夏目漱石の物語

朝日新聞 2016年1月1日 13版37の記事「先取りしたポストモダン」から。

夏目漱石の小説における共通性として、女性に迫る生命力に欠き、単独では女性を愛せない男達が描かれているとする。

女性を愛するためには第三者を登場させ、嫉妬心を利用しなくてはならない。

「こころ」では、先生の友人Kを同じ下宿で生活させ、「それから」の代介は平岡への嫉妬を利用して三千代を愛する。「門」の宗助も、御米が安井の妻でなければ積極的になれなかったかもしれない。

自己処罰の感情により、世捨て人となる。実存主義に近い。夏目漱石の小説に登場する男達は、家と格闘せずに逃避する。

西洋から近代化が輸入された明治は、自由と独立が観念的に尊ばれた時代であったとする。愛が崇高化され、恋愛結婚が強迫観念になったが、現実には見合い結婚が大多数だった。

夏目漱石が作家活動を始めた日露戦争後を、戦争が終結して社会から明確な目的が失われた自己同一性危機の時代とする。そうした時代に存在自体に疑問を持つ人間を描く。

近代と同化出来ない近代以後の人間達。

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