0ベース思考

読んだ本の感想。

スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー著。
2015年2月13日 第1刷発行。



第1章 何でもゼロベースで考える
著者が、自らの著書『ヤバい経済学』等で追及したかったのは、現代生活はインセンティブによって成立している事であり、情報を正しく測定すれば、世界は単純になるという事?

直感や主義を除外し、情報に基づいて、どのようなインセンティブが有効であるかを理解するべき。

第2章 世界でいちばん言いづらい言葉
「知らない」という言葉は言い難い。

人間が知っている事は、政治的見解や宗教観に色濃く影響される。

著者は、ある企業に対して広告効果測定の実験を提唱した。主要市場40をランダムに分け、一方には毎週チラシを入れて、もう一方では広告を完全にやめる。三か月後に2グループの売り上げを比較すれば広告効果を測定出来る。

しかし、著者の意見は却下された。その理由の一つは習慣であり、二つ目は実験のノウハウ不足であり、三つ目は「知らない」と認める勇気が無いためとする。

そのため、実施調査によって偶然にランダム調査が行える機会を探すべきなのか?

第3章 あなたが解決したい問題は何?
問題を正しく捉えるべき。

日本人の大食い選手 小林尊の話。

彼は、ホットドッグ大食い大会における問題設定を「ホットドッグを多く食べる方法」から「ホットドッグを食べ易くする方法」にシフトさせた。

彼は過去の大食い大会を研究し、多くの選手が序盤で食べ過ぎて体力を使い果たす事を発見し、各ラウンドを勝ち抜く最小限だけを食べる事ととし、ソロモン・メソッドと言われる以下の戦略を編み出した。

①手を使う
ホットドッグを食べる前にソーセージとパンを半分に割り、口で噛む作業の一部を手に任せる。

②ソーセージとパンを別に食べる
ソーセージは食べやすいが、パンは沢山噛まなくてはならない。そこで、最初にソーセージを纏めて食し、それから水に浸したパンを食べる。

小林はそれまでのホットドッグ12分間での早食い記録25本1/8本を上回る50本の記録を出した。

第4章 真実はいつもルーツにある
根本原因は直接的でないか、受け入れ難い事がある。

カトリック信者よりもプロテスタント信者の方が所得水準が高い傾向がある等、現代人の行動は歴史的な根本原因によって左右されている事がある。

ハーバード大学 ローランド・フライヤーは白人が黒人よりも平均7年長生きである理由を調べ、その原因を奴隷貿易にまで遡った。黒人の方が心臓病の罹患率が高い。奴隷貿易における長い航海で脱水によって死亡する人間が多く、塩分感受性が高い人間が生き残る可能性が高かったとする。塩分を長く体内に留める人間は水分を沢山保持出来る。

塩分感受性が高いと高血圧や心血管の病気になる可能性が高くなり、米国の黒人が高血圧になる可能性は米国の白人より50%高いとする。

**************

胃潰瘍の原因となるヘリコバクター・ピロリ菌が発見されなかった時代は、胃潰瘍には対処療法しか存在しなかった。人間の腸内に住む微生物が根本原因かもしれない病気は数多く、糞便移植による健康な腸細菌移植が医療に革命を起こすかもしれない。

第5章 子どものように考える
小さく考える事の優位性。

小さい問いは調べる人間が少ない事が多く、単純であり、変化を促す事が簡単で、確かな証拠を入手し易い。

ポール・グレビー等の3人の経済学者が、中国甘粛省で眼鏡が必要な児童2500人の内、59人しか眼鏡をかけていない事に気付き、その半数に眼鏡を無償で提供したところ、一年後には視力を矯正した生徒は、矯正しなかった生徒に比べて学力が25%~50%向上した。

⇒小さな解決策が有効機能した例

人間を魂のような不可視の存在によって動かされる幽体と考えると、人間はとてつもなく複雑になる。しかし、人間を物理学等の基本原理に則て動く機械に近い存在として考えると分析が出来る事になる。

**************

長年の訓練により当たり前に気付かない事がある。関心が分散され、定説を鵜呑みにしない子供を騙す事は実は難しい。

第6章 赤ちゃんにお菓子を与えるように
インセンティブの有効性について。しかし、人間は操られていると反発するため注意が必要。

1971年に平均的米国人は可処分所得の13.4%を食物に費やしていたが、2015年頃?には6.5%まで落ちている。野菜や果物は今の方が高く、ジャンクフードの価格が低下したため、貧困層の方が太り易い状況になっている。

インセンティブについて調査すると、金銭、道徳、社会常識等、様々な指標があるが、群衆心理の要素が大きい?皆と一緒という誘因は大きい。

第7章 ソロモン王とデイビッド・リー・ロスの
    共通点は何か?

デイビッド・リー・ロスは、ロックバンド「ヴァン・ヘイレン」のボーカリストである。ソロモン王のような策略を用いたとする。

彼のバンドに関する契約書には、53ページもの付帯条項があり、技術や安全面等の細かい指示があった。その40ページ目には、スナックのm&m'sに絶対に茶色があってはならないという記述を付加した。

これは、彼と契約するプロモーターが安全に関する付帯条項を守っているか確認するためにであり、会場に到着すると即時にm&m'sを確認し、茶色があったら付帯条項を真面目に読んでいない事になる。

似たような方法論として、オンライン靴屋のザッポスは、新入社員が研修期間を終えた時点で止める機会を与える。止める人間には給料一か月分の金額を支給する。不良社員が生産性低下によって与える損害は、2万5000ドルを超えるため、それを避けるためらしい。

他にナイジェリア資金に関する詐欺メールに関する意見があり、目立つようにナイジェリアを連呼する事で、騙されない人間を排除する意図があるらしい。

第8章 聞く耳をもたない人を説得するには?
以下の方法論。

①相手を主役にする
事実や論理でなく、相手の感情を重視する。
②自分の主張が完璧としない
万能の解決策は存在せず、自説の欠陥を隠蔽しない。
③相手の主張の良い点を認める
④罵詈雑言は言わない
⑤物語を語る
エピソードは全体像の一部を切り取ったものであるが、物語は断片を繋いで全体像を見せるもの。物語では時間経過を語るから、物事の変化を示し易い。物語は、状況が生じた原因や、これからどうなるかの繋がりを見せる。

対して、エピソードは記憶に残る例外で、全体像が誤っている事を示すために持ち出される(叔父さんは酔っ払い運転をするのに、事故を起こした事が無い。飲酒運転は本当に危険なの?)。

十戒を全て諳んじている米国人成人は全体の14%だが、同じ調査では25%がビッグマックの7つの素材を言えたし、35%がテレビ番組「愉快なブレディ一家」の6人の子供全員の名前を全て言う事が出来た。物語と結び付いた方が記憶し易い。

⑥良い悪いを言わずに説得する
物語は規則には出来ない、感情に訴える方法で人々を動かす事が出来る。

第9章 やめる
止める事の重要性。

止める事は失敗を認める事であり、埋没費用を認める事。機会費用に着目する困難が止める事を難しくしている。

達成不可能な目標を断念する事は健康に良いし、死後検証よりも死前検証を重視するべき。

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