オーダーメイド殺人クラブ

読んだ本の感想。

辻村深月著。2011年5月30日 第1刷発行。



他人の物語から脱却したい中学生の話だと思う。

これ、徳川君が美術で入賞していたり、難関の美大に一発合格していなければこうなっていないんじゃ。そう思うと作者が怖い。徳川君がメールアドレスに使用している『chiyoda』というライトベル作家は誰なんだろう?



主人公 中村アンは、家では母親(赤毛のアンが好き)の構築した物語に組み込まれ、学校では友人である斉藤芹香、成沢倖の物語に組み込まれ、その評価基準に支配されている。

昆虫系:
階級下位のクラス男子の事。地味な男子とも違い、キャラモノでチビだったり、体格が良かったり種類が多い。一人一人に意志を感じないが、クラスで一定数を占めていて、集団で一つの意志を持っているように見える。

*******************

主人公は、友人である斉藤芹香が好きな芸能人?セブンス・クライシスについて、「高校とか大学までならいいけど、二十歳過ぎてまでセブクラに夢中なんてイタい」と言った事から無視されるようになっている。

その後、同級生の徳川勝利(昆虫系)から、教師に反論する意見「だからの前を言って下さい。その前の論理が分かりません」という事で中が修復する。

その後、徳川勝利が動物の死骸を持っているのを見た事から、自分を殺し、特別な存在としてプロデュースするよう依頼する。学校内での身分が違うため、二人はこっそりと相談し、イメージ写真等を撮影。

その一方で、成沢倖が斉藤芹香の元カレである津島と付き合う事になり、二人の争いに中村アンは巻き込まれる。斉藤芹香が自殺未遂する事で、斉藤芹香と成沢倖は仲直りするが、中村アンは二人の共通の敵となり、無視される事になる。

そして、徳川勝利が持っていた動物の死骸が自分の元カレである河瀬の飼い猫の死体であった事にショックを受ける(この話はウヤムヤになって終わる)。

毎日がつらいので、12月に自分を殺すよう依頼するが、当日になって徳川勝利は殺害を拒否する。彼も父親が、中学校の音楽教師と結婚する事で悩んでいた。

そして、高校生になった中村アンは東京の大学に行く事になり、その直前に徳川勝利から自分が描かれたノートを渡され、東京での彼の住所を聞く。

*****************

P40~P41:
私も尊敬できるような大人がやってきて、肩に手をおいて「君は特別だ」とはっきり告げてくれること。同じ教室でそれを見てた芹香や倖の呆気に取られる顔を夢想する。
(中略)
だけど、そんな大人が現れない以上、特別になるためには命でも投下するしかないのだ。それが空っぽな、まだ何も成していない私たちにできる今の時点の精一杯

P149:
芹香はつまり、そうやって、ヒエラルキーのてっぺんから、疑問なくみんなの価値観を覆してしまえる女子なのだ。自分とは直接関係ない違うクラスの女子をわざわざ糾弾しにいけるくらいのバイタリティーに満ち、一人の女の子から最大の武器になりうるものを奪い、へし折る。

P153:
誰かの悪口を言ってるときが、芹香は一番輝いている

P229:
どうして自分たちに参加しないのか―、芹香と一緒にいるなんている空気の読めないことをするのか、と言葉の外で私を責めている

P246:
芹香や倖とこんなふうになって、私には、一緒の班になれる子がいない。立っていられる場所がない

P254:
班替えでいい人と一緒になれない事実を、みんなにどう見られているか考えたら、二人には悪いけど肩身が狭く、一緒にいるところを人に見られたくなかった

P255:
芹香は私とやりたがってたダブルデートを、倖と津島カップルとできるだろう。つまりはその程度のことだった。芹香にとって大事なのは、津島でも倖でもない

P266:
本の中の清潔な世界はどこにも存在しない。「少女」であることに価値がある、人形たちの無機質な表情こそ尊ばれるあの空間は幻想で、現実を生きるリア充たちには、そんなもの無価値だ

P312:
クラスのどの子が、ヒエラルキーのどのあたりで、どんな傾向のグループに属してて、カースト的にはどんな立場で。そんなことに全部自覚がある自分がくだらなかった。だけどその一方で、私たちは自覚せざるを得ないし、周りに敏感でなければならない。くだらないことを知ってても、ここで生きていかなきゃならないんだから

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