マッテオ・リッチ記憶の宮殿

読んだ本の感想。

J・D・スペンス著。1995年1月10日 初版第1刷発行。



上手く纏まらない。16世紀の欧州と中華の対比を想像する本だと思う。明朝にてキリスト教の布教活動を行ったマテオリッチについて、彼の記憶術を軸に記述。

以下は、Wikipediaの「マテオ・リッチ」の記事へのリンク。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%86%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%81

利瑪竇:
利(利益や収穫)、瑪(馬に乗った王)、竇(初歩的中国語読本『三字経』から五胡十六国時代の文人 竇禹鈞を指す。中国における倫理的で誠実な人物の典型例)

第一章 宮殿の建設
マテオ・リッチは記憶対象と建築物を結び付る記憶術を使用した。

記憶したい対象にイメージを付与し、記憶の宮殿として観念の保管所とする。場所に位置付けられたイメージの組み合わせにより、必要とする情報を素早く取り出す事が出来る。

マテオ・リッチの著した『記法』によると、彼は四つのイメージを一つの広間の四隅に割り当てたらしい。また、彼は四枚の宗教画を残している(程氏墨苑)。宗教画を一定の順序で配列しておけば、記憶の宮殿の情報貯蔵・検索機構を強化出来る?

中華におけるキリスト教布教活動を、①錬金術、②数学、③記憶術の3点における優位性を活かして行う?

第二章 第一のイメージ 二人の戦士
『武』のイメージ。

マテオ・リッチが幼年時代を過ごしたマチェラータの町は、周囲で戦争が起こり、暴力事件が頻発していたらしい。彼の著書『幾何原本』(ユークリッドの『幾何学原論』の中国語訳)においては、戦争を科学的な作戦とし、軍事色感は数学に長じるべきとした。

P73~P74にイエズス会士の日本での布教活動の蹉跌が記述されている。「南無阿弥陀仏」と唱えれば救われると信じる日本人の信仰態度は偽善的で不誠実と考え、中国での布教活動を強化した?

第三章 第一の絵 波間の使徒
ガリラヤの海でもがく使徒ペトロの絵。ペトロは舟を離れた水中で、岸辺のキリストを見上げる。『マタイによる福音書』一四章の一部。

マテオ・リッチの欧州から中華への航海を記述し、当時の航海状況を記している。外洋航海を積極的に行った欧州人と、内陸水路を充実させた中華民族との対比。

第四章 第二のイメージ 回回
『要』のイメージ。

要のイメージを「西夏回回女」と説明。西夏のイスラム教徒の女。

1584年に、マテオ・リッチは各国名を漢字で表記した世界地図を作製したらしい。当時のイエズス会士は海外での布教活動のため、神学、古典文学、数学、自然科学に関する教育課程に加え、論争についても方法論に則った訓練が施されたらしい。地図は教育の成果とも言える。

マテオ・リッチは中華において当初は仏僧の法衣に身に付けて聖職者であるとアピールしたが、仏僧の社会的地位が低いと見做すと、1595年から儒者が着用する服を着るようになる。

儒教・仏教・道教にキリスト教の三位一体に似たものを見い出したらしい。儒教が来世の問題に不干渉だからこそ、仏教や道教との両立が可能。

第五章 第二の絵 エマオへの道
復活後のキリストがエマオへの道で二人の弟子に出会った場面。『ルカによる福音書』二四章一三節。

21歳にしてイエズス会のローマ学院に入会したマテオ・リッチは初級(ラテン語文法、ギリシア語、修辞学、詩学、歴史学)の集中的訓練を受け、その後に中級(論理学、物理学、形而上学、道徳哲学、数学)を学び、さらに上級(法学、医学、神学)の訓練を受けたとする。

鮮明なイメージと位置付けを利用した記憶術が大いに活用されたはずとする。それは中国語学習にも活用され、「漢字」が言語が異なっていてもイメージとして意味を伝える事に感銘を受けたらしい。

科学技術により中華を啓蒙すると同時に、友情を分析した『交友論』を著して中華にアピールしている。

P2351:エピクテトスの引用
子供が死んだ?いや違う、子供を返したのだ。妻が死んだ?そうではない、妻を返したのだ
(中略)
子供や妻が永遠に生きるようにと願うならば、それは愚か者である。なぜなら、自分が支配できもしない物を自分の支配下におきたい、自分の物でもない物を自分の物にしたいと願っているからだ

第六章 第三のイメージ 利益と収穫
『利』のイメージ。

穀物を刈る農夫。マテオ・リッチの中国名「利瑪竇」の第一字。

利を追及する欧州商人達の状況に、イエズス会士達の布教活動は影響を受けた。ラテンアメリカのような広大な土地も、インドのような課税基盤も無い中国にて、商取引への投資が重要になる。聖職者が商取引を行う事には葛藤が伴なったらしい。

マテオ・リッチの資金調達は、時計等の珍しい品を提供する事による賄われた?

第七章 第三の絵 ソドムの男たち
ソドムの滅びの絵。ロトの家に身を隠した天使を嬲り者にしようとした男達が目潰しを食らった場面。

ソドムの悲劇は地上全体の運命の寓意である。権力には弱味が付きまとい、道徳に基づく球団と因襲的規範に対する大衆の侮蔑には共通点がある。

マテオ・リッチは儒教信仰とキリスト教に親和性を感じた?そして万暦帝の死を壮麗にしたい欲求を利用し、宗教画を献呈したらしい。

東洋的な男色とキリスト教的禁欲の対比が記述されている?

第八章 第四のイメージ 第四の絵
『好』のイメージ。

子供を抱いた下女(女と子の組み合わせ)。幼子キリストを抱いた聖母マリア。

マテオ・リッチは14人兄弟の長男として生まれ、遠い異国にて家族と疎遠になってしまったらしい。1592年には亡くなった祖母ラリアのために三回のミサをあげている。

中国における天主聖母会においては、儒教道徳の影響から立派な葬式を重視した。盛大な葬式を見せる事で、立派な孝養をアピール出来る。

中国における聖母マリアは観音菩薩と混同され?マテオ・リッチは祭壇の聖母子の絵を成人したキリストの絵に替えた。しかし、十字架像を不吉とする中国人にアピールするには聖母像が有効だった。

マテオ・リッチは神が人間に奉仕させるために動植物を地上に遣わしたとして、輪廻転生を否定した。輪廻転生では結婚相手が自分の祖先かもしれず、家庭内の秩序が崩壊するし、前世の記憶が残っていない事も奇妙とする。

さらに儒教による叡智は生の苦しみを強調し厭世観を呼び起こすため、永遠の歓喜に満ちた来世を想定するキリスト教によって補完すべきとした?

第九章 宮殿のなかで
記憶の宮殿を歩くマテオ・リッチについて。

リッチは扉を閉めた。

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