組み立て×分解!ゲームデザイン
読んだ本の感想。
渡辺訓章著。2016年3月25日 初版 第1刷発行。
以下は、サポートページへのリンク。
http://gihyo.jp/book/2016/978-4-7741-7944-5/support
第1章 ゲームデザインを行う前に
本書では、以下を扱わない。
・レベルデザイン
・プログラミング
・良い題材の見つけ方
ゲームをデザインするためには、上記の前に「ルール」が必要である。「ルール」によりゲームに登場する要素間の関係が決まる。
法則:
ゲームにおいて現実の物理法則は適用されないので、得点や勝敗等、「何が発生するか」を規定する必要がある。
禁止:
ゲームにおける禁止事項を、条件や罰則と合わせて決定する。
⇒時間や回数による制約により戦略性が生まれる
範囲:
機械の動作もルールの集まりと出来るが、本書ではプレイヤーが理解すべき事を「ルール」、機械が担当すべき事を「アルゴリズム」とする。
第2章 アルゴリズムからゲームを作る
アルゴリズム:
ゲームを行うために必要な、一連の手段を纏めたもの。現象を分割する事でアルゴリズムは記述出来るが、アルゴリズムを繰り返したり、組み合わせる事で大規模なアルゴリズムにする事も可能。
機械は融通が利かないため、「ルール」に含まれない多くの部分をアルゴリズムで記述する必要がある。人間が感覚で理解出来る物理法則等を順序立てて記述する。
アルゴリズムによる制約があり、プレイヤーが操作する自機の表示、テトリスのような形による制約、構造による制約(ある状態を目指すのか、状況を循環させるのか)、強制スクロース等。
第3章 ルールを組み替えてゲームを作る
既に完成しているゲームに、要素を足し引きする事で新しくする事が出来る。
単純化した例としては、戦略ゲームから攻撃要素を引いて防御に特化した「タワーディフェンス」というジャンルがある。
本章では、シューティングゲームを題材に、自機が弾を撃つ事が出来ない設定にして、ゲームをデザインしている。
・弾が打てないと敵が増えるだけで緩急が無い
↓
・敵同士の接触により敵が減るようにする
(自機も誘爆に巻き込まれる可能性)
↓
・点としての敵が、誘爆により面に近い存在になる
⇒誘爆を思い付いたのは、自機が弾を撃てない制約から、自機の弾と敵の弾の区別が無くなる状態を、物体間の影響を基準として想起した結果である。
上記のゲームをデザインすると、①敵に近付かない事に遊び方が集約されてしまいゲームが単純になる②爆発規模が大きくなると逃げ場が無くなるという問題が出てくる。
⇒ある状態が非常に有利になる時、その状態に到達するまでを組み込む事が汎用的解決策となる。この場合は、安全地帯を設ける、作れるようにする等が解決策になる?
時間や空間を利用する事で強弱の関係を作る事が出来る。飛び道具や一定期間の無的時間等。
こうしてデザインしたゲームを、「fencer」と名付けてサポートページで紹介しているらしい。
第4章 対人ゲームから一人用ゲームを作る
ゲームにおいては勝負を対等にするための「対称性」が公平に結び付く。
一人用ゲームでは、人間の視点からは楽しくない役割を機械に押し付ける非対称なゲームにする事も可能。
本章では、「Phutball」という二人用対戦ゲームを題材にゲームを考えている。
最初にゲームーオーバーの条件を作り、それによりゲームが出来上がる。「遊べない」から「つまらない」への変化。さらに制約を増やす事で単純作業にならないようにしていく。
ランダムの設定では、ランダムが回避出来ない状態は嫌われ、平等性をアピールする場合にはランダムは有効である。
著者は強制スクロールを導入した「toccos」をサポートページで紹介しているらしい。
第5章 自由と制約の関係を考える
「ルール」を分解し細分化する事でプレイヤーが関与出来る要素が増し、自由が作られるが、制約が無ければゲームとして成り立たない。制約は理解し易さも生み出す。例えば、数値的指標という制約は、プレイヤーの行動に評価を与え、正解に導く効果がある。
この章では「パネキット」を題材に「ルール」の分解について考えている。
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渡辺訓章著。2016年3月25日 初版 第1刷発行。
以下は、サポートページへのリンク。
http://gihyo.jp/book/2016/978-4-7741-7944-5/support
第1章 ゲームデザインを行う前に
本書では、以下を扱わない。
・レベルデザイン
・プログラミング
・良い題材の見つけ方
ゲームをデザインするためには、上記の前に「ルール」が必要である。「ルール」によりゲームに登場する要素間の関係が決まる。
法則:
ゲームにおいて現実の物理法則は適用されないので、得点や勝敗等、「何が発生するか」を規定する必要がある。
禁止:
ゲームにおける禁止事項を、条件や罰則と合わせて決定する。
⇒時間や回数による制約により戦略性が生まれる
範囲:
機械の動作もルールの集まりと出来るが、本書ではプレイヤーが理解すべき事を「ルール」、機械が担当すべき事を「アルゴリズム」とする。
第2章 アルゴリズムからゲームを作る
アルゴリズム:
ゲームを行うために必要な、一連の手段を纏めたもの。現象を分割する事でアルゴリズムは記述出来るが、アルゴリズムを繰り返したり、組み合わせる事で大規模なアルゴリズムにする事も可能。
機械は融通が利かないため、「ルール」に含まれない多くの部分をアルゴリズムで記述する必要がある。人間が感覚で理解出来る物理法則等を順序立てて記述する。
アルゴリズムによる制約があり、プレイヤーが操作する自機の表示、テトリスのような形による制約、構造による制約(ある状態を目指すのか、状況を循環させるのか)、強制スクロース等。
第3章 ルールを組み替えてゲームを作る
既に完成しているゲームに、要素を足し引きする事で新しくする事が出来る。
単純化した例としては、戦略ゲームから攻撃要素を引いて防御に特化した「タワーディフェンス」というジャンルがある。
本章では、シューティングゲームを題材に、自機が弾を撃つ事が出来ない設定にして、ゲームをデザインしている。
・弾が打てないと敵が増えるだけで緩急が無い
↓
・敵同士の接触により敵が減るようにする
(自機も誘爆に巻き込まれる可能性)
↓
・点としての敵が、誘爆により面に近い存在になる
⇒誘爆を思い付いたのは、自機が弾を撃てない制約から、自機の弾と敵の弾の区別が無くなる状態を、物体間の影響を基準として想起した結果である。
上記のゲームをデザインすると、①敵に近付かない事に遊び方が集約されてしまいゲームが単純になる②爆発規模が大きくなると逃げ場が無くなるという問題が出てくる。
⇒ある状態が非常に有利になる時、その状態に到達するまでを組み込む事が汎用的解決策となる。この場合は、安全地帯を設ける、作れるようにする等が解決策になる?
時間や空間を利用する事で強弱の関係を作る事が出来る。飛び道具や一定期間の無的時間等。
こうしてデザインしたゲームを、「fencer」と名付けてサポートページで紹介しているらしい。
第4章 対人ゲームから一人用ゲームを作る
ゲームにおいては勝負を対等にするための「対称性」が公平に結び付く。
一人用ゲームでは、人間の視点からは楽しくない役割を機械に押し付ける非対称なゲームにする事も可能。
本章では、「Phutball」という二人用対戦ゲームを題材にゲームを考えている。
最初にゲームーオーバーの条件を作り、それによりゲームが出来上がる。「遊べない」から「つまらない」への変化。さらに制約を増やす事で単純作業にならないようにしていく。
ランダムの設定では、ランダムが回避出来ない状態は嫌われ、平等性をアピールする場合にはランダムは有効である。
著者は強制スクロールを導入した「toccos」をサポートページで紹介しているらしい。
第5章 自由と制約の関係を考える
「ルール」を分解し細分化する事でプレイヤーが関与出来る要素が増し、自由が作られるが、制約が無ければゲームとして成り立たない。制約は理解し易さも生み出す。例えば、数値的指標という制約は、プレイヤーの行動に評価を与え、正解に導く効果がある。
この章では「パネキット」を題材に「ルール」の分解について考えている。
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