中国古代の科学

読んだ本の感想。

藪内清著。2004年4月10日 第1刷発行。



中華文明の独自性に関する考察。

中華文明の基礎は、紀元前の戦国時代(紀元前6世紀~紀元前3世紀頃)に奴隷制が解体し、大衆のエネルギーが集中して秦漢の統一国家に進んだ時代にある。中華の地理的環境は砂漠に囲まれたために外来文明を受け入れるのに困難。

欧州における古代ギリシャが、中華における春秋後期から戦国時代である。

両者ともに、自然現象の原因を「神」に求めず、自然自体によって説明しようとした。古代ギリシャの哲学者達は、万物の根源を水や数とし、それらが結合分離する事で自然現象が起こるとした。

超自然を予想しない合理主義が科学の第一歩である。

相違点は原子論の有無であり、原子の集積によって物質が形成されるとする原子説は中華では生まれなかった。欧州においては元素を確実に限定しようとしたが、中華では陰陽として漠然と把握される事になる。

政治を通して社会を救済する儒教の思想に対し、道家は自然の秩序を示して儒教を補完する。自然の法則を認め、自然を観察する事で法則を汲み取ろうとする。

しかし、道家における法則 = 道は理論化されず、一つの物から他の物が生まれるのは「自ら然る」のであり、系統立った説明は必要とされなかった。

そうした理論の欠如は数学における欧州との比較によって明らかになる。

欧州において盛んだった幾何学では、図形の間に存在する普遍的な性質、定理の証明、点や線等についての定義が重視され、それらの基礎の上に論理的な証明が行われ、全体が一つの体系を持つ。

⇒整理と体系化が本質

対して、中華における数学は算術と代数的算法を特徴としており、個別的な問題の計算が最終目的である。

ギリシャの天文学は宇宙の幾何学的モデルによって説明され、天動説等が完成されたが、それは現象の根底にある法則を明らかにする科学的態度によって可能になる。

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