三月、七日。

読んだ本の感想。

森橋ビンゴ著。2004年6月3日、2004年12月31日 初版発行。





以下は、Wikipediaの「森橋ビンゴ」の記事へのリンク。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E6%A9%8B%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%B4

インターネット上の掲示板で偶に、この人の事が話題になる。古本屋や図書館でも僅かに「森橋ビンゴ」の本が動いている。何故なのかと思っていたら、2016年11月に新刊が出るらしく、それが少しだけ話題になっているらしい。

「三月七日。」は近親愛ものの作品で、以降の作品の原型になっているように感じる。「女性」を記述する試み。

【登場人物】
渋谷三月:
高校一年生~高校二年生。生徒会長。渋谷弥生の息子。

宮島七日:
高校一年生~高校二年生。広島出身。普通科の生徒。宮島兼五(6年前に死亡)の娘。

藤井真希:
高校一年生。進学科の生徒。四人姉妹の末っ子。

赤坂瑛児:
高校二年生。生徒会副会長。剣道部。義理の母親に懸想しているらしい。

***********************

ストーリーはほとんど無い。買わなくて良かった。物語のテーマは、以下の言葉だと思う。

P109:
あんた達は兄妹で、もう二度とそんな関係になれない二人だもの。二度と手に入らないものに限って、いつまでも求めちゃうもんだからさ

P187:
ずっと最高だと思ってた物が、いざ久しぶりに体験してみると大した事なかったりさ

禁忌には幻想がつきもので、現実に体感出来ないからこそ美化するらしい。だから現実に体感し、美化出来なくすれば執着も無くなる。

本作品以降の著者のテーマは、「女性」を具体的に描く事だと思う。「東雲侑子は短編小説をあいしている」だと、ヒロインの内面を彼女の小説から類推するようになっていて、「この恋と、その未来。」だと性同一性障害の女性(男性の心を持つ女性)というテーマがある。

人物設定として、広島、四人兄弟の下、近親愛だとかが継続して出てくるので、著者の実体験を作品内で昇華したいのかもしれない。

********************

「この恋と、その未来。 ― 二年目 秋冬」に、高校生と婚約した30歳の僧侶を、美人局で騙して写真撮影し、婚約を破談させるエピソードがある。

騙されてしまうロリコン僧侶 鷹宮さんが、著者のこれまでの作品の中で一番生き生きしているキャラクターだと思う。

主人公が女装してロリコン僧侶を騙して、嘘告白をし、その様子を撮影する流れには無理があるが、物語全体の流れをメタの視点から見ると、主人公も鷹宮氏も大きくは変わっていない。

鷹宮氏のように、自らの趣味嗜好を開示出来てしまう人間は少ないので、誰もが社会に負い目を抱きながら生きているのかもしれない。

2016年11月に出版されるという著者の作品が、どのような解決策を探るのか楽しみではある。

人気ブログランキングへ
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ABCDEFG

Author:ABCDEFG
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード