ゲームシナリオの書き方

読んだ本の感想。

佐々木智弘著。2006年10月1日 初版第1刷発行。



以下は、本書のサポートページへのリンク。

http://isbn.sbcr.jp/32603/

以下は、『Afro13』へのリンク。

ttp://www.afro13.net/

序章 現場を体験する
新入社員が先輩とプロット作りを体験する話。

企画書に従い、スタッフに見せるプロットを作る。小説と異なり、登場人物のセリフや描写、時間、場所が分かり易い。

第1部 ゲームシナリオの主成分 
第1章 テーマとストーリー 
1-1 ゲームシナリオ制作の流れ
ゲーム制作に関する重要事項(物語の大きな流れ、キャラ設定、世界観、テーマ、目的)は企画段階でかなり決まる。シナリオ製作段階では、プロット、構成、テキストを決める。

1-2 テーマ
テーマとは、ゲームに一定のイメージや方向性を導き出す言葉や文章である。「最強」という言葉や、「猛スピードで街中を走るクレイジーなタクシー」、というキャッチフレーズに「究極の純愛とは?」、「宇宙で戦争が起こったらどうなるか?」という問い掛け等。

1-3 ストーリー
ストーリーとは、テーマの内容を相手に伝える「物語」である。物語るためには、登場人物を描写し、世界を設定し、始まりから終わりまで伝えなくてはならない。

テーマを設定し、ゲームの目的とリンクさせ、テーマを膨らませてストーリーにする。「最強」というテーマだけでは目的が分からないため、「最強の敵を倒す」等の目的が必要になる。

1-4 テーマとストーリー
テーマからストーリーを発想する。テーマが「ゾンビの住む館からの脱出」だとすると、「ゾンビが発生した理由」、「館に閉じ込められた理由」等を想像出来る。

ストーリーを考えるための資料は以下の3種類。

①ネタやアイデアのストック
②本、ゲーム、映画、新聞記事等
③「キャラクター」や世界の設定

1-5 テーマの描き方
テーマはセリフに書かず、以下の方法によって表現する。

①キャラクターの選択、行動
②ストーリーの展開

例えば、キャラクターが「恋人を守る(愛)」と「真犯人の告発(正義)」という2つの選択肢の狭間で悩むと、「愛と正義の板挟み」というテーマを表現出来る。また、選択後のストーリ展開によりテーマを表現出来る。

第2章 キャラクター
2-1 キャタクター
キャラクターとは、「個性、目的、意志、感情を持ち、行動する個別存在」。キャラクターを作る事は、キャラクターの役割・性質を設定する事。

シナリオはキャラクターの行動によって進展し、その目的や意志を提示する。

キャラクターは葛藤(戦い等の外的なものや、悩み等の内的なもの)し、葛藤により目的を提示する。

2-2 キャラクター設定
以下の設定。

・名前
ガ行は悪者らしく、ラ行は魅惑的、ナ行は優しさ、パ行・擬音はトリッキーな感じ、タ行は主役系という感じになる。
・年齢
キャラクターの関係性(年齢の離れた兄弟等)、年齢自体のイメージを考える。
・職業
・顔
・髪
髪型の変化によってキャラクターの変化を表現可能。中高生が夏休み明けに金髪になっていた等。
・体格
顔と同様にキャラクターの個性をストレートに伝える材料。
・服装
・性格
性格の根拠を考える事で個人史に意識を向ける事が出来る。集団内における役割・立場を分かり易くする(弟的性格等)。既成のイメージにより、一般人が持つ自然なイメージを利用可能。
・特技
・弱点
感情移入を促す。
・口調
・シナリオ上の設定

2-3 キャラクター設定の実例
著者の考えた実例集。

第3章 キャラクターの役割
3-1 キャラクターの役割
役割とは、それぞれのキャラクターに割り当てられたストーリー上の立場の事。役割が被るとキャラクターが被っているように見える。

重要なキャラクターには複数の役割を担わせ、ストーリーの流れによって役割を変化させていく。

3-2 ゲームシナリオに直結する役割
主人公:
プレイヤーの分身であり、プレイヤーの目線でストーリーを進行させる。映画等では、視聴者が「かくありたい」という願望を含んだ主人子像となるが、ゲームではプレイヤーの分身としてフラットな状態になる。感情移入し易い無個性。

ただし、選択可能なキャラクターが多いゲームでは、映画やドラマ的になる。

他に、攻略対象やシステムキャラ(ゲームシステムとして円滑にゲームを進行させる役割)等。

3-3 主人公に対立する役割
敵キャラ:
主人公の目的達成の意志をより強くする。以下の2種類。

①悪役キャラ
誰が見ても邪悪。一般的な善悪の基準を参考にし、キャラクター設定で補強する。

②敵対キャラ
絶対的な悪でなく、対戦相手。ビジュアルや一般的に悪とされる行動を取る。ライバルは、主人公と同じ目的を持って対立する。

倒さないとストーリが進行しない関門キャラは、倒された瞬間に敵としての役割を終えるので、それ以降は味方になる等の別の役割を与えないと宙ぶらりんの状態になる。

3-4 主人公に味方する役割
パートナー:
主人公の目的達成へのモチベーションを高める。パートナーとの間に障害を設けたり、主人公の対になるよう、あべこべキャラにする。
パートナーは、主人公に「枷」を嵌める役割もあり、主人公の行動を規定する。

仲間キャラ:
主人公の持っていない能力、性質によって目的達成に寄与する。主人公の聞き役、引き立て役となる。「くのいち忍法帖」(山田風太郎著)では、丸橋という巨漢の女性キャラクターが登場する事で、正反対の性質を持つ他の女性キャラクターとの対比が行われている?

仲間になるまでの過程をストーリーと出来るが、仲間になった後に必要性の無いキャラクターにしないためには、①犠牲になる(死ぬ事で存在をアピール)②化ける(急激に役割を転換する)等の方法がある。

また、キャラクターと血縁関係にある家族キャラは、初期段階での存在感が高い代わりに、適宜持ち上げていないと存在感が薄れてしまう。

3-5 ストーリーに変化を与える役割
きっかけキャラ:
主人子に変化を与える。仕事の依頼、情報のリーク、事件の誘発等。

他にお助けキャラ、裏切キャラ等。

賢者を登場させる事で、ストーリーに説得力を与える。大切な知識を与え、主人公の実力を向上させる役割もある。成長を終えた檀家にある賢者は自らの意志で変化しないキャラクターであり、賢者が積極的に行動すると世界観が崩れる。賢者が積極的に行動する時は、変装する等して別キャラクターになる。

3-6 ストーリーを補強する役割
息抜きキャラ:
ストーリーに面白味を持たせる道化。

動物を登場させ、野生から主人公のペットとする事で、主人公の善良をアピール出来る。妹キャラクターは、動物から野生を抜いてペットの部分をピックアップさせたもの。

3-7 キャラクター設定とストーリーをリンクさせる
漠然と「世界を守る」設定であるよりも、個人的な理由があった方が感情移入が促進される。

3-8 キャラクターからストーリーを考える
著者の考えた実例集。

第4章 世界
4-1 世界
世界を決める時は、時代・場所から考える。

以下の設定。

時代:
過去・未来・現代のどれか、時代の特徴を示す言葉は何か(産業革命等)。

場所:
主な舞台、どの国、場所の特徴を示す言葉(貧民窟等)。

他に、世界の状況(平穏か、宗教、民族)、社会システム(政治体制、貨幣)、家族制度、移動手段、通信手段、社会通念(理想とされる人物像、禁忌)等。

4-2 どんな世界を作るか?
詳細なゲームシステムは「世界」の詳細な「ルール」を成立させる。

4-3 世界とキャラクター、ストーリーの関係
世界の状況を設定していくと、自然のストーリーも設定していく事が出来る。

第2部 構成
第5章 構成の基礎
5-1 構成とは?
構成とは、伝えたい事を印象に残るように組み立てる方法。構成があれば、最初に物語の全体像が設定されるので執筆作業が比較的スムーズになる。

5-2 構成の種類
起(発端)承(発展)転(転換)結(結論)、序(オープニング)破(クライマックスへの過程)急(クライマックス)、スリーアクストラクチャー(三幕構成)等。

第6章 構成の要素
6-1 オープニング
オープニングにて、ゲームの目的・遊び方・特徴を伝える。

6-2 クライマックスへの過程
ゲームオーバーの物語的な位置付け。ゲームオーバーにより、プレイヤーにルールを刷込む事が出来る。目的に対する障害や援助の表現。

6-3 クライマックス
クライマックスとは、劇的、盛り上がり、葛藤・対立の最高潮。ゲームの目的が達成される。

6-4 エンディング
ゲーム目的が達成された結果がどうなったかを伝える。

第7章 良い構成と悪い構成
7-1 構成がどうして必要か?
良い構成は、伝える情報の順番を考える。情報を伝達するだけでなく、受けてが感情移入し易いように体験を再現する。

7-2 受け手の反応を計算に入れる
以下の反応。

①目的の了解
受け手は、同時に2つの反応を返す事が苦手であり、目的と結果を同時には伝えない。
②疑問・興味
目的達成への障害等。
③感情移入
④意外
⑤期待
⑥期待最高潮、結論への期待
⑦結論への反応
⑧結論への持続的反応

7-3 効果的な構成を実現するポイント
以下が、構成のポイント。

・目的を伝える。
・感情移入を促す
・クライマックスを見たいと思わせる

第8章 選択肢
8-1 選択肢
選択肢は、ゲームへの参加性を高める。映画や小説における受け手は鑑賞者であり登場人物ではない。問い掛ける事でプレイヤーをゲームに参加させる。

8-2 選択肢の種類
以下の2つの選択肢。

①ストーリー進行に関わる選択肢
②パラメーター(ステータス、好感度)に関わる選択肢

8-3 選択肢と世界
選択肢は、破綻が無く、プレイヤーにストレスを感じさせないものでなくてはならない。

8-4 選択肢作りのポイント
以下のポイント。

①選択基準を明確にする
「テケテケ歩いた or メケメケ歩いた」等の不明瞭な選択肢でなく、「歩いた or バスで向かった」等のように交通手段の違いを選択した事が分かる等の明確性を持たせる。

②必然性のある選択結果を設ける
理由と必然性が大切であり、善行に悪い結果が対応する場合、その説明が大切になる。

8-5 選択肢のタイミング
以下のポイント。

①構成上の適切な場所
②主人公の感情の流れの適切な場所

主人公の感情が動く箇所に入れる選択肢は、感情移入を促す。

8-6 フラグ
フラグは、切っ掛けとなるメッセージや行為が遂行された時にチェックされる。

第9章 構成をより面白くする
9-1 オープニングでプレイヤーを引き込む
以下の主人公の初期状態。

①巻き込まれ型
日常生活から始まり、何かを引き継ぐ形。危険にさらされる等の要素は、主人公の決意を促す切っ掛けとして理解され易く、感情移入し易い。

②切り開き型
能動的に何かを成し遂げようとする。

9-2 セットアップを説明だけのシーンにしない
セットアップでは、ゲームの目的、主要キャラクターの紹介、世界の解説、人間関係の説明等を行う。

事件や出来事を起こす事で、だらだらと説明だけをする事を避ける。

9-3 シーン・シークエンス
時間的に連続したエピソードを少ストーリーとして作る。見せ場をより面白く見せる。

9-4 さまざまなテクニック
メインストーリー(ゲーム目的に関するストーリー)とサブストーリー(キャラクターの感情や人間関係の変化に関するストーリー)とのリンク、伏線(唐突に感じる出来事に関して、前もってそれに関わる事項に触れておく事)、回想(「あの時、○○が無かったら、◆◆にならなかっただろう」という一文を入れる事で期待感を高める等)の方法。

第3部 テキスト
第10章 テキストの種類
10-1 テキスト
ゲームシナリオを構成する文章。

10-2 セリフ
会話や独白。

以下の機能。

①感情表現
②状況説明
③物語進行

10-3 地の文
場面状況や登場人物の心理を説明するテキスト。

以下の機能。

①事実の伝達
②心理や感情表現
③視覚的、物理的表現
④時間表現
⑤物語進行

10-4 指示
映画や演劇の「ト書き」にあたる。

第11章 見た目とセリフ
11-1 見た目を考えて書く
視覚的に見易いように、改ページに注意する。文字の大きさや種類等。

11-2 セリフの基本
感情の流れによってセリフの意味は決まる。文脈に注意する。

11-3 セリフによって示せること
時代や出身地、年齢を示す事が出来る。

11-4 上手なセリフを書くためのポイント
以下のようにならないようにする。

①長過ぎる
同じ言葉や代名詞、指示語を多用しない。

②説明的過ぎる
1つのセリフで伝えたい情報を全てを語ろうとせず、会話の中で見せる。1つのセリフに情報は1つ。

③動きが無い
行動を起こしながらセリフを進行させる事で緊張感を保つ。

④キャラクターの感情が見えない。
上記の問題点をクリアすると、キャラクターの感情が見えるようになる。

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