申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

読んだ本の感想。

カレン・フェラン著。2014年3月30日 第1刷発行。



社員を資産として扱い、監視、評価、標準化、最適化等出来ないという話。モデルや理論によって人間性を無視しても、経営改善は不可能と考える。

システム的な管理手法よりも、各社員の自発的な能力向上を重視しているのだと思う。

<戦略策定への批判>
正しく戦略策定しても、現実のビジネスにおいて有効に機能しないという指摘。戦略策定は、「未来」を予測出来る事が前提になっているが、過去から「未来」を予測する事は出来ない。

著者が評価する戦略家ユリシーズ・S・グラント(南北戦争の北軍将軍、第18代米国大統領)は、戦争において地勢を調査し、兵力配置や指揮方法を決定した。戦争が始まると作戦は変更を余儀なくされるため、地勢を予め把握しておく事が重要となる。

⇒戦略計画に価値は無い。戦略を立案する過程で得られる情報にこそ価値がある。

数名の限られた経営陣のみで戦略を策定するのでなく、現場からの情報収集を重視する事。機会を逃さないためには、あらゆる情報を社内で共有する事が大切。

従業員が自部署の人間以外とは意思疎通しなくなると、非効率が蔓延する。抜本的な解決は全ての人間を巻き込まないと実現不可能。単純な話し合いが効果を発揮する。

数値的目標によって人間を規定し使用としても、社員個人の利益と会社全体の利益に乖離が生じる可能性がある。少数の数値目標を押し付けて、機械のように人間を動かそうと思ってもうまくいかない。関係者全員を集めて優先事項を決定し妥協点を探る。

第3章におけるこの辺りの記述は重要だと思った。意思決定から人間の判断を取り除くと愚かな判断が下される事になる。評価指標は管理職が参考にすべきものであり、数値目標を評価基準として懲罰的効果を持たせると、数値目標自体が目的になってしまう。

①半年で10キロ痩せる②体力をつけ、心身の健康状態を改善するという目標を比較すると、①を評価基準にすると健康上の問題が発生する可能性がある。目的は②として、数値目標は参考指標にするべき。

測定可能な期限付きの目標では、目的を達成出来ない可能性がある。

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<社員をランク分けする事への批判>
戦略策定と同様に、過去から未来を予測出来ない以上、将来的な可能性が未知数なのに、固定的なランクに社員を分類する事には無理がある。

階層型組織におけるシミュレーションでは、有能な人間が昇進後も能力を発揮するとは限らないため、最優の社員と最劣の社員を交互に昇進させる方法か、ランダムに社員を昇進させる方法が有効に機能した。この方式ならば、特定領域で能力を発揮出来ない社員を他に移す事が出来る。

社員をランク分けすると、下位社員は指導によって中位に上がるか辞める、上位社員は能力の限界が訪れて中位に落ち着く。中位の社員は放っておかれるため、やがては全員が中間層になってしまう。

著者の意見として、業績は状況によって左右される。大抵の人間は、良い条件に恵まれれば優れた業績を上げる。よって、業績が悪くとも能力的に劣っているとは限らない。

そして優秀とされるとリソースを多く与えられるために成功確率が高まり、劣等とされると失敗確率が高まる。

社員全体のレベルアップを企図すると、適性による主体的な評価が効果的?

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批判のための本になっていて、提案のための本になっていないと思った。

批判している事や、提案しようとしている事には興味があるので、この辺りをもっと纏めてみたい。

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