サイコロを使った実占・易経

読んだ本の感想。

立野清隆著。2006年5月28日 第一刷発行。





日常的現実の世界は、「事」、「物」の存在秩序であり、無数の「事」、「物」が、相対的に他から独立し、自らの分限を守って自立し、相互連関性において存在秩序を形成している。

存在秩序は、構成している要素が固有の本質を以て区別され、境界線を越える事は無い。全ては境界線によって分かたれ、様々な名称があり、名称の喚起する意味の相互関連性によって有意味的な秩序世界を作っているとも表現出来る。

つまり、存在世界は虚像であり、言葉が作り出した心の表れである。心から離れた客観的存在は無い。個々の存在の差別相に囚われ、個々の事物が固有の本質を持つ「自性」の観念から脱け出せず、自己同一的な不変的実体と思い込む事を分別心や妄念とする。

一切の事物は変化流転の中にあり、固定不動と見られる固有の本質は浮動的なものとなり、その本質は幻影と考えられる。

易経では、存在秩序の実在性に対して判断中止し、「在り」と断定する事を差し控え、事物を成り立たせている相互間の境界線を取り払い、八卦に還元する。それを陰陽、陰陽未分の太極(宇宙エネルギー)にまで還元すると、一切の差別が無くなるので、物が一つも無くなる無的空間が現出する。

そうして太極まで還元した事象を八卦―六十四卦という枠組みで捉え直す事で、一切の事象に対する予見的認識が可能になるとする。易の世界では、易の記号的関係性のみがあり、一つの卦が出ると残り七、六十三の卦の全てが同時に隠れた形で含まれる。

一つの事象の生起は、一切万象の生起でもあり、常にすべてが同時に生起している。全てのものが互いに依り掛かり、全存在世界が一挙に現成する。

易簡:
変化流転の中にある不変なものは、簡単明瞭な陰陽の屈伸消長変化の法則である。それは八卦と六十四卦によって表現可能。

変易:
一切のの事象は常に変化流転する混沌の状態にある。

不易:
変化流転の中に恒常不変的な自然的事物の本質や法則がある。

*****************

陰陽の根源を太極と呼び、陰陽、積極消極、有無を含まない未分の状態。太極が働きとして現れると、直ちに陰陽という相互対立的で牽引的な活動をするものとして具体化する。

そして陰陽は相対的流動的であり、互いに転換する。そこで、冬(寒)と夏(暑)の間に春秋という過度的な季節が設定され、南北の間に東西が設定されるように、老陽、少陽、老陰、少陰の四象に分ける。

さらに具体的に把握出来るように、東北、東南、西南、西北のように、四象を加え八卦とする。一つの卦が現れる時には、同時に他の七卦も隠れながら現れている。

******************

以下は、八卦の象徴的意味。

①乾(天、剛健)
純粋に陽爻によって成り立つ。純粋な陽気が充満し、積極的な活動を続けてやまないものの典型であり、首長や権威の象徴となる。精神や心を意味する。
人体では、頭、大腸、心臓等の動いてやまない部位となり、堅いという意味もあるので脊椎等の大骨も含まれる。夢を追及する事が乾卦の働きとなる。
動物では、古代人にとって貴重だった馬が選ばれており、猛獣や猛禽、現実と理想の間に跨った幻獣等も挙げられる。植物では、薬草が秋に結実する果実、堅くて形の整った豆や米(主食)が乾卦の植物となる。

②坤(地、柔順)
坤は大地であり、肉体を意味する。天の気を受けて万物を地上に形あるものとして生育せしめる。母や妻、首長に対して従業員を意味する。社会的に低い立場にある人が坤卦に属する。
人体では、胃腸、脾臓、血肉にあたる。鈍重で曖昧であるが奉仕的で庶民生活を維持するために欠かせない徳。
動物では、従順な牛、山羊等が挙げられ、植物では大地から生産された米、麦、雑穀等を粉末にしたものが挙げられる。

③震(雷、奮動)
一陽が陰気を振り払って躍り出ようとしている。陰中に初めて一陽が生じた所から長男、若者を意味する。速度の早い乗り物一切、宣伝や実質的内容を伴わない詐欺も含む。
競争心が強く早期に成功する長所があるが、軽率なために失敗する短所もある。
人体では、第一歩を踏み出す足、音声の出る咽喉、肝臓、神経系統の機能一切。
動物では、足の早い馬、囀る鳥、雷の象徴の竜、秋に鳴く昆虫が含まれる。植物では、竹のように根が堅く張ったもの、大木となるもの全てが当て嵌まる。

④巽(風、伏入)
上の二陽が積極的で、下の一陰が消極的であり進退を表す。不決断、疑惑を表し、風は遠方から様々な物を運ぶので遠方、評判、出入りの激しい事に繋がる。
陽中に初めて陰爻が生じた事から長女を意味し、遠方に良縁が得られる意味を持っている。
人体では、大腸、食道、動脈等の細長い器官を表し、一進一退を繰り返す病気等も意味する。
動物では、蛇、鳥類、草むらに隠れる豚、植物では、匂いの強い野菜や風に倒れ易い灌木類等。

⑤坎(水、坎険)
山から流れ出た水が河川となって海に注ぎいるように、悩み苦しみながら目的を達成する姿に喩えられる。下から二番目の陽爻として中男、中年男性を意味する。設計企画担当者、犯罪者、病人、死人等を意味する。
人体では、腎臓、膀胱や校門、耳、鼻等の穴部、肉体中を流れる血液等を意味する。
動物では、穴に住む狐、タヌキ、水辺の動物、魚介類、植物では、棘のある植物や冬に咲く水仙等。

⑥離(火、明智)
外の二陽が明るく、中の一陰は火心である、火に実体は無く、常に燃やし続ける事によって存在する。事物を照合する火の徳は明智であり、付着と離別の意味になる。
中女、中年女性、知性的美人を象徴する。政治家や装飾関係等の知、美、名誉、権威に関する業務。
人体では、目や、火の象意を持つ心臓、熱源となる象徴、頭脳を含む。
動物や植物では、美麗なクジャク、雉、外側に殻を持つ亀、蟹、貝類、美しい花等。

⑦艮(山、静止)
坤地の上に一陽が止まっている山。卦の意味としては高尚、頑固、拒絶等が類推される。一陽が最後に生じたので少男とみ、相続人ともみる。
蓄財、進まずに待ち新しく始める変わり目、試算中、保守的、中継地の管理人、ETC。
人体では、落ち着いている部位の型、背中、腰、継ぎ目である関節、顔の中で高い位置にある花、男性器が艮卦の意味を持つ。
動物では、落ち着いている牡牛、嘴の強い動物や昆虫、植物では、じゃが芋、薩摩芋、節の目立つ筍等。

⑧兌(澤、悦)
坎の下位の陰爻が陽爻となり、流れを堰き止めて溜池となった状態。澤の水を引いて生活する悦びがあり、愉悦や和がある。
上に向かって一陰(少女)が口を開いて笑っている形でもあり、乾の上爻が賭けて陰爻となっている象から、怪我や欠損、中途挫折、そこに遊興に楽しんだ結果という相反する意味を同時に含む。
和やかと、誘惑的に話しかける事から、サービス業や勧誘、娯楽等。
人体では、舌や歯等の口、女性器、肺。
動物では、小鳥等の愛玩動物、人間の言葉を真似る鸚鵡、植物では、薬草、秋に収穫する果実等。

*****************

易は変易であり、一つの卦が、即時に他の卦に転換する可能性がある。以下は、爻の変化の解釈の一例。

乾→兌
円満充足していたものが欠損して損失となったり、頭部の怪我、剛強の気持ちが弛み和やかになる等。

乾→離
剛強一点張りの人間に明智が加わるとか、三人共同の場合一人が欠ける等。

乾→巽
剛強な人間の足元が弱体化し自信を失う等の危険な局面。

震→坤
奮励努力の卦がの意味が消えて、無気力になる等、進行を中止して元の状態に安んじている。

震→坎
進行中、穴に陥って苦しむ等の失敗。

震→艮
進行が途中で止まる等、進行の中止、反転。

坎→兌
苦しみが悦びに変じる。病気の快癒等。

坎→坤
悩みの中心が消え、平穏な状態に帰る。

坎→巽
孤独や解消され、交際が広がった状態。冬から春への変化。

艮→離
事態が好転して目先が明るくなり、計画立案が出来て方針が定まる。

艮→巽
拒絶していたが、自信を失い、身体決しない状態。方針変更の可能性。

艮→坤
山が崩れて平地になる。財産の崩壊や、拒否の姿勢が柔軟になる等。

坤→震
平穏無事の中に動きが出る。

坤→坎
平穏無事の中に事件が発生する。胃腸の病気や土地の権利の問題等。

坤→艮
境界線を巡って争いがあり、不動産相続や不動産管理会社への信託等。

巽→乾
進退を決しかねた所に、自信が出て実行に移す決意を固める。

巽→艮
進退に関しての迷いを捨て、一切を中止して静観する状態。

巽→坎
迷いが深まり、孤立し、援助を失う状態。

離→艮
火が灰の山になるので、明るさが消え、計画等が消滅して孤立し、熱情を失う状態。

離→乾
計画通り順調に成功し、規模を拡大していく状態。

離→震
計画を実行に移し、一気に成功させようとしている状態。震→離は、まず実行し見通しを得ようとする事であり、その反対の事となる。

兌→坎
甘く考えていた事に気付き苦しんでいる状態。

兌→震
説明でなく実行で示す時。休養から仕事への転換。行動的になり成功する時。

兌→乾
欠損していたものを補足して充実させる意味。小事が大事に発展する状態。

*****************

各爻が意味するもの。


国家
会社
家庭
都邑
人体
顔面
家屋
上爻
議会
会長
祖父母
郊外
首、頭
髪、額
屋根
五爻
首相
社長

首都
胸・背

天井
四爻
大臣
重役

大都会
腹部
耳・頬
鴨居
三爻
知事
部長
長兄姉
中都市
股・腰

壁・窓
二爻
市長
課長
中兄姉
小都市
脛・膝

床上
初爻
市民
社員
末弟妹
僻村
足・指

土台


******************

<コインによって卦を得る方法>
①コインを3枚用意し、裏・表を決める
②コインを放る
③コインの表を3点、裏を2点とし、点数を合計する

三枚全てが表 → 9点(老陽:陽爻)
一枚が裏、二枚が表 → 8点(少陰:陰爻)
二枚が裏、一枚が表 → 7点(少陽:陽爻)
三枚全てが裏 → 6点(老陰:陰爻)

④上記③の操作を6回繰り返し、「本卦」を得る
⑤六爻の内、老陽を配している爻は、陽極まって陰に変ずる。老陰を配している爻は、陰極まって陽に変ずる。変じて出来た卦を「之卦」とする。老陽、老陰を配している爻が無い場合、変ずる爻は無く、之卦は無い。

本卦から之卦への変化にて状況推移を予測する。

上記の方法の他に、賽子を使用した方法や、時計の文字盤を「後天図方位」にて捉え直す方法等。

人気ブログランキングへ
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ABCDEFG

Author:ABCDEFG
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード