マッキンダーの地政学

読んだ本の感想。

H.J.マッキンダー著。2008年9月27日 第1刷。



主に第一次世界大戦終結直後に書かれた内容。歴史を海上勢力(シー・パワー)と陸上勢力(ランド・パワー)の対立から解釈する。

「東欧を支配する者は心臓地帯(ハートランド)を制し、心臓地帯を支配する者は世界島(ユーラシア、アフリカ)を制し、世界島を支配する者は世界を制する」という言葉が有名。本を読まないと意味が分からないと思う。

ユーラシア大陸の特徴を地理的に分析すると、雨量が多い沿岸部を除くと、大部分が乾燥地帯となる。数千年の人類史を乾燥地帯に住む遊牧民族と沿岸部に住む農業民族との戦いの歴史と見る?

遊牧民族は乾燥地帯を根拠とするために、人口が少なく、支配を維持出来なかったが、仮にユーラシア大陸に巨大な人口を有する勢力が誕生した場合、沿岸部の脅威となるとする考え方なのかな。

小集団が狭い範囲で行っていた事が、集団が統合して大規模になるに従い、広範囲で行われるようになるとする考え方が面白かった。

ナイル川 ⇒ ペロポネソス半島 ⇒ イタリア半島 ⇒ ラテン半島(スペイン、フランス、ドイツ等) ⇒ ユーラシア大陸全般。

以下は、「100年予測」の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-796.html

⇒本書と合わせて読むべき。世界島を制した米国の物語。

以下は、「激動予測」の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-1012.html

⇒激動予測でも、理想主義への言及があり、本書と同じような事が記述されている。ロシアについての記述も似ている。両方とも地球温暖化の影響を考慮していないように思える。

以下は、「2050年の世界地図」の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-1623.html

⇒地球温暖化を考慮した未来予測。

以下は、「湖の国としての日本」の記事へのリンク。

http://nonono7.blog12.fc2.com/blog-entry-1909.html

⇒マッキンダーの提唱した理論が、より原則的に扱われている。

第一章 われわれの前途によせて
歴史上の大戦争は、国家間における成長不均衡から発生している。陸地や海の配置、天然資源や自然の交通路の利用については、各国間で機会均等はあり得ない。

文明とは社会の組織化であり、文明が高度化すると社会機構は複雑化し、強烈な惰性を帯びる。社会の方向性は簡単に変わらないため、社会間の衝突を事前に予測可能。

国家間の公正を実現する国際的権力の構築可否について。

第二章 社会の大勢
普遍的なデモクラシーへの希望。18世紀の自由の理想、19世紀の民族独立の理想、20世紀の国際連盟の理想。

自然が人間の力よりも強い時代は、仏教や中世キリスト教等、自己否定を基本とする理想があった。現代の理想は、米国独立宣言やフランス革命等、自己実現を基本にしている。

自然支配によって、自己実現を追求出来るほど人類は豊かになった。その根源は労働分業と調整であり、富の生産は社会組織と資本の働きによっている。

社会機構を管理・創造する組織者(管理職ではない)は、人間を社会システム維持のための手段として考える傾向がある?そのため、人間の権利を障害と考える。一方で、理想家は原則に従って考え、具体的・詳細に考えない。そこで、組織者の戦略と理想家の道徳的倫理との間に衝突が起きる。

第三章 船乗りの世界像
人間の移動能力拡張に伴い、以下のように歴史的範囲が拡大した話。周航が不可能である場合、島や岬という一般概念の対象と出来ない。同一事象が繰り返された?

①ナイル川
砂漠という障壁と、海賊侵入を防ぐ北部の沼沢ベルト。豊かな水と肥沃な土によって人間が栄えた。北へ向かう水流と、南へ向かう貿易風の利用。諸部族が統一され帝国が建設される。

②エーゲ海
クレタ島 = 世界最初のシー・パワーの根拠地?海洋国家の人的資本は、豊かな土地を必要とする。

ペロポネソス半島北部から南下した民族が半島を基礎としてシー・パワーを組織し、クレタ島を征服。

エーゲ海の西側に居住するギリシャ人と、東側に居住するペルシャ人の対立は、シー・パワーとランド・パワーの対立である。やがて、ギリシャ北部に盤居したマケドニア人が、ギリシャの海洋基地群を征服し、アジアにおけるフェニキア人の本拠を滅ぼす。

⇒マケドニア人によって東地中海が閉鎖海になる。

⇒海軍力の保護が無くとも、沿岸地帯が一つのランド・パワーによって支配されれば、海上通商は安全に行われる。

③地中海
イタリア半島を根拠地とするローマによる支配。カルタゴを征服した事で、西部地中海を閉鎖海とする。やがてマケドニアからギリシャを征服し、東部地中海も閉鎖海とする。

⇒陸上兵力による沿岸確保という形式での海上支配。

ローマ帝国は、ガリア地方やブリテン島まで進出し、閉鎖海を拡大したが、4世紀には衰退し、閉鎖海は失われていく。

⇒北欧を根拠地とするシー・パワーや、アラブを根拠地とするサラセン系シー・パワーによる侵攻。

北欧とアラブからの脅威への抵抗を組織化するため、フランク王国がライン川を跨ぐ帝国を建設する。ラテン半島(地中海と大西洋に囲まれる)の頸部にあるドイツは、ペロポネソス半島の頸部にあるマケドニアに対比する事が出来る(ラテン化したドイツ人と、ギリシャ化したマケドニア人)。ラテン半島の付け根に位置するドイツは、ペロポネソス半島頸部に位置したマケドニアと同様に、半島におけるシー・パワーの脅威となり得る。

④インド洋、ETC
英国 = クレタ島を引き継ぐシー・パワーの根拠地。

英国とラテン半島の関係は、クレタ島とペロポネソス半島の関係と似ている?ドリア人に征服されたクレタ島と同様に、ローマ人に征服された英国は、ラテン半島を統一する勢力が現れなかったため、ラテン半島を包囲する実力を身に付ける。

英国は18世紀になるまで統一されなかったが、その地勢は平野部がある南部のイングランド人に有利であり、ローマと同様に豊かな後背地によってシー・パワーの根源とする。英国は海岸地帯の基地を支配する事で、インド洋等を閉鎖海とした。

⑤世界島
ユーラシア大陸、アフリカ大陸全体を考えると、英国と日本の間に南に向けて突き出した岬と考える事が出来る。岬は、ペロポネソス半島やラテン半島と同様に、シー・パワーとランド・パワーの対立の場と考える事が可能。

⇒現在のシー・パワーは米国?

地球表面の9/12は海であり、世界島(ユーラシア、アフリカ)が2/12、残りの島全てで1/12となる。南北アメリカやオーストラリアは、世界島の衛星に過ぎない。仮に世界島が統一された勢力によって支配された場合、他の島国全てを合わせても対抗する事は困難。

<欧州の地形>
欧州は、ユーラシア大陸の西端に位置し、南部はサハラ砂漠、北部は氷海、東北部は森林地帯によって遮られた。南東にあるルートは7世紀から19世紀までアラブ人やトルコ人によって塞がれる。

中世時代には、外部の蛮族による攻囲にさらされたが、遊牧民族やバイキングは根拠地が貧弱であるため人口が少なく、土着の人口に吸収されていく。

そのため、欧州の防衛力は南東から襲来する敵に当てる事になるが、やがてベネチアとオーストリアだけでも、トルコ人に対抗出来るようになり、海洋開発に乗り出す余裕が生まれる。

アフリカ大陸からインド洋への海上ルート発見により、敵地の背後を襲う事が出来るようになると欧州の飛躍が始まる(陸路を通った十字軍と違い、海路を利用)。

第四章 内陸の人間の世界像
世界島を以下の区域に分ける。

①心臓地帯(ハートランド):
北極圏に属する地域と内陸諸河川。アジアの半分、欧州の1/4を含む。
 ○大低地帯:
 心臓地帯北部、中央部、南部の平野部。

②サハラ:
白人世界と黒人世界を隔てる。

③アラビア:
ナイル川からユーフラテス川に至る。半分は砂漠だが、サハラより生産力に富む。ナイル川、紅海、ペルシャ湾という水路を持つ。

⇒上記①~③によって海上勢力が接触不可能なベルト地帯が形成される(アラビアの三水路を除く)。

④モンスーン沿岸地帯
太平洋、インド洋の沿岸地帯。

⑤欧州沿岸地帯
欧州諸半島、地中海。

⇒面積にして1/5である上記④、⑤に世界人口の約4/5が住む。両地域とも降雨量が豊富で河川によって外洋から遡航可能。

⑥南のハートランド
サハラ砂漠以南の半島。外洋交通と切り離されている点で心臓地帯と似ている。心臓地帯と同様に、動物が交通に利用されてきた。

沿岸地帯では農耕条件に恵まれ人口が多くシー・パワーを育んだ。対して心臓地帯やアラビアは耕作に不適で放牧を業とするようになる。

この世界島の中心地は、アラビア半島と考える事が出来る。交通ルートが錯綜する場所。この地の特徴は、遊牧民族による侵攻の歴史でもあるが、支配を維持する人口が少ないため、同じ現象を繰り返す事となる。①心臓地帯から来襲する騎馬民族②アラビア半島から来る遊牧民族③欧州から来る航海者の争い。ヒマラヤという自然の障壁を持つインドとは違って防衛困難。

ローマ人を追い出したサラセン人は、トルコ人によって征服された。遊牧民族の波は欧州にも及び、フン族と戦うための組織化が欧州国家の基盤となる。心臓地帯から来襲する敵に対して海岸諸民族が団結した事が、国民国家成立、法王庁の権威確立等の原因になっている。

近代におけるランド・パワーを構成するドイツ、オーストリア、ロシアは騎馬民族に欠けていた巨大な人口を持ち、シー・パワーに対抗可能とする。世界島における心臓地帯の地位が、全海洋における世界島の地位を暗示している。

第五章 さまざまな帝国の興亡
大航海時代と同時期に、ロシアによる心臓地帯への進出が始まっている。イェルマクがシベリアに入ったのは1533年。ロシアの人口の大部分は狭い地域(ボルガ川とカルパード山脈によって区切られるバルト海と黒海の間の平野部)に住む。

そのため、ナポレオンがロシア遠征によって敗北した主因を、ロシア軍による戦略的後退でなく、英国のシー・パワーによる包囲と考える。ナポレオンにとっての脅威は、神聖同盟によるロシア、オーストリア、プロイセンの統一であった。

⇒ナポレオン戦争を西欧と東欧の対立と考える。西欧と東欧の境界線はドイツを通過している。

西欧にはロマンス系とチュートン系の要素があり、東欧にはチュートン系とスラブ系の要素がある。東欧の要素は均衡しておらず、チュートン系のドイツがスラブ系諸民族の上に君臨しようとすると問題が発生する。ベルリンは旧スラブ圏内であり、ドイツ民族が東方征服を印した場所と考える?

言語分布から考えるドイツ語圏の発展は、以下の三方向とする。

①プロイセン:バルト海北東
中世ドイツ人による征服。ハンザ同盟の商人とチュートン騎士団が沿岸陸地を征服した。
②シレジア:ポーランドからウィーンに至る経路
フリードリッヒ大王(1712年~1786年)の時代に進出。
③オーストリア:ダニューブ
ケルンテン公国をアルプスに形成した。

ハンガリー、トランシルバニア、ロシア領土内にもドイツ人の集団居住地があり、ドイツ文化の政治的影響がある。ロシアのピョートル大帝は、18世紀初頭に首都をモスクワ(スラブ的環境)からペトログラード(ドイツ的環境)に移している。18世紀から19世紀にかけて、ロシア官僚組織の要員の多くは、バルト沿海地方に住むドイツ系貴族から募集された。

⇒東欧の歴史的特色は、スラブ系から成る人口の上に君臨するロシア、オーストリア、ドイツの三国を、全体としてドイツ人が牛耳る構造にある。

⇒ロシアは、共和政体のフランスと同盟しなければ、オーストリアのようにドイツへの従属的地位に陥る状況にある。

****************

西欧と東欧の対立に話を戻すと、世界の岬を取り囲んだ英国のシー・パワーは、心臓地帯を支配するロシアのランド・パワーと対立するようになる。19世紀においては、米国人口は少ないため、有望市場はインド以東の人口豊かな地域であり、英国にとってインドは重要地帯だった。陸上からインドに進出出来るロシアは脅威である。

ランド・パワーが心臓地帯の資源を組織化しようとした場合、シー・パワは対抗する必要がある。人口が少ない騎馬民族と違い、多大な人口を有するロシアは帝国を維持する能力を持つ?

<英国流 政治経済学とドイツ流 国民経済学の違い>
両方ともアダム・スミスを源流とし、労働の分業化や生産物が好感される際の価格決定の基礎を競争に求めている。

違いは、競争の単位。英国は、競争単位を個人や会社組織としたが、ドイツは国家を単位とした。個人間の競争を国家組織間の競争に置き換える。
ドイツでは、1878年以降に関税によって輸入品目を選別し、国内企業育成を行うようになった。その後のドイツの成長は、組織力の勝利であり、ドイツ人口の増大(20世紀初頭で年間百万人)は、国外市場開拓をドイツに求めるようになる。ドイツ市場開拓のためのスラブ民族征服。

自由放任式の自由貿易主義も、略奪型の保護主義も、帝国指向型政策と著者は考える。英国とドイツは、正反対に走り第一次世界大戦で衝突した。

第六章 諸国民の自由
第一次世界大戦の主因を、ドイツがスラブ人種を制圧しようとしたためと考える。ドイツが全心臓地帯を掌握した場合、シー・パワーにとっての戦略的危機が発生する。

第一次世界大戦でドイツが犯した過ちは、東西どちらの戦線を主とするか決定しなかった事にある。ハンブルグを基点にして海外植民地建設を目指す思考と、心臓地帯を指向してバグダットに入る思考の対立。

問題は根本的に解決しておらず、東欧安定のために、ドイツとロシアの間に複数の独立国家からなる中間層を形成する必要がある。

①ポーランド
ウィスラ川を動脈的水路とし、約2000万人の人口。ポーランドに、バルト海への出口を与える事が、バルト海の閉鎖海化を防ぐ手段。著者は、ドイツ系言語が多い東プロイセンの沿海部をポーランド領にするために、ポーランド人居住地域であるポーゼンとの居住者交換を提案している。

②ボヘミア(チェック人、スロバキア人)
900万人程度の人口。石炭、各種金属、木材、水力、穀物等に恵まれ、バルト海からアドリア海に至る鉄道幹線の中枢に位置する。

③ハンガリー(マジャール人)
約1000万人のマジャール人の内、10%の支配層が残りを支配する構造。他の民族に取り囲まれており、ドイツの支持が無い限り強大化しないとする。

④南スラブ(セルビア人、クロアチア人、スロベニア人)
1200万人程度の人口。ラテン系教会とギリシャ正教会が入り組んでいる。1915年には、クロアチア人・スロベニア人(カトリック)とセルビア人(ギリシャ正教)との間にコルフ島協定が締結される。オーストリアの威令無しでは不可能とする。
アドリア海に面した諸港やコンスタンチノープルに至る鉄道幹線を利用可能。

⑤ルーマニア
トランシルバニア山脈の麓があり、水力や鉱脈を利用可能。黒海を利用可能にすれば、黒海の閉鎖海化を防ぐ事が出来る。

⑥ブルガリア
ハンガリーと同様に他の民族に取り囲まれており、ドイツの支持が無い限り強大化しないとする。

⑦ギリシャ
心臓地帯の域外にあり、シー・パワーの接近が可能。

⇒戦略的ポイントは、最も文明度が高いポーランドとボヘミアが北にあってドイツの攻撃にさらされ易い位置にある事。これらの国が確実に独立を維持するには、アドリア海・黒海からバルト海に至る約6000万人の人口がある独立国家群の先頭に立つ事。鉄道交通によって各国が結び付き、アドリア海、黒海、バルト海を通じて外洋進出可能になれば、ドイツ民族と拮抗可能。

⇒国際連盟が出来た現在、一つの国だけが強力になる事態を防ぐべき。国際管理の有効な方法として、一定の国を人類全体の受託者として全てを委任する方法。米国と英国が重要な海峡を管理する。

比較的大きな国家の間で資源の公平な配分を行う。

第七章 人類一般の自由
デモクラシーの標榜する平等は管理社会の概念であり、博愛は自己抑制である。民族的自立の要求とは、一定の地域に属する人々が共同で幸福を追求する権利である。

国際連盟発足によって、自由・平等・博愛の原則を国際社会に持ち込む事になったが、諸国間の平等実現のためには管理が不可欠である。

その管理が継続するには、組織を地域的共同体を母体にするべきであり、階級や利害を元に国家を組織すると、配分の問題から階級闘争が発生するとする。人間は機会の平等を求め、階級社会は機会の平等を提供出来ない。

現代の危機は、基礎教育の普及によって、多くの人間が観念的に考えるようになった事にある。無文字者は、具体的にしか考えないため、道を説くには寓話による。理想には無関心である。しかし、教育を受けると、観念に魅了され易くなり、暗示にかかり易くなる。

⇒こうしたP222の記述はナチス登場を予見していると思う。

観念を持つが実際に試す機会の無い人々の不満。社会的に認められたいとする欲求。現代においては、国家全体として階級的になり、一部の人間だけが自己実現の機会を持っている。

社会分権は解決策となるか?

補遺 一九一九年一月二五日、
   ゲドルセーの一事件について

パリ平和会議の第二回全体会議。国際連盟設立のために、諸小国を招請して協力を求める。力による支配から法による支配への転換は可能か?

付録
(1)地理学からみた歴史の回転軸(一九〇四年)
1500年からの400年間をコロンブスの時代とする。欧州の拡大に大きな抵抗は無かった。

欧州各国は、アジア民族が齎した変化に対応して力をつけたとする。

外洋と砂漠に囲まれたユーラシアの全面積は2100万平方マイルで、雨量の多い沿岸部が世界人口の2/3を保有する。その北部と中央部を流れる川は、外界との交通に役立たず、ユーラシアの中核は砂漠が点在するステップの連続である。この広大な地域は遊牧民族の生活に適した条件を備えている。遊牧民族は散在しているが、全体としては大きな数を持つ。

沿海部は四つの地域に大別され、それぞれ仏教、ヒンズー教、イスラム教、キリスト教の支配権と一致している。アジア地域はモンスーン地域と呼ばれ、太平洋、インド洋に面している。これに欧州を足すと地球の人口の2/3となる。

中東は水に恵まれず、人口も希薄だが良湾や河口がありシー・パワーの活動に開かれている。

喜望峰を周ってインド洋に出るルートの発見は、ユーラシア大陸東西を結び付ける意味があり、中央アジアの遊牧民が持っていた戦略的優位をある程度無力化した。欧州は脅威となっていたアジアのランド・パワーを包囲出来る事になる。

現在では、鉄道技術によってランド・パワーが統合される可能性があり、ドイツとロシアが合体すると強大な勢力になるかもしれない。

(2)球形の世界と平和の勝利(一九四三年)
心臓地帯とは、ユーラシア北部の内陸部分である。バルト海と黒海の間の地峡が、その西側の限界となっている。

以下の特徴。

①地球上で最も大きな平坦な低地帯
②航行可能な大河があるが、北極海に注いでいるため、
 外洋に出る事が出来ない
③内陸の大草原地帯。遊牧民族の理想郷

心臓地帯は天然の要害を形成しており、この地に史上初めて質的、量的に十分な守備兵力を持つソヴィエト連邦は、地上最大のランド・パワーである。

ソヴィエト連邦に対抗するために、米国は縦深的な防御を担当し、英国は外濠を備えた前進基地であり、フランスは橋頭保としての役割を持つ。それが北大西洋のシー・パワーである。

心臓地帯と北大西洋の沿岸諸国を取り囲む過疎地域は、全陸地面積の1/4であるが地球人口の1/70(3000万人程度)が居住するのみで、自然障壁が社会の連続性を妨げる事態は変わりそうにない。

南米と南アフリカが農業に適するように改造された場合、ジャワと同程度の密度の人口 = 約10億人を養う事が出来る。

インドや中国等のモンスーン諸国に住む約10億人の人々については、ドイツや日本が文明世界に順応するのと平行して繁栄するものと予想する。繁栄が達成された暁には、ミズーリ川、エニセイ川の中間に住む他の10億人の人々との均衡状態が成立し、全人類の生活が均衡した時に幸福な世界が訪れるとする。均衡が自由の基礎と考える。

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