ぼくたちが本当にシタかったこと

読んだ本の感想。

白都くろの著。2016年10月23日 初版第1刷発行。



アダルトビデオ製作者養成学校に通う者達の話。著者は本書を書くにあたって実際にアダルトビデオ関係者に取材したのだと思う。取材した事柄をそのまま書いている印象で、物語として整理されていない印象をうけた。

以下は、著者の参考文献。



成人映像専門学校:
アダルトビデオ大手メーカー「ホットサン」によって設立された専門学校。アダルトビデオ製作に関する技術や知識を学ぶ事を目的とする。

【登場人物】
渡戸愁:
主人公。依存症気味の母親に育てられたため、女性から一歩離れた付き合い方をするらしい。肉欲と愛情を分けたい欲求が、愛や恋と切り離して性欲を処理出来るアダルトビデオに頼る理由であるのだとか。

九重紗英:
大学の文学部に通っていたが、性を主題にした文学作品(マゾッホ、谷崎潤一郎、蛭田亜紗子、南綾子、山田詠美、瀬戸内寂聴等)に興味を持ち、性をテーマにした小説を書くための情報を入手するためにアダルトビデオ専門学校入学を決意したらしい。

五十嵐彩香:
元ジュニアアイドル。中学生以降にアイドルとしての仕事が無くなり、もう一度注目されるためにAV女優を目指す。

近八侑李:
元AV女優。19歳という設定だけど、多作品に出演しているのに10代とは思えない。

七崎つぐみ:
主人公が好きな顔立ちらしい。父親の転勤について各地を転々とする。アダルトビデオに偏見が無く、カリキュラムが自由ですぐに旅行が出来るから成人映像専門学校に入学した。

二道美奈:
九州の博多出身。高校卒業後、地元の親戚のスナックを手伝うが、面白い事が無いので東京に来る。生活費の心配があったので入学すれば奨学金がもらえる成人映像専門学校入学を決断。このプロフィールで18歳という設定は無いと思う。

三ツ田阿紀良:
主人公の友人。将来はAV女優のプロダクション経営をしたいらしい。自分の事務所のためにナンパで女性の電話番号と顔写真を収集している。

タダノ(TDN):
40代前半のAV監督。何故か主人公をライバル視している。

主人公達、特に女性陣が全員10代という設定に無理があると思う。本人達が語るプロフィールからして、若くても20代前半。それから、女性キャラクターが多過ぎる。知識偏重型と経験豊富型の二人に絞って書いた方が良いと思う。

多分、著者が取材した事柄をそのまま書いているので、このようになっている(キャラクター設定と合わない人生経験等)。

「性」を職業にする人々を漫画のようにデフォルメした形で描くのか、現実性を感じるさせる取材形式で描くのかで著者が揺らいでいるように感じられた。

他の「性」に関する物語も、同じような印象がある。

以下は、思い付いた他作品についての雑感。

①紫藤ももえの風俗4コマ漫画オトコとオンナ
以下は、「紫藤ももえの風俗4コマ漫画オトコとオンナ 」へのリンク。現役風俗嬢が描く四コマ漫画。こちらの方が乾いた印象がある。

http://www.aaa-fuzoku.com/manga/otoko-to-onna

②都立水商(室積光著)
水商売に関わる専門学校の話だけれど、完全にデフォルメされている。作者の思い描く理想世界という感じで、性風俗従事者や野球選手が理想的人格の持主として描かれている。



③性職者(画・森永茉裕、作・光風治)
性風俗従事者の人生を物語化したドキュメントコミック。描いている側もかなり体力を消耗した印象。重い話が多い。



④天使に見捨てられた夜(桐野夏生著)
村野ミロシリーズ第2弾。失踪したAV女優を探す女探偵の話。

桐野先生は、女性なので女性に対する嫌悪感を遠慮無く描く事が出来るのだと思う。『男性は、女性を実体でなく偶像として愛する事がある』という主題なのか?



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