哀しき半島国家 韓国の結末

読んだ本の感想。

宮家邦彦著。2014年10月29日 第一版第一刷。



北東ユーラシアを地政学的に分析するには、中華、朝鮮半島、満州地域を総合的に理解する視点が不可欠。朝鮮半島のみを解析の対象としては、嫌韓意識に基づくステレオタイプ的意見になってしまう?

「中華」とは、漢民族の文化的優位性を誇示する、周辺の蛮族との対比での自称である。漢民族とは人種的概念でなく、中原(黄河流域)を支配すれば「中華」となれる。

中原は、人口が大きい割に耕作可能地域が狭く、人口が増加する度に周辺の蛮族達が征服されていく。東夷(古代は山東半島を指したが、山東半島征服後は日本を指す)、西戎(西部の狩猟民)、南蛮(南部の焼畑農耕民)、北狄(北部の狩猟民)。

「中華」とは、中原の定住農耕民だった漢族の共同体に、周辺の遊牧民や狩猟民が侵入し、新たな要素を加えながら同化していく土地である。中華の基礎は古代漢族文化であり、人種的にではなく、文化的に四夷を差別する。中華民族とは、諸種族が混合して形成された都市の住民である。

「中華」と接する朝鮮半島は、北部(ツングース系、モンゴル系の遊牧・狩猟民)は大陸国家、南部(韓族系の定住農耕民)は海洋国家の特徴を持つ。

朝鮮半島北東側には険しい山があり、外敵の侵入経路は遼東半島から平壌、ソウルを通る回廊である。回廊の先は海であり、撤退余地に限りがあるため、長期戦に耐えられない地形である。こうした地形的特徴を持つ朝鮮半島の国家にとって、中華や満州地域に強大な国家が出現する事は潜在的脅威である。

以下の2つの思想が生まれる。

事大主義:
朝鮮の伝統的外交政策。大に事える。中国は韓国の上位の国であるから侵略されても、ある程度は諦める。「漢族」、「非漢族」を問わず、周辺の強大国家に「事大」して自国の安全保障を確保する。

⇒北朝鮮は事大主義を批判しており、朝鮮労働党の政治思想である「主体思想」は、「自主・自立」により、中華王朝等への事大を克服するとしているらしい。

小中華思想:
中華文明圏の中で、非漢族的な政治体制と言語を維持した勢力が、自らを中華王朝に匹敵する文明国であり、中華の一部(小中華)と考える文化的優越主義思想。

⇒特に夷である清(女真族)に朝貢した李氏朝鮮は、女真族への蔑みと事大主義との均衡があったのかもしれない。

⇒清国に負い目が無かった事が、近代日本によって朝鮮が清から独立された事が感謝されなかった理由?

しかし、中華や満州地域にとっては、朝鮮半島は侵入し易いが支配が難しい土地である。そして、中華王朝にとって朝鮮半島は不可欠な土地ではない。地政学的に重要なのは、遼東地域から北方地域に接続出来る遼東半島(華北における交通の要衝)であり、遼東半島の維持が優先される。

北東部が山岳地帯である朝鮮半島には、遼東から平壌・ソウルを結び、南部へ抜ける以外には主要ルートが無い。歴史上、朝鮮半島が交易上の優位を得たのは、満州南部を支配し、中華王朝向けの貿易を管理・独占した時だけである。

現在、東アジアにおいて、中国の台頭という地政学的地殻変動が発生している。日本を軽視し、中国を重視する韓国外交には、巨大な隣国・中国との安定的関係構築という課題がある。韓国政府が北朝鮮崩壊を念頭に、中国との関係を良好化する事で、朝鮮半島統一の円滑を図ろうとしている可能性。

仮に中華地域が弱体化した場合、朝鮮半島の独立志向が高まるかもしれない。

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日本人の対韓感情が日韓政治関係に左右されるという仮説。内閣府世論調査による「日本人の韓国に対する親近感」が悪化した1998年と2012年は、韓国国内で慰安婦問題をめぐる対日批判が高まった頃であり、ソウルオリンピックが開かれた1988年、金大中大統領の訪日があった1998年、日韓共同開催のサッカー・ワールドカップのあった2002年は対韓感情が好転している。

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歴史から考える北東ユーラシアの地政学的パターン。

(1)中華(2パターン)
・漢化した征服王朝を含めて中華が統一され強力
・中華が分裂するか、漢化していない征服王朝に支配され弱体
(2)満州地域、朝鮮半島(3パターン)
・土着勢力が統一し、政治的に独立した国家を作る
・土着勢力同士による分裂・弱体化
・外国勢力による支配

地域毎の気候条件。

朝鮮半島:
温帯性で定住型農耕に適しているが、南北に長く、北東部は山岳地帯であるため、農耕に適した地域は半島西部と南東部に限られる。歴史的には朝鮮半島の政治経済の中心は半島西部河口の平壌とソウルである。

満州地域:
寒冷地帯に属し、遼東半島等の南部の一部を除いて農耕に適さない。歴史的には、ツングース系定住狩猟民族が北部に住む。

モンゴル高原:
遊牧騎馬民族が覇を競う地域。

⇒寒冷化が発生すると、北方の遊牧民族が絶滅の危機に瀕し = 南下欲求、南方の農耕民族は弱体化する。気候変動による民族移動が起きる。女真系等の定住遊牧民族は定住に違和感が無く、民族的特色を変化させて農耕定住文化に同化するが、モンゴル・契丹等の遊牧競馬民族は定住を拒否し、中華に同化しない。

①紀元前6世紀~紀元前5世紀
黄河流域は中小国家が群立し、満州地域や朝鮮半島には強大な勢力が無く、以下の民族が住んだとされている。

・粛慎(ツングース系狩猟民族):
周代の文献に見られ、挹婁、勿吉、靺鞨、女真の先祖と考えられている。

・濊貊(定住農耕民)
中国黒龍江省西部、吉林省西部、遼寧省東部から北朝鮮東部にかけて、北西から南東に延びる帯状の地域で定住した民族。沃沮、高句麗、夫餘等の北方種族の祖先とされる。

②紀元前4世紀~紀元前3世紀
華北で勢力を拡大した燕が遼東半島を含む満州地域南部を支配。朝鮮半島の一部も支配。

③紀元前3世紀末
秦の始皇帝による中国統一。燕が支配していた満州地域南部を紀元前222年までに併合。朝鮮半島へ侵攻した記録は無い。

④紀元前2世紀後半
前漢による中国の統一。モンゴル高原では匈奴が勢力を拡大し、東湖(遊牧系騎馬民族)の末裔である鮮卑、鳥桓を東方に追いやる。その結果、満州地域では、北部の夫餘・挹婁、西部の鮮卑・鳥桓が並立し、南部の遼東半島を前漢が支配した。朝鮮半島では、衛氏朝鮮と沃沮が北部を支配し、南部は韓族の諸国に分裂していた。

衛氏朝鮮:
紀元前195年に、燕出身の将軍だった衛満が、箕子朝鮮の王・箕準を追放して建国。紀元前108年、三代目の衛右渠の時代に前漢の武帝に滅ぼされ、漢四群(楽浪郡、真番群、臨屯群、玄莬群)として、その後400年間、中華王朝に支配された。漢による支配は点と線の支配で、朝鮮半島全体を支配したわけではないらしい。

⇒中華で強力な統一王朝が成立すると、満州地域と朝鮮半島の勢力バランスが変化する。歴史的に漢族中華が朝鮮半島を支配したのは、この時代と唐代だけである。

⑤2世紀中頃
鮮卑が強大化し、華北に侵入して後漢を脅かす。北方では夫餘・挹婁、東方では高句麗が台頭したが、遼東半島は後漢が支配した。

⑥4世紀後半
後漢が滅び、中華が分裂する魏晋南北朝時代が始まる。中華からの圧力が減ったために、北方の勢力地図が変化。モンゴル高原では、東湖の子孫である柔然が勢力を拡大。満州地方では高句麗が台頭。朝鮮半島では高句麗、新羅、百済(ツングース系夫餘族が346年に建国したとされる)が分立する三国時代となっていた。

⇒中華地域が分裂・弱体化すると、中華からの支援が無いために、満州地方や朝鮮半島は分裂気味となる。

⑦5世紀後半
五胡十六国時代が終わり、北魏、宋が並立する南北朝時代になる。モンゴル高原では柔然が勢力を保つが、満州地域では高句麗が夫餘、勿吉を北方に追いやり大半を支配下に置き、朝鮮半島北部まで勢力を拡大。朝鮮半島では三国時代が継続。

⇒満州地域や朝鮮半島に強力な勢力が生まれる際、統一中華王朝の支援を得て、国家統一が容易となる。

⑧7世紀後半
隋・唐によって統一された中華の勢力圏はチベット高原からベトナム北部まで及ぶ。満州地域では唐に対抗出来る土着勢力が存在せず、契丹や靺鞨族は唐の勢力下に入った。朝鮮半島では、356年に建国された新羅が、唐と吐蕃の戦争に乗じ朝鮮半島南部を統一。最終的には唐と冊封関係に入る。

⇒朝鮮半島北部は唐が支配。満州地域や朝鮮半島に強力な勢力が生まれる際には、国家統一維持のために統一中華の支援を利用する事がある。

⑨8世紀~9世紀
唐が弱体化し、満州地域の遼東半島を除く部分に、靺鞨系の渤海が興り、北部は黒水付近、南部は朝鮮半島北部まで勢力を拡大。朝鮮半島北部は新羅が支配。

渤海:
7世紀~10世紀に満州、朝鮮半島北部、沿海地方に存在した国家。農耕漁撈民族で、ツングース系。大祚栄による交易で栄え、唐からは「海東の盛国」と呼ばれるが、926年に契丹に滅ぼされる。

⑩10世紀中頃
唐が滅亡し、五代十国時代に入る。この機に乗じてモンゴル高原では契丹、遼が台頭。契丹は遼東半島を含む満州地域と朝鮮半島北部を勢力下に置いた。

契丹:
モンゴル・ツングース系の混血。4世紀~14世紀にかけて満州地域から中央アジアまでの地域に存在した半農半牧の民族。8世紀にはウイグルと渤海の中間に存在したらしい。10世紀初頭には華北に帝国を建国し、遼と号した。1125年に、宋と結んだ金に滅ぼされる。

朝鮮半島では918年に高麗が王建によって建国され、高句麗を滅ぼして勢力を拡大。936年には新羅を滅ぼして朝鮮半島初の統一国家を樹立。960年に宋が中国を統一すると、高麗は宋の朝貢国となった。

⇒中華が弱体化した結果、中華地域の圧力が低下して、満州地域や朝鮮半島の勢力が強大化した例。満州や朝鮮半島の地方勢力が十分に強力でない場合には、中華勢力からの支援が無いために統一が進まない事も考えられる。

⑪12世紀後半
金による華北支配と南宋による華南支配。

⇒⑩と同様に、中華地域が弱体化すると、満州地域の強力な勢力の強大化が容易になる。

⑫13世紀後半
モンゴル部族連合による勢力拡大。モンゴルにとっては、中華は植民の対象であり、定住農耕文化を評価・受容しなかった。朝鮮半島を制圧する事も出来ず、高麗が南部で独立を維持した。しかし、高麗は元朝と姻戚関係を結ばされ、元による高麗の属国化が進んだ。

⇒モンゴル勢力であっても、朝鮮半島の支配は困難だった。

⑬15世紀後半
モンゴル高原では、モンゴル系のタタール・韃靼が台頭したが、中華地域では明が強大化。明は満州地域の南半分を制圧。

李氏朝鮮:
1392年に、親明であった女真族の李成桂が建国。1402年に明に朝貢・冊封した。15世紀に最盛期を迎え、訓民正音制定、史書編纂等を進めた。

⇒明が満州地域南部を支配した理由を、女真地域支配を画策した女真系李氏朝鮮を封じるためとしている。李氏朝鮮でも明の支援を利用している。

⑭17世紀~18世紀
満州地域では女真族の後金が台頭し、1600年頃までに遼東半島を除く満州地域南部を支配。後金は1621年に遼東支配の拠点である遼陽、瀋陽を征服し、1625年までに遼河の東方全域まで支配地域を拡大。1644年には中華地域に進出。

⇒明が急速に弱体化したため、満州地域の女真族が中華全体を征服・支配した。

⑮19世紀中頃
清による中華統一により、満州地域は中華に組み入れられ、朝鮮半島との一体感が失われる。19世紀後半の日清戦争後は、清は李氏朝鮮に対する宗主国としての地位を失う。

⑯19世紀後半
清朝の弱体化により、日本の勢力が拡大する。また、ロシアの極東進出も特筆すべき点で、1860年の北京条約によってロシアが沿海州を獲得した事は、中華とロシアで満州地域が分割された事を意味し、この状態は今でも継続している。

歴史的な大局観を纏めると、満州地域において地元勢力が並立・分裂する事は稀であるが、遼東半島を含む満州全土を支配出来たのは高句麗、契丹、金のみで、中華地域が弱体化した時期である。

朝鮮半島の統一は、中華地域の統一・分裂と関連が見られ、中華地域が強大である場合、中華の力を利用して半島統一の維持が容易になる。

○遼東半島の確保
遼西・遼東から三つの交易ルートがあったと想像される。

①遼西から遼河を北上し、満州北西部に抜けるルート
②遼西から遼河を通り、鴨縁江を北上し、
 満州北東部へ抜けるルート
③遼東半島から鴨縁江を渡り、
 朝鮮半島西部から朝鮮半島南部へ抜けるルート

北東ユーラシアにおいて地政学的優位を得るには、遼河・鴨縁江間の平地(遼東半島)を確保する事が不可欠であった。遼東半島は、漢族中華王朝が北部と交易する主要ターミナルである。

以下の4つの教訓。

①中華王朝の強大化・弱体化がパワー・バランスを崩す
黄河流域の洛陽盆地を中心とする中原は、圧倒的に豊かな土地であるが、平坦な地形によって自然の要塞を持たないために、気候変動等の生活環境の変動期に、北方の遊牧・狩猟民族の侵入・征服を防ぎ切れない。

防御手段として、万里の長城建設や、遼東半島確保がある。交通の要所である遼東半島は外敵侵入を防ぐ上での重要地域であるが、朝鮮半島は支線に過ぎない。

中華王朝が強大であれば、満州地域確保のために遼東半島を確保しようとし、中華王朝が弱体であれば、華北から満州地域、朝鮮半島への圧力が緩和され、両地域の政治的、経済的独立性が高まる。

②中華と朝鮮は危機の際のみに混ざり合う
朝鮮半島南部は、一貫して定住農耕民が支配した土地であるが、朝鮮半島北部は満州地域南部と一体であり、現在の朝鮮半島の住民は、南部の定住農耕民の集団と、北部定住狩猟民が漢化・農耕化した集団とが合体化した集団である。

中華王朝は朝鮮半島を必ずしも重視していなかったが、双方の共通の敵を討つために相互に利用し合う事はあった。朝鮮半島の国家は中華が強力な場合は中華に事大するが、中華が弱い場合は他の勢力に冊封・事大する傾向がある。
しかし、事大は中華には有効だったが、モンゴル系の元には必ずしも機能しなかった。非漢族の征服王朝・清の出現により、朝鮮半島では自らを中国に次ぐ文明国とする「小中華」意識が深まる。

③満州と朝鮮は一心同体から相互蔑視へ
モンゴル高原から朝鮮半島北部にかけて住んだ主要種族は文化的に似通っていた。朝鮮半島北部で農耕化した定住狩猟民と南部の定住農民の集合体である朝鮮半島の民族は、都市の民である中華への嫌悪感と親和性を兼ね備える可能性。

④満州が覇権を求める可能性
満州は清朝建国以前までは四夷の一部だったが、清朝後は急速に中華化し、独自性は大幅に薄れた。しかし、地域としての満州は残っており、温暖化によって満州北部が農耕地帯に化けた結果、満州北部に居住する人間集団が政治的覇権を求める可能性がある。

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朝鮮半島の近未来予測について。現在、東アジアでは中華の膨張というパラダイムシフトが発生しており、中華世界が強大化するか否かによって将来の方向性は大きく異なる。

<中華地域が統一を維持・強力である場合>
シナリオA:北朝鮮崩壊(ソフトランディング):
欧州に忙殺されるロシアが介入する可能性は低い。やはり中国が政治的・軍事的に介入し、韓国へのプレゼンスを高める可能性がある。韓国経済が単独で、半島北部を吸収する事は事実上不可能。

シナリオB:北朝鮮崩壊(ハードランディング)
欧州情勢次第ではロシアが介入する可能性。ロシア以上に中国が安全保障上の脅威を感じ、北部に新たな傀儡政権を樹立する可能性。北部からの挑発が無い限り、米国や日本が介入する事は難しい。

シナリオC:北朝鮮存続・金一族失脚
中国が韓国主導の半島統一を受け入れず、北朝鮮を維持するための手段として、指導者を入れ替える可能性。新北朝鮮が改革開放を進めれば、韓国や日本、米国は受容するしかない。中国にとっては究極の現状維持シナリオ?

シナリオD:北朝鮮南進
北朝鮮による軍事侵攻を、経済的悪影響を考えて韓国は望んでない。歴史上、弱体化しつつある側が自暴自棄になって軍事攻撃を仕掛ける事態は朝鮮半島では思いつかない。朝鮮半島の勢力が弱体である場合、強大な勢力と冊封関係を結ぶ。

仮に北朝鮮が南進を始めても、韓国側の反応は抑制されたものとなり、最後まで北朝鮮の出方を見守る可能性が高い。だからこそ、北朝鮮は全面戦争を望まない韓国に軍事的挑発を繰り返す事が出来る。

<中華地域が分裂・弱体化する場合>
シナリオE:北朝鮮崩壊(ソフトランディング):
韓国が中国への依存を深める可能性は低下。中華地域が弱体化する場合、歴史的には北方民族が強大化する傾向があり、ロシアが勢力を伸張させる可能性。
しかし、北東ユーラシアには中国以外に朝鮮半島統一を望まない勢力は無いはず。

シナリオF:北朝鮮崩壊(ハードランディング)
米国、日本が朝鮮半島に関与する余地が拡大。

シナリオG:北朝鮮存続・金一族失脚
中華以外の勢力が北朝鮮内政に介入する可能性。金一族に代わって改革主義者が指導者になれば、軍事的脅威が減少するだけ韓国にとって利益となる。

シナリオD:北朝鮮南進
中華勢力が弱体化したために、北朝鮮が賭けにでる可能性。中国が弱体化しているために、日本が援助する可能性。

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日本の取り得る戦略は、以下である。

①バランス・オブ・パワの維持
大陸に単一の強大勢力が出現しないようにする。
②深入りしない
海洋国が大陸に上陸すると、補給線が切断され、失敗する。
③貿易推奨
海上交通路を確保して貿易を推奨する。大陸への過度の依存を回避する。

日本にとって最悪のシナリオは、現状維持勢力に敵対する勢力が朝鮮半島全土を支配する事である。中国に北朝鮮崩壊という自然な流れを押し留めるような介入をさせないようにする。仮に朝鮮半島において大規模な混乱が発生すると、日本が巨大な支援を実施せざるを得なくなる。朝鮮半島において、韓国主導による統一コリア国家建設が頓挫すると朝鮮半島内の対立によって日本が不利益を被る。他方で、朝鮮半島が困難な統一を目指す場合、歴史問題等で日本を政治的に利用し続ける事を覚悟する。

著者が本書執筆時に最も蓋然性が高いとするシナリオは、強大化する中華政府が北朝鮮という緩衝地帯を維持するために、金一族を取り除いてでも「朝鮮民主主義人民共和国」という枠組みを守ろうとする事である。

ただし、このシナリオには前提条件があり、中華が韓国に対する影響力に限界を感じているという事である。韓国が中国の意向を重視するようになれば、中国には北朝鮮が不要になる。

韓国にとって米韓日の連携は、北朝鮮に対抗する枠組みであった。中華帝国の強大化によって韓国外交は、現状維持するか、新たな冊封関係を模索するかの岐路にある。

一方で、北朝鮮の主体思想は中国からの独立を暗示しており、中朝関係は決して盤石ではない。

朝鮮半島における地政学的脅威は北朝鮮ではなく、各方面で台頭する中国になりつつあり、韓国と北朝鮮は外交政策を再調整している。韓国の原則が、冷戦時代にのみ機能する「日米韓連携」から、伝統的な対中華「冊封関係」にシフトした可能性がある。

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