『日本軍と日本兵』を読んで

『日本軍と日本兵』(一ノ瀬俊也著)を読んで。

米陸軍軍事情報部が1942年~1946年まで部内向けに刊行していた部内広報誌「Intelligence Bulletin」に掲載された日本軍関連の記事から、日本軍の実像を明らかにする。

「Intelligence Bulletin」は、作戦地域の下級将校、下士官向けに作られた月刊誌で、主に敵の戦術や兵器を扱う。

<日本人の分類>
日本人と中国人の識別方法が「Intelligence Bulletin」に掲載されている。問題は、日本人と中国人の識別が「こじつけ」でしか出来ない事。
日本人の人種的起源をマレー系、モンゴル系、朝鮮系、日本固有部族として、平均的日本兵の形質発現に最も強く影響するのは、マレー系としている。背が低くがっしりしていて、ほっそりしていて肌の色が明るい華北人と異なるとしている。しかし、結局は中国人と日本人を身体的特徴のみで見分ける事は困難で、文化的特色と身ごなし = ”l“と”r“の発音、風呂の習慣等による判別が一助になるとしている。

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無意味であるとしても、「日本人」というステレオタイプを示した理由は、理解不能である事の不安の克服にあるという説がある。未知の不安を克服するためには、過去の知識や経験から参照可能な型を探し出し、二元的構図に流し込む事で自他の差異を描き出すべき?

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日本軍の戦法は柔術に喩えられる。奇襲と欺騙に重点を置き、打撃戦を避けようとする。奇襲と機動のために、小部隊を奇襲的に用いる。小部隊に作戦行動の大部分が委任されており、指揮系統や協力関係が喪失されがちである。部隊の独立行動は小出しの攻撃の原因となる。一方で、独立した小部隊は、上層部の式が失われても作戦全体が崩壊する事を防いだ。

そして、日本兵士最大の弱点は、予期せぬ事態に弱い事である。計画通りに物事が進む間は決められた計画を細部まで実行出来るが、急速に変化する状況には対処出来ない。指揮官の命令通りに射撃行動を行う事は得意だが、個別行動する狙撃兵の狙撃能力は低い。自由な思考や個人の自発性を嫌う文化との関連?

日本軍は攻撃力を機械で強化しようとせず、機械に支えられた人間の軍隊である。そのため、自らの信念とは異なる機械力を使用して犠牲を防ごうとする米軍と相対すると、理解出来ぬ敵に臆してしまう。

⇒事前計画や信念が崩れると途端に弱くなる特性。

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日本軍の戦術は、確立されたパターンの繰り返しであるとする意見。

以下が、日本軍のパターン。

・多くの指揮官に変化に応じて作戦変更する能力が無い。
・決断に迫られると、ほぼ必ず攻撃的手段を探す。
・可能な限り奇襲を選ぶ。
・予備隊を作らず、特定の戦域に全兵力を投入する。
 そのため、迂回戦術に弱い。
・偵察を行うのは、攻勢作戦の前である。

⇒一度定めた方針に固執する。奇襲攻撃一辺倒。予備隊を作らないため、迂回され壊滅するのが、米側の対日本軍評価である。

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「Intelligence Bulletin」では、日本軍が米軍の占領に従順なのは、占領軍総司令部を危機解決上の最高権威と見ている事と、多くの日本人が米兵相手の商売で稼いでいるからであるとしている。占領に対する潜在的脅威は、中国戦線で負けなかった復員兵達であり、彼等の力を削ぐには多くの日本人が食と仕事を得るべきであるとしている。

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著者は、日本軍の行動様式の原因を記述したかったのだと思う。しかし、本を通して読んでも良く分からなかった。合理性、非合理性についての考え方が上手く理解出来ない。

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