これからの日本で起こること

読んだ本の感想。

中原圭介著。2015年2月12日 第1刷発行。

本に書いてある予測はかなり外れたと思う。



株主に還元する資金を捻出するために、労働者の賃金が抑制されているという意見が面白かった。その背景にある思想を突き詰めていけば、格差縮小の解決策が出来るかもしれない。

以下の意見。

①量的緩和では設備投資は増えない(需要を増やす必要)
②円安では輸出は増えない(輸入価格上昇)

通貨安・物価高よりも、通貨高・物価安の方が国民生活向上に寄与する。

円安が進んだ2005年~2007年で、日本の経済成長率は年平均で実質1.7%だったが、国民の実質賃金(5人以上の事業所規模)は、年平均0.1%のマイナスだった。円安によって企業利益が増加しても、賃金に反映されない。

<米国>
量的緩和が失敗した例。

2008年9月のリーマンショクに対応し、2008年11月~2010年6月にQE1(量的緩和第1弾)を行い、1兆7250億ドルの米国国債や住宅ローン担保証券を購入。さらに、2010年11月~2011年6月にQE2(量的緩和第2弾)を行い、6000億ドルの米国国債を購入。さらに、2012年9月~2014年10月にQE3(量的緩和第3弾)を行い、住宅ローン担保証券を毎月400億ドルずつ購入している。

その結果、大量の資金が株式市場に流入し、金融資産の多くを株式で保有していた富裕層は潤ったが、通貨安による輸入価格上昇により一般国民との格差が拡大した。2000年~2013年で米国の消費者物価指数は35%程度上昇したが、平均所得は変わっていない。

株主資本主義による労働者圧迫の問題もある。GMは、2009年7月に経営破綻した後、人件費を抑制する事で復活した(破たん前の時給90ドルを19ドルに抑制)。他の企業もそれに倣い、多くの企業が人件費を圧縮している。

⇒この見方は面白い。労働者の賃金低下の理由を技術革新に求める意見があるが、株主利益重視のためと考えた方が納得出来る(偏見?)

そして人件費削減による利益上昇は一時的なものであり、株主の要求に応えるために自社株買いが盛んになっていく。米国における2014年の自社株買いは、主要500社で2007年を超える水準になっている。経営陣の報酬を株式で支払う制度も、労働者の賃金を抑制して自社株買いを行う傾向に拍車をかけるとしている。

**************

円安になっても、企業の為替リスク回避が大きく進んでおり、世界経済減速の影響もあって、輸出数量は増え難い。さらに輸入価格上昇による消費低迷も発生する。

著者は2014年10月に米国が量的緩和を終了し、日本銀行が円の供給量を増加させる政策を採用する事で円安になると予想している。2015年~2016年の相場を1ドル110円~130円のボックス相場と予想したが、この予想は外れた。

さらに日本銀行が物価上昇に拘って追加緩和を行った場合、1ドル=130円~150円のレンジに突入する可能性もあるとする。

そして、以下の理由から2017年頃の株価下落を予測する。

①日本銀行による国債保有の限界
日本銀行の国債保有額は、2016年末には360兆円になる見通しとなり、国債発行額の4割を超える規模になる。2017年には緩和縮小を迫られる可能性がある。

②年金資金による株買いの限界
公的年金資金が、2014年に資産構成における株式の比率を24%から50%に変更した。日本株をおよそ14.3兆円?程度の買い需要が発生するが、資産構成の目安に近付けば買い需要は無くなる。

著者は、上記を踏まえて2016年には日本株売りが始まると予想しているが、この予想も外れている。

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