湯之上先生のコラムから

湯之上隆先生が、「日本ビジネスプレス」や「Business Jurnal」に連載しているコラムから。

①半導体の需要見通し
世界半導体市場は、2050年には、2010年(3000億ドル)の2.5倍の7500億ドルになる見通しである。10年毎に1125億ドルずつ増大する事になる。

需要見通しは、以下の論理によって導き出せる。

(1)過去30年のデータから、先進国で1年間に1人当たり150ドル、
 新興国で75ドルの半導体を消費していると推定する。
(2)2010年から2050年にかけて、先進国人口は10億人から30億人、
 新興国人口は20億人から40億人に増えると予測。
(3)よって、2050年の世界半導体市場は、
 30億人×150ドル+40億人×75ドル=7500億ドルになると予想。

湯之上先生は、自動車が半導体を大量に使用するようになると予測する。2020年は、スマートホン30億台、タブレット端末10億台、PC3億台、自動車1億台の出荷が予測されるが、自動運転が実現した場合、1台の自動車が大量の半導体を使用するようになる。

1台100個のプロセッサが必要と仮定すると、1プロセッサ1個100ドルとすると、1兆ドルの巨大市場になる。

②半導体製造装置の市場は成長し難い?
世界半導体市場は成長しているが、半導体製造装置市場は2015年時点でも2000年のITバブルのピークを超えられない。

以下の2つの要因。

(1)半導体メーカー数の減少
最先端の微細化投資を続ける資金余力のある半導体メーカーが減少している = 顧客数の減少。

(2)処理能力向上
例えば、リソグラフィの最先端装置(ArF露光装置)は、2000年頃に比べて、2015年現在?で約3倍の処理能力を実現。装置数が1/3ですむようになった?
⇒生産数は増えないの?

2000年頃より市場が成長した製品は以下の通り?

・露光装置
最先端装置がArFからArF液浸に移り変わる事により装置単価が高騰。ダブルパターニングの導入による工程数の増大も寄与。今後も、多重露光工程の増加や、極端紫外線リソグラフィの量産機が実現すれば市場を拡大させる可能性。

・洗浄・乾燥装置
従来、洗浄は工程フローの3割以上を占めていたが、微細化の進展により微小なパーティクル除去が必要となり、洗浄工程数が増大。

・ウエハ検査装置
微細化の進展により微小欠陥の検査が求められるようになり、検査工程数が増大?

コータ・デベロッパ、ドライエッチング装置、酸化・拡散炉、中電流イオン注入装置等は、2000年頃のピークに近付きつつある?ドライエッチング装置(スパッタリング装置やプラズマCVD装置も?)については、多重露光工程の増加、3次元トランジスタの普及、NANDフラッシュの3次元化の推進等による、工程数や処理時間の増大により市場が拡大する可能性がある。

成膜関係の装置(アッシング装置、ランプアニール装置、高エネルギーイオン注入装置、減圧CVD装置、プラズマCVD装置、メタルCVD装置、スパッタリング装置、エピタキシャル装置、CMP装置?)は、微細化が進展しても買い換えられないため、市場は拡大しない?

湯之上先生は、上記の分析から東京エレクトロンとアプライド社の経営統合(2015年6月30日予定?)について考察。東京エレクトロンについては、成長が期待出来る洗浄・乾燥装置(世界シェア18%)と絶縁膜エッチング装置(世界シェア1位)を持っている事が強味としている。
アプライド社については、15種類の装置を開発・販売し、内8種類が世界トップシェアであり、各種CVDやスパッタリング等の成膜装置に強味を持っているとしている。これらは成長の期待出来ない分野であり、東京エレクトロンの誤算ではないかとしている?

③半導体の微細化
以下は、インテルの微細化のトレンド。2年おきに微細化が進展している。14nmについては1年の遅延。トランジスタの面積が半分になるように微細化が進展していく。
199719992001200320052007200920112014
nm250180130906545322214
面積6250032400169008100422520251024484196


湯之上先生の予測として、2015年以降も微細化が進展し、5nmも視野に入る?

半導体デバイス毎では、以下のようになる?

プロセッサ(MPU):
順調に微細化を継続。5nmまでは、微細化し続ける?

NANDフラッシュメモリ:
2011年の1点だけトレンドから外れたが、後は、順調に微細化している。今後、3次元化が進むと平面方向の微細化はスローダウンする可能性はある。

LSI:
2010年~2013年まで微細化がスローダウンしたが、2013年末には遅れを取り戻した。MPUと同様に5nmあたりまで微細化を続ける?

DRAM:
2010年以降、明らかに微細化がスローダウンした。しかし、微細化はスローダウンしたものの、止まってはいない。20nm以降も微細化は続いている。

以下は、2013年版の国際半導体技術ロードマップ(ITRS)。2017年からのウェアラブル普及を予測?

20152016201720182019202020212022202320242025
MPU1715.31412.811.710.69.78.98.17.46.6
DRAM22201816141312111097
NAND15141312111098888


ムーアの法則終焉が話題になる事が多いと思う。微細化費用が巨額になり、投資を継続出来る企業が少なくなっている事が根拠だったと思うけど、需要が拡大すれば問題無いという考え方なのかな?

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