ワークシフト

読んだ本の感想。

リンダ・グラットン著。2012年8月5日 第1刷発行。



2025年の働き方を予測する。

現在の働き方は、19世紀半ば以降の第二次産業革命によって規定されているとする。エンジニア階層が台頭し、企業がイノベーションを追及する体制。雇用主による管理が強まり、職種が専門分化して業務が細切れになり、ピラミッド型の組織が形成されたとする。

以下の5つの要因。

①テクノロジーの進化
・情報技術の発展
・世界の50億人がインターネットで結ばれる
→グローバルな意識の形成
・クラウドの活用
→インターネット経由で様々な情報・サービスにアクセス
・生産性の向上
・ソーシャルな参加の活発化(群衆の知恵)
・知識のデジタル化
・メガ企業とミニ企業家の台頭
・仮想空間で働く事の日常化
・人工知能アシスタント
・人間の労働者の代替

②グローバル化の進展
・24時間休まないグローバルな世界
・新興国の台頭
・中国とインドの経済成長
・新興国発の倹約型イノベーション
・新たな人材輩出大国の登場
・世界中で都市化が進行
・バブル形成と崩壊の繰り返し
・世界の様々な地域に貧困層が出現
→現在、貧困層は一部の地域に集中しているが、世界が一体化する事によって、あらゆる地域に貧困層が出現するとする

③人口構成の変化と長寿化
・Y世代の影響力拡大
→1980年~1995年頃の生まれた世代の希望やニーズが職場に反映されるようになる
・長寿化
→60歳を過ぎても働き続ける人間の増加
・貧困高齢者
・国境を超えた移住のかっぱうtか

④社会の変化
・家族のあり方
→家族の規模が縮小。
・自分を見つめ直す人間が増える
→接する人間の多様性が高まる事により、自分自身について考えるようになる
・女性の力が強まる
・バランス重視の生き方を選ぶ男性が増える
・大企業や政府に対する不信感が強まる
・幸福感が弱まる
→一定レベル以上の生活水準は幸福感を弱めるとする
・余暇時間が増える

⑤エネルギー・環境問題の深刻化
・エネルギー価格上昇
・環境問題による移住の発生
・持続可能性を重んじる文化の形成

**************
以下は、未来の暗い側面の可能性。

【時間に追われる未来】
情報技術の発達やグローバル化の進展によって、常に仕事が入り込み、時間の細切れ化が進む可能性。それによって専門技能を磨き難くなり、観察と学習の機会が失われるとする。

【孤独に苛まれる未来】
上記と同様の原因によって、他者と直接対面する機会が減少するとする。共同体意識の弱い都市や、遠く離れた地への移住等も孤独の原因となり得る。

20世紀後半における人々は、余暇時間造花をテレビを見て過ごす事によって消費したとする。テレビは物質主義的な志向を序y等する可能性があり、人間関係が持つ役割を過小評価しかねないとする。

【繁栄から締め出される未来】
グローバル化の進展によって先進国においても貧困層が形成される可能性。物質主義的傾向が強い社会では、所有物が成功の度合いを示し、所有物によって二流と見なされる可能性がある。そうして劣等感が強まると、不安が強まる可能性も高まる。

その反面として、自己を中心に置く発想や行動も強まる傾向があり、自分がどのような人間かを他人に説明し、宣伝する事で自分を安心させようとする人々が増加する?

自分を良く知らない人間に囲まれ、あらゆる情報が行き渡るようになると、自分が素晴らしい人間であるとアピールし続けなくてはならない。

**************
以下は、未来の明るい側面の可能性。

【協同する未来】
情報技術の発達やグローバル化の進展により、イノベーションは特定グループが単独で行うものでなくなる。社交的性格が強まり、多くの人々が参加して実現するようになる。

ダイバーシティ(多様性)はモノカルチャー(単一分化)を凌駕する。

【積極的に社会と関わる未来】
遠く離れた人々と接続するグローバル思考の拡大。国籍や経験、考え方が似通った人々と一緒に過ごすだけでなく、様々な人々との交流。社会活動の比重が高まれば、仕事、社会奉仕、育児、地域活動等の様々な要素のバランスが取れる。

自分自身の志向を反映させた選択肢を選ぶ傾向が高まりつつある。それは会社との雇用関係の変化や結婚における関係変化に表れているとする。経済的必然性に基づいて結婚していた時代が終わり、ロマンチックな恋愛という概念が定着している。

自己分析は近代的な現象であり、自己啓発書はかつてはそれほど読まれなかった。議論や内省を通じて自我を形成し、自分がどのような人間であるかについて物語を構築し、物語を豊かにするように行動する世代。人生について主体的に選択する事の推奨。

【ミニ企業家の活躍】
インターネット利用環境の充実により、メガ企業が台頭する一方で、ミニ企業家が大勢登場するとする。企業の組織構造は変化し、社内と社外を隔てる境目に変化が生じるとする。

**************

提案される以下の3つのシフト。

①ゼネラリストから連続スペシャリストへ
知的資本強化。自分を差別化するために熟練の技を磨く。幾つかの専門技能を連続的に習得。

ゼネラリストの登場は1920年以降とする。徒弟制度による技術習得が少なくなり、広く浅い知識を身に付けたゼネラリストが管理職となり、高度技能を持たない労働者を管理するようになる。

ゼネラリストは、特定の会社でしか通用しない技能を身に付ける代わりに終身雇用を保障される。

広く浅い知識が情報技術によって容易に取得出来るようになるとゼネラリストの価値も薄れるとする。自らの専門を磨くと同時に、他者を活かす人的ネットワークを築く事が重要になるとする。

職階や肩書に頼らずに自らの資質や経験をアピール出来るようになる。

②孤独な競争から協力へ
人間関係資本強化。人的ネットワークの強さと幅広さ。

以下の3つの人的ネットワーク。

・ボッセ(頼りになる同志)
自分と同様の専門技能を持つ比較的少人数の信頼出来るメンバー。

・ビッグ・アイデア・クラウド(アイデアの源)
自らの人的ネットワークの概念部にいる自分とは違う型の人々。メンバー数は多い方が良い。

・自己再生のコミュニティ(安らぎと信頼)
仮想空間の繋がりでなく、現実世界で頻繁に会う人々。

③大量消費から情熱を傾けられる経験へ
情緒的資本強化。自分自身について理解し、自分の行う選択について考える能力。

以下の約束事から脱却すべきとする。

働くのは給料を受け取るためであり、給料を使用して消費する事で幸福を感じる。

所得を増やし消費を増やす発想であるが、一定水準以上の消費は幸福を育まない。欲求には幾つかの段階があり、低次の欲求が満たされると、高次の欲求を追及するようになる。

金銭や地位を過大評価すると、充実した経験を過小評価するようになる。組織が低次の欲求を重んじるのは、それ以外に従業員に報いる方法を見い出せていないからなのかもしれない。

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