「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

読んだ本の感想。

エマニュエル・トッド著。2015年5月20日 第1刷発行。



ドイツが欧州の支配権を握っているという主張。

ドイツ内のみに限定すれば経済的不平等は許容範囲内だが、欧州全体で見れば、ドイツのシステムは東欧や南欧の低地賃金によって支えられている。ドイツ圏の国々は、自らが投票出来ないドイツの政治機構に支配されており?諸国民の階層が形成されている。

アメリカシステムは、ユーラシア大陸の二つの産業国家、日本とドイツを米国が操作する事で形成されているが、アメリカシステムは米国の産業規模が明確に優越している場合のみ機能する。

以下のドイツシステムの興隆は、米国とドイツ間に紛争が起こる事を示唆する?

ドイツシステム:
部品製造を部分的に東欧州に移転し、安い労働力を利用。国内では労働者の給与総額を抑制(2000年代で平均給与が4.2%低下)。さらに統一通貨ユーロにより、他のEU諸国がドイツに対する平価切下げを妨げられる中、ドイツからの輸出のみが一方的に伸びる経済圏を作ったとする。

⇒EUの問題は、ドイツの貿易黒字が大き過ぎる事?

ドイツは直系家族(長男を跡継ぎとし、両親と同居し、他の兄弟姉妹を長男の下位に位置付ける農村の家族システム)を価値観として伝えており、特定ニッチに対して品質等で決定的強味を持つグローバル中小企業を排出し易いとする(日本、スイスのドイツ語圏、フランスのヴァンデ地方・ローヌ=アルプ地方も同様)。

⇒権威主義的価値観により、国民が相対的低賃金を甘受する?

⇒権威主義的文化は、硬直性と指導者の心理的不安定という二つの問題を常に抱えている。



フランス文化では、パリ盆地の家族は子供達が自律的家族ユニットを築くのが当然であり、普遍的人間という概念を持つ。このシステムでは自由と平等という価値観が重視される。

ロシアからのガスパイプライン到着地点は全てドイツであり、ドイツは欧州のエネルギー供給を支配している。脱原子力発電はドイツの戦略かもしれない。

著者は、ドイツ帝国を以下のように分類している?

①ドイツ
②ドイツ圏
(ベネルクルス、オーストリア、チェコ、スルベニア、クロアチア等、ドイツへの経済的依存度が高い国々)
③フランス(自主的隷属)
④ポーランド、スウェーデン、フィンランド、バルト三国
(ロシア嫌いの衛星国)
⑤その他のEU諸国

⇒英国は離脱途上としているが、全てを足せば2012年?時点で人口5億人、GDP12兆ユーロ程度の大国となる?

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