誰かよりはマシ

『オーデュボンの祈り』(伊坂幸太郎著)P94~P96からのコピペ。

先ほどの長身の女性二人が日比野に対して見せた態度は、この時の彼自身の態度と似ていた。彼女たちは日比野を見下し、その彼は足に不自由を抱える田中を見下している。世の中とはそのように、序列を作るものなのだろうか。
(中略)
「あいつを見ると、いつも思うんだ。俺はまだマシだってな」
(中略)
かりに神様がやって来てだ、生涯でただひとつだけ願いをかなえてやると言ったら、あいつが何を頼むかわかるか?俺にはわかるよ。あの田中という男は、『まともに歩けるようにして下さい。一度でいいから、他の人と同じようにまっすぐに歩きたいんです』と言うだろうな。まず間違いない」
(中略)
「俺は普通に歩けている。あの男が、奇跡でも起きないかと祈っている願いが、俺にはすでにかなっている。どうだ、俺は十分マシじゃないか。そう思わないか?」

*************

平成12年に刊行された作品を文庫化した伊坂先生の作品。

「悪」という存在をどのように処理するかが課題であり、同じ人物達が作品を超えて幾度も登場する。初期では悪人が殺されるが、年代を下るに連れて容易には死なないようになっている。

強化されていく悪。

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