渡邉哲也のポジジョントーク未来予測法

読んだ本の感想。

渡邉哲也著。第一刷 2013年7月31日。



以下は、「渡邉哲也」のWebサイトへのリンク

http://www.watanabetetsuya.info/

ポジジョントーク:
自分を有利にするための発言。自分に不利な事は言わない事を含む。

<ポジジョントークの背景>

以下は、ポジジョントークが注目される背景。

①世界的な構造変化
1980年代までの世界には冷戦構造があり、共産主義と自由主義という二つの対立軸が存在した。

自由主義陣営が勝利した事で共産主義という敵が失われ、正義を主張するための新たな敵が必要とされる事になる。優れた統治であっても不満者は一定数は現れるため、不満の捌け口となる敵を設定しなくてならない。

冷戦下では自明の前提とされた対立構造が、ポジジョントークによって作り上げられたものである事が顕在化する。そして、同様の構造が身近な生活にもある事が照らし出された。

②日本社会の変質(一神教化)
神 = 絶対的な正義を認めている文化においては、対極的、二極的な思考回路が形成され易く、対立が顕在化し易い。すなわちポジジョントークが見え易い。

一方で多神教文化においては他者の否定が社会的に正当化され難く、対立化顕在化し難い。

日本では、対立する立場のいずれかを正義として語る「議論」は敬遠されており、事前協議や間に人を入れる「根回し」が重視された。派閥のような中間組織が必要とされ、個が強くなると意思決定が困難になる。

自民党の「料亭政治」が特に有効に機能したのは、票割り等の調整が必要な中選挙区制度(一つの選挙区に複数の同党候補が立候補する)であり、小選挙区制度(一つの選挙区に一人の候補者しか公認されない)では公認権を持つ幹事長の権限が強化された。

→政治において、立場を明確にする対立軸の考えが反映されるようになる

また、グローバル化によって欧米の一神教的な対立軸の思考法がビジネス等に入り込んだ。

<ポジジョントークから分かる事>

ポジジョントークが想定する基本的人間像は、徹底的に利己的であり、自己利益を最大化しようとする。同様に、他者も同じように利己的に行動すると想定して戦略を立てる。

基本的な視点は、「その発言によって、誰がどのように利益を得るか」である。

全ての人間の発言がポジジョントークなのだから、極論には極論をぶつけ、全体としての意見が平準化される視点を持つ必要がある。

ポジジョントークにおいては、自己利益を隠蔽するために不可視の恐怖や不安を煽る言説を使用する事があり、また、反論が難しい普遍的正義や純粋な善意を装うとする。

注目を集めるための過激な意見には注意が必要で、そうした意見の動機は注目される事による自尊心高揚だ。うるさく騒ぐ人間は、都合の悪い位置に置かれている事を示している。不利な立場にいるからこそ騒いで目立たないと立ち位置が無くなってしまう。

当たり前の事を主張しても面白くないため、過激に書く事で支持者を得る。そこで飽きられないように、より過激な発言をする。過激な言説についていけない支持者がいなくなる事で、過激な言説を好む支持者への依存度が高まり、さらなる過激化が要請されるようになる。そして、支持者が一定以下まで減るとビジネスモデルは崩壊する。

メディアや原論では、上記の流れが繰り返されている。

<ポジジョントークを見分ける基準>

以下を信義則として、ポジジョントークを判断する法理とする。

①禁半言の原則(エストッペルの原則)
自分のそれまでの行為に矛盾した態度を取る事は許されない

②クリーンハンズの原則
法を尊重する者だけが、法を救済を受けられる

③事情変更の原則
契約時点での事情に大きな変化があれば、契約内容は変更されなくてはならない

④権利失効の原則
権利者が信義に反するほど長期間、権利を行使しなかった場合、権利の行使が許されなくなる

⇒社会生活において、他者の信用を裏切らないための原則とする

信義則に反するポジジョントークは訴訟になった場合、否定されるとする。

信義則に適ったポジジョントークを使用し続ける事は信用を積み重ねる事に繋がる。

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