝動以外に、変動し過ぎる女である事から逃れる願望であるかもしれない。



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