ロボットは東大に入れるか

読んだ本の感想。

新井紀子著。2014年8月8日 初版第1刷発行。



2011年に開始し2021年が目標となる、東大入試に合格出来る人工知能。

第1章 <東ロボくん>と人工知能の現在
東大入試は、以下の2つの試験からなる。

①大学入試センター試験
国公立大学を受験する学生の多くが受験(毎年50万人以上)。マークシート式試験。国語、外国語、数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学B、社会、理科から合計7科目(文系は社会2科目、理系は理科2科目)。

②個別学力試験
2014年では、センター入試で最低600点程度の得点で受験可能。

入試に必要な情報量は、10ギガバイトと推測(過去30年分の入試問題、辞書、教科書、Wikipediaの項目、小説や評論・古典文学)。

計算機械による東大入試は、人間の知能は計算可能であるかという問題に関わっている。

アラン・チューリングによる定義では、計算は以下の3つから成り立つ。

①有限の知識
②特定条件下における特定手続き
③同様に繰り返す

計算機械は情報を0と1の有限の文字列で表現するため、本質的に自然数のみを扱う。

ブレーズ・パスカル:
自然数の本質を同様に繰り返す事にあるとした?

トマス・ホッブズ:
理性は演算のように計算可能とした?

⇒彼等の生きた時代は、地動説が発見された時代であり、常識が揺らいでいた。常識を疑い、分析し、実験で確かめる近代科学革命の勃興期。新しい観点から物理現象を分析するために、新しい概念として数学が重視された。

著者のチームでは、数学的な絶対的正解でなく、統計的な確率的正解を追及している?計算機械には意味 = 出来事を感じる事が困難。断片的にしか世界を感知出来ない計算機械が統計によって近似的に世界を理解する。

第2章 「東大」への大いなる一歩
以下は、2013年度センター試験を受験した東ロボに対する代々木ゼミナール講師による概評。

世界史B:偏差値55.2
東南アジア史を苦手としている。他地域の歴史は流れが整理し易いが、東南アジア史は他地域との交流が主眼であり、情報整理が困難である可能性。

年代整序問題も苦手であり、出来事同士の関係性を理解する事が困難である可能性。

日本史B:偏差値56.1
視覚的資料を用いて問題が苦手だが、正誤判定問題が得意。

政治・経済:偏差値42.2
考え方や制度の内容を問う問題が苦手。単語を記憶するだけでなく、思想や制度内容を説明出来る事が課題。

国語:偏差値45.9
漢字問題は満点だが、読解問題が苦手。

英語:偏差値41.0
発音・アクセントの知識を問う問題は高得点。対話文完成問題は全て不正解。状況を想像して、発言の意味を汲み取る事が苦手?

物理Ⅰ:偏差値48.3
グラフや図を利用して回答する問題が苦手。考察力が求められるも苦手とする。

数学Ⅰ・数学A:偏差値51.9
三角関数の問題が全て不正解。間違えた原因に評者が興味を持っている。

数学Ⅱ・数学B:偏差値47.2
やはり三角関数の問題が苦手。微分・積分は接線のところでつまづいている。

東大入試プレに関する結果は以下の通り。

理科:偏差値61.2、文科:偏差値59.4。問題に出てくる式が多項式、分数式のみ場合は満点が可能。既に数学に関しては、東大合格者の平均を超えている。

*************

自然言語処理を活用した、以下の2つのアプローチ。

①質問応答
自然言語の質問に自動回答する技術。共起 = 特定文章の中に特定の文字列が存在する場合、別の特定文字列が頻繁に登場する事。正誤判断に活用する。

②含意関係認識
多種類の文があった場合、同一の意味内容であるか自動認識する技術。

また、問題を解く時の以下のアプローチ。

①科学
本質を追究し、○○とは何か、実現出来る一般的な方法を探す。

②工学
低費用を追究し、目標定め、達成のために簡単な方法を探す。

図を参照する問題に関しては、画像処理システムと自然言語処理システムを統合する必要がある。

<タルスキの定理>
数学者アルフレッド・タルスキが1931年に示す。計算機械で多項式の問題の正誤を判定。東ロボには、タルスキが発見した手順の改良版が搭載されている。

第3章 <東ロボくん>の将来/私たちの未来
人間と同じように考える:
人間の考えている状態を観測し、その観測結果と、作成した人工知能の出力が一致する事。

著者の考える人工知能の将来について。良く分からなかった。

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