悪魔と私の微妙な関係等

読んだ本の感想。

平山瑞穂先生の本を3冊読んだ。女性?の満たされない欲望が共通するテーマだと思った。男性にも共通するかな?

読んでいて、三浦健太郎先生が、女性には3型の夢の男性がいるとインタビューで言っていた事を思い出した。①身近な男性、②憧れの王子様、③現実的で自分をくどく金持ち。美内すずえ先生原作の演劇「女海賊ビアンカ」やベルセルク(①セルピコ、②ガッツ、③ロデリック)にはその3型が揃っているとする。

3作品ともに、女性が3型の男性を全て手に入れられない事が、渇望の原因だと思う。

<悪魔と私の微妙な関係>
2013年6月20日 第一刷発行。



主人公の女、結婚しても絶対に浮気すると思いながら読んだ。

主人公の真崎皓乃(27歳)は、公益法人 生物多様性助成機構に勤める会社員。5年交際している恋人の義斗がおり、副業でエクソシストをしている。

ある日、部長待遇で上林薫という男性が中途入社する。上林薫は仕事は出来るが、悪魔と同化しており、主人公に祓われる事で上林薫は救われる。

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主人公は徹底的に受身な女性。内心では毒舌だが「おとなしい」と思わせて、自分の内面を守ろうとする設定。そんな人物に都合の良い周辺人物が彼女を強引にサポートしていく。

上林薫は一方的に真崎皓乃を気に入り、重要な仕事を任せ、私的に頼る。エクソシスト派遣業を営む米沢ヨセフは、高い能力(笑)を持つ真崎皓乃に強引にエクソシスト業を任せる。途中で、恋人の義斗が真崎皓乃の気持ちを汲み取って自分から結婚の中断を申し入れる。

真崎皓乃は気に入らないはずの同僚と昼ご飯を一緒に食べており、嫌いなはずの父親と同居して学費分の借金を支払っている。オカルト好きな体質は未知の世界への憧れだと思う。

主人公側から積極的に動かなくても、周囲が悪者になる形で社会に参加出来るシンデレラのようになりたいのだと思った。

義斗(美形ではないが身近にいる鷹揚な男性)、上林薫(美形で仕事が出来るが自分に依存する王子様)、米沢ヨセフ(自分にお金をくれる)という3型の男性が必要という事?

<僕の心の埋まらない空洞>
発行 2012年9月20日。



『悪魔と私の微妙な関係』を男性側視点から見た物語だと思う。実は奥さんが不倫していたというオチかと思ったら違った。

主人公の検事 荒城倫高(43歳?)は、ストーカーの末に殺人を犯した鳥越昇(30歳)の事件を担当している。同時に複数の女性と交際する鳥越昇の価値観に共鳴していき、最後には部下と不倫関係になるが捨てられる。

P72:
石化した樹液の中に閉じ込められた気泡、誰にも触れることができず、埋めることもできない空洞。目に見えているのに、手を加えることができない。その歯痒さゆえに、グリッターを蔵した琥珀は、倫高を魅了してやまなかった。

P147:
真希と沙菜絵は、二人揃っていて初めて、僕にとって意味のある存在となっていたんです。そのうちのどちらが欠けることも、僕には耐えがたかった。僕の中のより大きな部分を真希が埋めていて、残りのより小さな部分を沙菜絵が埋めていたんです。

P185:
鳥越にとっての沙菜絵が空洞を埋めるのにぴったりの形をしていた、というのは本当だろう。しかし、それが実際に空洞を埋めているように見えたのは、実はまやかしだったのではないか。空洞は、あたかも琥珀の中のグリッターのように、外側からは決して手を触れることができず、あくまで空洞のままで存在しつづけるものなのではないか。それは生涯、癒されない飢餓感として、一人の人間につきまといつづけるなにかなのではないか。

P211:
鳥越が書く長文のメールの文章は、徹底して理詰めである。訴えている内容が正当なものであるかどうかは別にして、論理の流れにだけは驚くほど破綻がない。同じことが、この法外に長い供述全体を通してもあてはまる。鳥越の説明は、置かれた立場を思えば、気味が悪いほど淀みがなく、論理的に明晰なのである。その明晰さは、疲労困憊している松谷沙菜絵をいっそう追いつめ、逃げ場のない閉塞感で圧倒したことだろう。

P221:
ちづるに対する愛情がそれによって減ずるわけでないのなら、外で何があってもかまわないとでも言わんばかりのことを、今朝からの自分は考えている。それは、妻の真希に対してはなんら不満がなくても、真希には埋められない部分を埋めてくれるだれかの存在が必要なのだという鳥越、そのために松谷沙菜絵を求めても、真希に対しては罪悪感を抱かなかったという鳥越と、本質的に変わるところがないのではないか。

P253:
これが今後一生続くのだ、と思った。ちづるとの睦まじい夫婦関係を維持していく一方で、自分はこの、決して埋められない空洞を自身の中に抱え、身を削られるようなその欠落感に耐えつづけていかなければならないのだ。

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『悪魔と私の微妙な関係』を男性視点から見た場合、このようになるのだと思う。女性側は、現在の彼氏では埋められない渇望を別の男性で埋め合わせようとしているだけであり、乗り換えた場合でも結局は満たされずに他の男性を求める。

それだから、真崎皓乃は、最終的に元彼と結婚つつ上林薫と不倫関係を継続するのではないか。

女性的?フィクションもテーマになっていて、自分は潔白だという安心出来る物語を作り上げ、完成させるために他人を巻き込む事が指摘されている。見たくない自分の姿を直視しないように、自分の芝居に他人を参加させ、自己暗示の精度を高めていく。自分の意志で決めた事にすると罪悪感を覚えるため、他人に言われたから行動するという体裁をとる。

⇒平山先生のテーマなのか?

<出ヤマト記>
2012年 4月30日 第一刷発行。



2011年~2012年頃が舞台。主人公 北田茉奈は父親を殺したと思い込み、祖父の母国である北朝鮮?に逃げ出すが、父親を殺していなかった事を知り、日本に帰国する。

病原菌とか北朝鮮の組織とか、話を膨らませようとして失敗した印象。幸福は心のありようであり、身近な所にあると言いたいのかな?

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