ロシア・ショック

読んだ本の感想。

大前研一著。2008年11月11日 第1刷発行。



以下は、「大前研一オフィシャルウェブ」へのリンク。

http://www.kohmae.com/

著者は、EUを人類史上初の知性による政治連合としており、2020年までにロシアがEUに加盟する見通しがあると予想しているが、その予測はおそらくは外れる見通しであり、原因を考えると面白いかもしれない。

著者はロシアの中央集権を問題視しており、地方への権限移譲を提唱している。

他に旧ソヴィエト連邦に居住する在外ロシア人も問題視しており、カザフスタン(25.9%、399/1540万人がロシア人)、エストニア(25.7%、34/134万人がロシア人)、ラトビア(28.3%、65/228万人がロシア人)、リトアニア(5.1%、17/338万人がロシア人)等を問題視している。

生まれながらの国土でありがながらも外国人となったロシア人の問題や、ソヴィエト連邦が解体した方が矛盾が少なくなったという意見はそのままEUの問題と直結していると思う。

<ロシア経済の近況>
2002年初~2008年で株式市場は約9倍になり、株式時価総額は1.3兆ドルになった。その直接的な原因は原油価格の上昇(株式市場の4割は上位五社の石油・ガス関連企業)であるが、所得税率を変えた影響も大きいとする。

2001年以降、それまでの12%、20%、30%の累進課税を止めて、一律13%の所得税率として同時に脱税を取り締まった事で税収が増加(前年比で2001年に25.2%、2002年に24.6%、2003年に15.2%、2004年に14.4%増加)。

平均月額賃金も1996年~2005年に2.4倍になり、個人消費が旺盛になったとする。

<ロシアの資源>
1707万㎢の国土に約1億4000万人が住む。

・欧州ロシア(経済中心地域)
人口の73%、GDPの66%を占める。

・シベリア(資源産出地域)
ロシアの石油の7割、天然ガスの9割、石炭の8割を算出する。

・極東(低開発地域)
人口(約660万人)、GDPともにロシア全体の5%未満。隣接する中国東北三省は1億人の人口であり、潜在的脅威となっている。

ロシアの原油は埋蔵量世界七位、生産量世界二位であり、天然ガスは埋蔵量、生産量ともに世界一位である。教育水準も高く、第三次教育への進学率72%はブラジルの25%、中国の22%、インドの11%より大幅に高い。

1990年時点では人口一万人当たりの研究者数53人は世界一であり、世界の科学研究者の32.4%がソヴィエト連邦にいた。

2005年~2006年でロシアのIT専門学位取得者は約6万人で、その他の理系人材を足すと約24万人になり、人口が8倍程度のインドに匹敵する。

<ロシア進出の十大心得>
インシアード大学のスタニスラフ・シェクシューニアが提唱。

①ロシア人と共に、ロシアのために働く
②ロシアのルールを尊重しつつも、自分の流儀を忘れない
③政府と関係を構築し、人脈作りに励む
人的解決が必要な場面がある。
④核心は断固たる態度、枝葉は柔軟に
⑤窮地に活路を見い出す術を学ぶ
困った時には現地人に任せる等してアプローチを変える。
⑥腐敗は生活の一部
⑦権威主義でないリーダーシップ
ロシア人は権威に抵抗感が強い。
⑧権限移譲は難しいが重要
段階的に権限を委譲する事で人物を見定める。
⑨海外企業の個性を強調したワンカンパニー
窓口や方法は一つにする。その都度原則を変えない。
⑩早期警戒管理態勢を敷く
朝令暮改に注意する。

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