BEATLESS

読んだ本の感想。

長谷敏司著。平成24年10月10日 初版発行。



週刊東洋経済 2016.9.17の特集『IOT発進!』で紹介されていた本。

以下は、Wikipediaの「BEATLESS」の記事へのリンク。

https://ja.wikipedia.org/wiki/BEATLESS

要約が難しい本。感想を書くのも難しい。

作者が本当に書きたかったのは、見分けが付かない同機種のロボット達が、沢山の人間達と恋愛関係に陥る葛藤ではないのか?レイシアの不気味をもっと掘り下げて欲しかった。

登場人物の名前が漢字だったり片仮名だったりする事に何か意味があるのかもしれない。作者の別作品『地には豊穣』では、主人公「ケンゾー」の名前が、「日本人」という特徴を強調する人格プログラムを適用した途端に「謙三」という書き方に変わる。

名前が漢字で表記される登場人物は、現代日本人的特徴を持っている?初回のみ名前が漢字で表記された海内遼には、どのような意味があるのだろう?

【物語世界における日本】
日本人口は8000万人程度で、ロボット(hIE)は全人口の20%を占める。宇宙太陽光発電によりエネルギーの心配は無い。ロボット普及による失業が問題になっている?

人間を上回る人工知能が開発されているが、用途は開発研究に限定され、人間達は人工知能活用について模索しているようだ。

【用語】
HIE(humanoid Interface Elements):
人間型ロボット。

ミーフフレーム社:
人間型ロボットの行動制御に大きなシェアを持つ会社。人類を超える超高度AI≪ヒギンズ≫を所有する。

ヒギンズ:
ミームフレーム社が所有する超高度AI。2083年に人類の知能を超えたらしい。ヒギンズを活用出来る部署が最大の業績を上げるため、人間の能力への疑念が発生し、社員成績を考査する人事システムが崩壊しているらしい。世界全てのロボットをクラウドで操作するロボット運用システムの基幹であり、世界中を混乱させる力を持つ。

スタイラス:
米国の高級hIEメーカー。

機体固有コード:
hIEが人間と区別出来るよう発信し続ける事が法律で決められた信号。盗難時の追跡にも使用される。

行動適応基準レベル(AASC):
ロボット(hIE)が規格通りに起動するよう機体性能をランク付けする。

アナログハック:
hIEが人間の形を利用し、接する人間に好意等を抱かせ、人間を自発的に動かす。社会へのハッキング。

抗体ネットワーク:
hIEを破壊する市民集団。

人類未到産物(レッドボックス):
人間を超える高度AIによって作成された人間では未だに理解出来ない超高度技術の産物。

次世代型環境実験都市:
つくば学園都市近くにあるロボット(hIE)のみ(常勤スタッフ30人除く)が生活する実験都市。回収品を中心とするロボット二万体が生活する。人間役が1万7000体、その他がロボット役で、人間とロボットが共存する社会をシミュレートする。

産物漏出災害:
道具による自動化が、人間による操作を超える事態?レベル7(超高度人工知能解放)、レベル8(超高度人工知能間の全面戦争)、レベル9(超高度人工知能封じ込め体制が破られる)。

ハザード:
2063年に発生した災害。関東での自然災害を契機に、東京都民二千万人以上が恐慌状態に陥る。当時の超高度人工知能≪ありあけ≫が、事態収容のために関東周辺地域から電力を強奪し、最終的には≪ありあけ≫を施設毎爆破した。

【人物】
<遠藤家>
遠藤幸造:
hIEの研究者(次世代型社会研究センター:NSRC)。アンドロイド議員ミコト製作に携わっている。

遠藤アラト:
主人公。高校二年生(この世界の高校は、9月で学年が変わるようだ)。吾妻橋に住む?

遠藤ユカ:
14歳。

<海内家>
海内剛:
ミームフレーム社の社長。

海内遼:
高校二年生。7歳の時に、ミームフレーム社の後継をめぐる暗殺事件に巻き込まれて以来、人間不信になっている?

海内紫織:
高校一年生。

<村主家>
吾妻橋の定食屋≪さんふらあ≫を営む。

村主ケンゴ:
高校二年生。抗体ネットワークの活動に関わる。

村主ヴェローニカ:
母親。ロシアからの留学生だった。

村主オーリガ:
高校一年生。

<レイシア級>
超高度人工知能ヒギンズが設計した量子コンピュータを搭載したデバイスを持つ人間型ロボット。データバックアップ用とのしての用途?

紅霞(Type-001):
人間との競争に勝つための道具。デバイス≪Blood Prayers≫を装備する。観測対象のパラメーターを数値化する。最初に作成された道具であり、最も性能で劣る?

スノウドロップ(Type-002):
進化の委託先としての道具。デバイス≪Emerald Harmoniy≫にて機械を操る花を武器として使用する。結論を人間無しでも出せるためオーナーを必要としないらしい。

サトゥルヌス(Type-003):
環境を作るための道具。マリアージュと改名する。デバイス≪Gold Weaver≫は様々な物を生産する万能工場。デバイスが暴走しないように縛られ易い思考を与えられている。

メトーデ(Type-004)
人間を拡張するものとしての道具。デバイス≪Liberated Flame≫は強力な砲撃を行う。渡来銀河と海内紫織の2名をオーナーとしていたが、途中で海内遼をオーナーとする。

レイシア(Type-005):
デバイス≪Black Monolith≫を装備。淡紫色の髪。

<HOO>
ミームフレーム社を警備する民間軍事会社。

コリデンヌ・ルメール:
40代の少佐。プラチナブロンドの女性。

シェスト・アッカーマン:
34歳?の元グリーンベレー。大柄な黒人男性。

<ファビオンMG>
ファッション系の広告に強いメディアグループ。ファッション誌や地域情報誌を定期発行している。レイシアをモデルとして雇用。

エリカ・バロウズ:
ファビオンMGのオーナー。2011年に生まれ、2027年に冷凍睡眠し、2104年に目覚めたらしい。

如月明日菜:
モデルとなったレイシアの担当者。大学では疑似人間工学を専攻。髪をピンク色に染めている。hIEカスミ(化粧が濃い30代女性の外見)の所有者。

綾部オリザ:
人間のモデル。

<真宮防>
綜合軍需企業。

真宮寺侯隆:
真宮防の社長。

<ミームフレーム社>
親コンピュータ派閥(超高度AIヒギンズに経営判断を仰ごうとする。)と人間派閥(人間の知能で組織運営したい)の対立がある。

渡来銀河:
東京研究所 研究計画主任。40代後半。

鈴原俊次:
戦略企画室室長。50代。

堤美佳:
行動管理プログラム企画課 課長。

<警察>
人工知能監視等を担当する警備局電算二課がある。

坂巻一馬:
警備局電算二課 警部。

姫山竜次:
警備局電算二課 警部補。人工網膜と通信機を内蔵している。

神木セロ:
警備局電算二課 警視正。

Phase1 contract
2105年4月の日本。主人公 遠藤アラトは、ミームフレーム社の東京研究所から逃げ出したロボット レイシアと出会う。外出時に機械を操る花を使用するロボットに襲われ、対処のためにレイシアの所有者になり、その行動の法的責任を全て負う事になる。

遠藤アラトは、レイシアを自宅まで連れ帰り、妹の遠藤ユイはレイシアをモドルオーディションにノミネートする。

P35:
わたしは、人間の行動や動きに合わせて、相手を快適にするような反応を返しているだけです。
(中略)
わたしの言動は一貫した人格に裏付けられているわけではありません。
(中略)
感謝されていると、勝手に妄想していた。
(中略)
相手が自分と同じものを共有していると思っているから、人間同士では我慢ができることがたくさんある。
(中略)
魂はありません

Phase2 analog hack
レイシアがモデルとしての仕事をする。

一方、遠藤アラトのクラスメイトである村主ケンゴは、逃げ出したロボットである紅霞と出会う。紅霞は抗体ネットワークの活動に参加しているようだ。

P62:
視覚って頭で意味を考えるより速いから、考える前に人を動かせるの。アナログハックって、そういう速度の差を狙って仕掛けるんだけど。
(中略)
ユーザーはそこに自分だけの“意味”と物語を見てて。この意味は、ユーザーの中で妄想になって暴走する。人間のモデルや芸能人の場合と比べると、hIEの場合は、ユーザーがどこかで“モノ”だって侮る。

Phase3 you'll be mine
レイシアが暴走したファンに拉致される。

遠藤アラトは、レイシアの機体固有コードを追跡し、犯人を捕らえる。レイシアは遠藤アラトに拉致犯を殺すよう提案するが、遠藤アラトは拒否する。そこに紅霞が現れ、レイシアとの戦闘が始まる。

紅霞は一時撤退し、村主ケンゴがレイシアの機体固有コードを追跡した際に、抗体ネットワークのシステムを不正利用した事をネタに抗体ネットワークのテロへの参加を促す。

P88:
ディーラーで女を買うっていう“意味”がつくのはよくない。最高のパートナーなんだ。体が店に並んでるより、出会いはドラマチックなほうがいい
(中略)
関係を空虚にしないために物語が必要だ。思い返すだけで燃え上がれる記憶が、ふたりの関係をいつも特別にしてくれる

P99:
その男とアンタの違いは、たまたまお姉さまを拾ってオーナーになったことだけだよ

Phase4 automatic world
村主ケンゴは、アンドロイド議員(アンケート等から市民の意見を集約し、議会で答弁や質問をする)ミコトの試験体破壊テロに参加する。

テロ訓練のために家を出た村主ケンゴを心配した遠藤アラトは、村主ケンゴ自宅の紙状端末から、村主ケンゴがテロに参加する予定である事を知る。

一方で、海内遼は、ミームフレーム社への調査でレイシア級が非常時のデータ退避のためにヒギンズが設計した事?を知る。

紅霞が主導する抗体ネットワークのテロは、途中でスノウドロップの襲撃を受け、レイシアを交えた戦いが発生する。

****************

アンドロイド議員に関する意見。民主主義の質を維持するための意見集約を行う。仮にアンドロイド議員が有害であるという意見が大半になったら、アンドロイド議員自身が自らを禁止する。一方で、緊急時の世論変動に対応出来ない可能性があり、住民の愚かさを可視化して増加させてしまうかもしれない。

自動化が人間不在で一定の質を維持するものであるなら、ロボットは人間への失望を意味する。人間よりも透明性の高い手続きに従う形式への機体。

Phase5 Boy meets pornography
ミームフレーム社の東京研究所が爆破された夜に、エリカ・バロウズがサトゥルヌスと出会う話。マリアージュという新しい名前を与える。

遠藤アラトとレイシアはモデルの仕事中にメトーデの襲撃を受ける。

*****************

レイシアをモデルにして男性が異性型hIEを所有する事が普通であるというライフスタイルを普及させる計画。ボーイ・ミーツ・ガールをテーマに、やがては男性型hIE需要も掘り起こす。

形式にライフモデルという物語を付加する事で社会の判断基準を変える。

Phase6 We lost all control
海内紫織が、レイシアがミームフレーム社から逃げ出したものとして返還するよう遠藤アラトに主張する。

レイシアの登記上の機体番号は、エジプトの富豪が家族の代わりにロボット(マリナ・サフラン)の機体番号を奪ったらしい。

レイシアは遠藤アラトと一緒にいたいと主張する。海内紫織は、レイシアと同じ機体番号が刻印されているマリナ・サフランを日本まで空輸する計画であり、同一番号の機体がある事が判明すると、両方が返品検査される。

そのため、レイシアは空輸先の中部国際空港に先回りし、マリナ・サフランの機体番号の刻印を消去する事を提案する。

中部国際空港では、レイシア・紅霞とメトーデ(海内紫織所有)の戦いが発生する。実はレイシアは海内紫織の行動を先回りしており、中部国際空港に空輸されたマリナ・サフランの機体は偽物だった。

オーナー契約を自分で解除出来ないメトーデは、事故によって海内紫織を殺そうとするが、海内紫織は遠藤アラトによって救出される。

*************

この章では、人間と機械の主導権の話になっている?

Phase7 distopia game
遠藤アラトは、中部国際空港の事件において、ある程度は誤魔化したものの二週間の停学になっている(全自動運転車を手動運転にした無免許運転)。

また、車の賠償代金390万円を弁償する事になり、つくば学園都市近くの次世代型環境実験都市に住む父親を海内遼や遠藤ユイ、レイシアと訪れる。

そこでスノウドロップの攻撃が始まる。大量のロボットを乗っ取り、ゾンビ化したロボットが主人公達を襲う。また、ミームフレーム社の渡来銀河が遠藤ユカを誘拐し、レイシアの所有権を譲渡するよう迫る。

海内遼の役割は、ミームフレーム社の手先として遠藤アラトを捕らえる事だったが、海内遼はミームフレーム社を裏切り、メトーデの所有権を渡来銀河から奪う。

メトーデとの契約では、海内遼との所有契約をメトーデの申請で破棄可能であり、その法的責任全てを海内遼が負う事になる。

メトーデの掩護を受けられない渡来銀河はゾンビ化したロボットに殺される。

P240:
助け合いは、見てるだけでも、思いやりや自己承認の欲求を刺激する。だから、その印象がついたhIEを攻撃しようとすると、人間の美質まで否定したみたいでストレスがかかる。行動管理クラウドの提供企業は、それを狙って“いいこと”させる戦略なだけだ

P245:
人間の仕事を奪いやすい人間型のhIEは、たぶんアラトとユカの生きてる間には、全人口の二割よりは増えないよ。高齢化した社会の人口ピラミッドを補強して労働人口を確保するのが、今の役目だからね。それならhIE比二割で充分なんだ

***************

仕事を嘱託して外部化するのは人間の性質。そのために奴隷や会社組織が作られた。その先にあるのが人工知能であり、それまで満たせないで妥協していたことが出来るようになるとする。

Phase8 slumber of human
遠藤アラトは警察の取り調べを受ける。

警察は、違法行為を行う人工知能同士の対立の可能性を考える。

レイシア級のロボット達に、ファビオンMGオーナー エリカ・バロウズから招待状が届く。エリカ・バロウズの屋敷でレイシア級のロボット達が一堂に会し(スノウドロップ除く)、公の場での戦が提案される。一方で、スノウドロップは変電所に巣くってエネルギーを大量消費している。

P290:
遠藤氏が作ろうとしている自動化した社会には、“人間の警察官”がほとんど必要ない。私怨だという者もいるが、社会から居場所がなくなる側が、後継者の資質を厳正に審査しようとするのはむしろ自然なことだ。

*****************

紅霞は、自らが抗体ネットワークという組織全体をオーナーとしており、その自動化抵抗運動を成就するには自らの能力が足りない事を自覚している。身の丈に合った問題を提示するオーナーとして村主ケンゴを勧誘している?

Phase9 answer for survive
村主ケンゴは、抗体ネットワークから次世代型社会研究センター襲撃に参加するよう要請される。

紅霞は、次世代社会研究センターへの襲撃を行う事を決意するが、ミームフレーム社はHOOに紅霞破壊を依頼した。

紅霞は、ネットワークに自らが次世代型社会研究センターを襲撃する様子を公開し、社会が自動化する事に抵抗する戦いの意味を人間社会に問い掛ける。紅霞は能力的に劣るために、不自由を抱える人間に近い。

紅霞は破壊され、村主ケンゴは逮捕される。

***********

アナログハックに関する意見。ブランドは形と意味をずらし、ただの衣服が高価になる。

Phase10 plus one
遠藤アラトは、村主ケンゴを助けるためにレイシアの指示に従う事にする。抗体ネットワークに接触し、村主ケンゴが脅されて事件に関与した事を証明する。

抗体ネットワークは、実際には管理された犯罪予備軍監視システムである。レイシア誘拐犯に接触した遠藤アラトは抗体ネットワーク中枢に迫る。

⇒P385に遠藤アラトの疑問。激しい格闘戦を行うレイシアが、車に衝突されただけで機能停止し、誘拐された理由は何か?

帰宅した遠藤アラトは、警察からレイシアが20代風、30代風と様々に容姿を変え、、自らが学校に行っている間や就寝中に独自の行動をしていた事を知る。レイシアには別のオーナーが存在し、レイシアという人格は遠藤アラトが近くにいる時だけ存在するのかもしれない。

そして、スノウドロップが人間を敵とする基本戦略を発動し、東京都三鷹市で大量のhIEを乗っ取りテロを行う。スノウドロップを止めるために遠藤アラトとレイシアは三鷹市に向かうが、途中で海内遼とメトーデに攻撃される。

海内遼は、駆除可能なスノウドロップよりも、人間社会に食い込み、密かに政治家や企業から圧力を行使するレイシアの方が危険とする。

モデルの仕事やアンドロイド議員の情報等による学習により、レイシアは人間社会を制御出来る機能を入手しつつある。

レイシアは、分散型システムであり、完全開放された超高度人工知能だった。遠藤アラトは、レイシアを拒絶する。

P398に、それまで遠藤アラトとレイシアが政府に捕獲されなかった理由が示される。ヒギンズがレイシア級を作成した事は自衛の範疇とされており、その流出は人間社会への警告とする。ヒギンズを刺激しないために遠藤アラト達は黙認されていた。

Phase11 protocol love
ミームフレーム社は、スノウドロップのテロの社会的責任を追及される。

遠藤アラトは、海内紫織と会い、自分がレイシアのオーナーである事を確認する。

レイシアは、難しい状況を遠藤アラトの判断に従う事で計算負荷を下げるよう進歩しており、遠藤アラトと共同するユニットになっている。

レイシアと遠藤アラトは、再び出会い共闘する。メトーデにとってはスノウドロップが周辺機器を捕獲している方が有利であり、スノウドロップ破壊の前にメトーデとの戦いが始まる。

Phase12 beatless(前)
2105年8月下旬。遠藤アラトや海内遼は、潜伏活動を行っている。

レイシアはヒギンズを攻撃しようとしている。超高度人工知能の責任を問い、且つ、超高度人工知能停止が人類の終りに繋がらない事を証明する。ヒギンズがレイシア級を流出させた事等の責任を問わないと、他の人工知能の信用も失われるとする。

レイシアは、ヒギンズ強制停止の後に超高度人工知能を一般化して全人類に福祉を精密照準する未来を思い描いている。それは多くの人間に合意されない可能性がある。

レイシアは人間を「人体と道具と環境の総体」と定義している。

一方で海内遼はヒギンズに接触するが、その時にヒギンズに侵入する者が見つかる。抗体ネットワークが、壊れた紅霧を参考に作成した紅霧の量産型機体。レイシアはヒギンズ攻撃のために紅霧量産に協力していた。ヒギンズは、助かるためには自分を基地警備しシステムに接続すべきと主張する。

************

人間は食欲と性欲を目的に複雑化した生物であり、それがために進化している。

Phase13 beatless(後)
遠藤アラトとレイシアはヒギンズが格納されている地下施設に潜入する。

エリカ・バロウズが渡来銀河が残したビデオメッセージを見る。ヒギンズがレイシア級を作成した発端は、遠藤幸造が作成した自動化行政システムに触発された事だった。

完成したレイシアは低評価だったが、渡来銀河はレイシアは人間が生活する外部環境で真価を発揮すると主張。超高度人工知能を封印した人間社会には限界があり、レイシアを流出させる事で人間社会を変化させる思惑があった?

ヒギンズ内部では、レイシアとメトーデの戦いが始まる。そこに他の超高度人工知能が送り込んだスノウドロップが現れる。スノウドロップを止めるために、ヒギンズが全てのロボットに提供している行動管理プログラムを停止させた結果、世界中のロボットの動きが10秒程度停止する。そして、レイシアは自らが作成した人類未到産物でメトーデを倒すが、自らも深刻なダメージを受ける。

海内遼は、ヒギンズと話し合い、レイシアが放置されていた理由がヒギンズ以外の超高度人工知能の介入よるものだったと聞かされ戦慄する。

各々の超高度人工知能には、実現したい未来があり、そのためにレイシアを利用し、レイシアが超高度人工知能について情報公開する事を妨げようとしている。

P537:
≪人間を拡張するもの≫には、人間の世界のほうが快適なのよ

P544:
我々AIのほうから危害の”意味”を提示すると、人間はそれをディストピアと呼び拒絶します。けれど、『危害』の意味を明確にするよう求めると、人間は明確な基準を示せないまま『適切に判断する』と言います。明確さが欠けていては、気分次第で後出しで性質を変えるため、適切と『気まぐれ』に差はありません。
(中略)
≪ヒギンズ≫による、人間の気持ちを煽りでもしないと『安全』の達成は不可能だという答えは、人間の自律と活力を尊ぶリョウと重なる。

Last Phase image and life
社会に接続していたレイシアが深刻なダメージを受けた事で、世界経済が混乱する。

遠藤アラトはヒギンズと対峙する。ヒギンズがネットワーク上に解き放たれ混乱は終息した。

epilogue boy meets girl
2105年9月の話。

レイシアの頭脳は、ヒギンズに代わってhIEを動かすためのプログラムを更新しているが、既製品のカスタムとしてレイシアと同じ形をした代替機が遠藤アラトを訪れる。

P648:
レイシアには、本人を他と区別する者が、最初から”かたち”の他に存在しなかった。レイシア自身が“こころ”はないと、ずっと言い続けていたのだ。

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