危機を克服する教養

読んだ本の感想。

佐藤優著。2015年1月31日 初版発行。



佐藤先生の考える選良主導主義の根源について。宗教思想が元になっている?

携帯電話の販売員の例えが出て来る。少数の指導者(選良)が様々な状況に対応するマニュアルを用意し、店員はマニュアルを暗記して販売活動に勤しむ。店員は代替可能な部品でしかないが、指導者層は掛け替えのない人間である。

少数の天才や預言者(理屈を超えた外部に接続出来る存在)が構築した思想を大義名分として、多くの人間が命を懸けるという事なのか。

福本和夫:
戦前の地下共産党指導者。
エルンスト・トレルチの『歴史と階級意識』とレーニンの『なにをなすべきか』に基づいて、労働運動を組織する前に、優秀な人間が大衆から分離して運動のレベルを上げるべきとした。他に、『哲学入門』の田辺元の影響もあるらしい。

<カトリック>
第一バチカン公会議で以下を決定。

①謬説表
言説の正誤をローマ教皇が決める。ローマ教皇の不可謬性が確定した。

②マリアの無原罪の昇天
マリアに罪が無いため、天国にいるとする。

⇒カトリックは絶対的権威を確立したためにナチズムに対抗出来たとする

ヒトラーが尊敬したルターの提唱する主観主義では全ての人間の価値が並立してしまう。ヒューマニズムは人間に価値を置く思想であるがために、人間同士の戦いが神々の戦いになってしまう。善は自己絶対化の誘惑に逆らえず、人間を圧迫してしまう(務台理作の『ヒューマニズムとは何か』)。

人間は宗教を信じずにはいられず、多くの人間を導く絶対的権威が必要という思想?

<モナドとアトム>
世界を構成する単位としての二つの思想。

無数のモナドは全てが異なり、消去は出来ず、作り出す事も神にしか出来ず、他のモナドとの出入りも出来ない。一つのモナドが大きくなる時は、他のモナドが小さくなったりして調和がとれる。

対して、アトムは全てが同じで、合わせたり束ねる事で世界が成り立つ。選挙は全員が平等なのでアトムの思想。

欧州共同体は複数の共同体が並立するのでモナドの思想で、市場原理主義のような普遍主義は全体に同一を求めるのでアトムの思想。

キリスト教ではプロテスタンティズムがモナドロジー的構成で、カトリシズムがアトム的とする。

<神学>
神学は学問の形でなくても構わない(カール・バルト)。

神学は人間を超越した外部に接続する事を目的とする。人間は神ではないので、神を理解出来ない。類比として、別のものの形で神の意志を推測する?

<陰謀論の戦い>
太田龍(世界は爬虫類が進化した指導者に支配されていると主張)と、副島隆彦(世界はロックフェラー財閥等に支配されていると主張)が論争すると、支配者が哺乳類か爬虫類かの争いになるらしい。

⇒上記の話は、佐藤先生の著作で偶に出てくる

何となくだけれど、佐藤先生は人間の思想というものが絶対的権威を持つ状況を望んでいるんだと思う。『知性』というものが大した事がないという事になると、歴史上の様々な議論や思想が爬虫類の陰謀と哺乳類の陰謀と同列に語られる事になってしまう。

そうした事が嫌なのではないか。

人気ブログランキングへ
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:ABCDEFG
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード